出版社共通の契約書ひな型のおかしなところ

これまで四冊本を書かせていただいて、いずれも出版社と契約書を交わせて頂いてるのだけど。どうもどの出版社も共通のひな型があるらしく、おかしな記述が必ず2つある。私はそのつど修正をお願いしている。出版社のみなさん、ひな型修正しておきません?

さて、その2つとはどんな記述か。

まず一つ目。「類似のことを他のところで書いたらアカン」というもの。これ、字義通りにとったら、自分の本の宣伝のために概要を紹介することさえできなくなる。他方、当然ながら出版社は著者に宣伝に努めろと言うわけで、矛盾してる。だから、「文章の完全一致はアカン」だけに修正した方がよい。

もう一つは、「何か問題が起きたら著者が弁償しろ」という記載。誰が起こした問題か、主語がないまま「ともかく問題起きたら著者が弁償ね」と、あまりに片務的。これは「著者の責任で生じた問題に限り」に修正してもらっている。出版社が起こした問題は出版社の責任。当然と言えば当然。

出版社は「ことば」を商売にしてる割に、契約書の文言をきちんと詰めてないひな型を流布させてるなあ、という印象。たぶん弁護士もチェックしてるんだろうけど、詰めが甘い。出版社のみなさん、ひな型の修正、ちゃんとやった方がいいですよ。

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