「投げ銭」の寄付

ツイッターでつぶやいたことをnoteというサイトにまとめ、無料公開しているのですが、どうしたわけか「投げ銭」してくれる方がいるらしく、1万円以上になっていました。せっかくのご厚志を懐に入れるのはしのびなく、YouMeさんと相談し、どこかに寄付することにしました。
https://note.com/shinshinohara
以前、ご講演を聞きに行ったのをきっかけに、辻由起子さんという方と知り合いました。シングルマザーの支援を中心に活動しておられ、子どもたち、そしてそのお母さんたちの支援を必死になってやっておられるお姿に、日々感服するとともに、何かお役に立てたら、と思っていました。
今、新型コロナで、シングルマザーの方たちは大変つらい思いをされています。辻さんの熱意にほだされ、行政の方や政治家も引きずられるように支援に回っているのですが、仕組み上、どうしても足りない部分が出てきます。それを辻さんが必死になって補っているのですが、数が多すぎて・・・
シングルマザーの方たちは、新型コロナのために派遣やパートの仕事を失い、家賃も払えず、食事にも事欠くような危機的な状況に陥っています。何かできないか、何かできないかと思いつつ、自分の力のなさを痛感しておりました。
そこで、noteに「投げ銭」してくださる方々のご厚志を、辻由起子さんのご活動「子ども・若者・シングルマザー応援基金」に、寄付させていただくことにしました。今後、もし「投げ銭」が続くようでしたら、随時、そちらに寄付をさせて頂こうと考えています。
「投げ銭」は、私の文章を読んで、なにかしらお役に立てた時にしてくださっているようです。お役に立ってよかったと思います。無料公開しているのに、「投げ銭」してくださるということは、この世のどこかでお困りの方にお役に立てば、なお一層そのお金は生きるように思います。
辻さんからメッセージが届いたので、それをご紹介させていただきます。
「コロナ第6波が来て、もともと生きづらさを感じていた人が更にしんどい状況に追い込まれているのを、活動を通して実感しています。「助けて」と人に言うのが苦手な人が多いので、「お互い様」の心を広げていきたいです。他者に助けを求め、快くサポートを受け止める力のことを「受援力(じゅえんりょく)」と言うのですが、一人で悩まずに適切なサポートにつながってほしいです。孤立をしてしまうと人とつながることが難しくなるので、普段のお付き合いの大切さを痛感しています。身近に頼れる人がいない人はインターネットを通して私たちの元へSOSが届きます。私たちに出来ることには限りがありますのでご寄付をいただけるとありがたいです。今、お困りの方へ食料や日用品をお届けさせていただきます。」
以上が、辻さんからのメッセージになります。
今後も、私なりに、みなさんにお役に立つ情報をつぶやき、noteにまとめてアップしようと思います。noteでは、今後も記事を無料公開し続ける予定です。もし「投げ銭」をして頂けるなら、今後も苦しい立場に置かれているシングルマザーのみなさんへの少しでも一助となるよう、寄付させていただきます。
もしお気持ちを頂けることがありましたら、これからまとめるnoteの記事に、「子ども・若者・シングルマザー応援基金」への振込先を記載いたしますので、直接ご寄付頂いても構いません(ただし末尾注意事項参照※)。あるいは、私に「投げ銭」して頂けたら、随時、寄付したいと存じます。
「子ども・若者・シングルマザー応援基金」のインスタグラムを紹介します。ご活動については、そちらをご覧ください。応援もよろしくお願いいたします。
https://www.instagram.com/kowaka.s.support/
「子ども・若者・シングルマザー応援基金」振込先
銀行名:りそな銀行
支店名:茨木支店
口座種類:普通
口座番号:0430869
口座名義:子ども・若者・シングルマザー応援基金


※2021年7月22日朝日新聞の記事

支援後「礼がないなら警察だ!」 感謝求める「督促状」
「これで2回目の督促だ! 礼がないなら、次は警察から連絡があるから待ってなさい!!」
「19歳ひとり親 『ご飯ない』と検索」(昨年10月18日付朝刊1面掲載)で伝えた、幼い男の子を育てながらコロナ禍で困窮するシングルマザー。彼女たちを支援する団体のもとに、今年1月、感謝の「督促状」が届いた。
大阪府内に住むシングルマザーの女性は、日本がコロナ禍に突入した昨年3月、1人で出産した。子どもの父親にあたる男性は、妊娠を知ると女性のもとを去った。頼れる身内はいない。手元に残ったのは2万円。具のないみそ汁で食いつないだが、体重は40キロにまで落ちた。月8万円弱の育児休業給付金などで生活をつなぐが、それも2月末には切れる――。
女性と乳児のことを伝えた記事には、多くの反響が寄せられた。私(記者)の職場の机の上には、現金書留や食品が入った段ボール箱が並んだ。女性を支援している団体を通じて、親子に届けた。朝日新聞の「お客さまオフィス」に、支援先を問い合わせてきた人に対しては、支援団体の承諾を得て団体のウェブサイトを案内した。
「思いやりの心を実行に変える力が新聞にはある。新聞の使命ですね」。こう読者に励まされたばかりだった私は、「感謝請求」の一件にショックを受けた。
ほとばしる「支援」感情の矛先が、記者に向けられることもある。「読売や毎日の勧誘を断り続けている長年の朝日新聞読者」からは、「私も何かお手伝いしたいと思って貴社に手紙を書いたのに連絡がない。読者に冷淡。返事をくれないなら他社にチェンジします」と手紙が届いた。19歳女性の住所や名前を書いて送り返すようにと、返信用はがきが同封されていた。
私は、貧困は個人の物語ではなく、構造的問題として社会全体で考えていくべきだと思い、それをずっと伝えてきたつもりだった。頭を抱えた。
シングルマザーの女性は送り主に対し、できるだけお礼の電話をかけたり、手紙を送ったりしてきた。記事掲載後の12月、「気にかけてくれるおじいちゃんやおばあちゃんが私にはいなかったから、うれしい」と私に語っていた。
支援団体も、振り込みや物資が届くたびに、送り主に対し、笑顔の男児や支援金で買ったミルクの写真などをお礼の言葉を添えて送った。

1月のある日、それまで現金を3回振り込んでくれた男性から、女性と支援団体それぞれに、「感謝要求」のはがきが届いた。
「不幸な君らを知って支援した」で始まる黒ボールペンの手書きの文字。男性が「経済的限界」から支援打ち切りの連絡をして以降、返事がないとし、「わしの親切は何だったのか! 人間としてまっとうな気持ちがあるなら、おじいさんありがとうとはがきを送ってきなさい」と結ぶ。
支援団体によると、男性には毎回礼状を送っていたが、最後の振り込みに関しては、年末年始の緊急対応に追われ、礼状送付に2週間の間が空いた。それが男性の「怒り」を買った原因だったという。
シングルマザーの女性は「めっちゃ怖かった」と言う。
返還を求められたらどうしよう。でも、受け取ったお金は子どもの貯金として置いていたから大丈夫かな。
そんな考えを巡らせた。以来、怖くなって、支援してくれた他の人にも返事を出すのをやめた。

昨年10月の記事掲載後、支援や励ましの手紙が届き、シングルマザーの女性は見返りを求めない人たちの存在に驚いた。「生きてていいんだよ、と言われている気がした」と後日取材に答えた女性。自信が芽生えているように見えた。
女性は親からの虐待で、乳児院や児童養護施設などで暮らしてきた。親を「うざい」と言いながら、名前を呼んで欲しい、愛されたい、と望んでいた。でも、かなわなかった。
自分に喜怒哀楽の感情があるのかどうか、わからなくなった。相手からLINEが頻繁に来ないと不安になり、捨てられたと思い込む。「キレたりねたんだり、何かしら暴れてた。ほんまに私おかしかった」
そんな時、子どもの父親にあたる男性と交際。性行為に応じないと殴られた。
19年間、人を信じるのが難しかった。だから、記事掲載がきっかけで全国から支援が集まったことに驚き、「ひとりじゃない」と感じられるようになった。
今、どんな気持ちなのか。女性に聞いてみた。
「支援してもらったことは本当に感謝しています」としたうえで、「私が頑張っても、頑張っていなくても、私のことを思って送ってくれた人たちがいる。それがうれしいです」と言った。

先進国で、格差が広がっている。貧困には2種類ある。食料や医療が不足して生命の維持が困難な「絶対的貧困」と、社会参加するのに十分な生活水準に満たない「相対的貧困」。
日本など格差が広がる先進国では、相対的貧困が問題になっている。不安定な雇用にある人や女性など、立場が弱い人ほど困窮している。日本の子どもの貧困率は7人に1人。
見た目では困窮していることに気付かれず、支援が届きにくいと言われる。
生活保護などの公的支援の手が届かないところをきめ細かくフォローしているのが、民間の支援団体だ。
シングルマザーの女性を支援している団体によれば、感謝を「強要」する人は少数派だという。督促してきた男性とは、電話や手紙で対話した。丁寧にわびると、男性は「恥ずかしい行為だった」と反省した様子だったという。団体のスタッフは、「『やってあげた』という気持ちになるのは、無意識のうちに相手と上下関係を作ってしまった時」と話す。
このスタッフは「支援」という言葉が誤解を生むと考え、「互助」と言い換えている。
「公助はもちろん大事ですが、限界がある。制度の隙間に陥った人をすぐにフォローできるのは、互助。『記事に載っていたこの子を助ける』ではなく、助けたいという気持ちを世の中の全員に向けてほしい」と訴える。(中塚久美子)



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