酪農家が潰れるのは自業自得なのか?

酪農家に対し「これまで何の経営努力もしないで苦しくなったから助けてくれでは都合よすぎる、自業自得」という意見を読んだ。私はこの意見、無茶だと思う。
一定以上の乳脂肪分を含まない牛乳は半値で買い叩かれる。乳脂肪分の基準を達成しようとすると輸入したエサ(濃厚飼料)が必要。

濃厚飼料は海外から輸入したものが断然安い。このため、酪農家は濃厚飼料を買わざるを得なくなった。濃厚飼料を買わずに済ませようとしたら牛乳が半値でしか買ってもらえないのでは、選択肢はない。
そんな状況で飼料の輸入がままならなくなった。

それ以外選択肢がない状態に追い込まれた上で輸入飼料が手に入らないなら、お手上げ。「経営努力」を続けた結果でこうなってる。自業自得論はちょっと厳しすぎるように思う。

濃厚飼料の自給率は平成元年で12%だという。9割の酪農家は、輸入した濃厚飼料を使わなければならない状況。国産のを増やしたくてもそんな急に調達できない。不可能なのに「努力不足」と切り捨てるのは、ちょっとなあ。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/ohanasi01/01-04.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?