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シンデレラ製品事例 生産財編 機械加工

― Y社の事例 ―
工作機械の部品を長く取り扱っていた会社でした。
ある時、変わった加工依頼がありました。
金属の内径を超精密に鏡面に加工する内容です。
これまで、そんな高いレベルの仕事をしたことがないK社長は、そういう要求が、世の中にあることを初めて知ったそうです。

実現できるようにするにはどうすればいいか、全国の大学や研究所を訪問して、ついに加工ができるようになりました。
その加工品を展示会で出展したところ、レンズなどの光学部品の問い合わせが来るようになりました。
それから光学部品の加工にも対応できるように、加工設備と測定装置をそろえていきました。

その結果、超精密加工から量産精密加工まで対応が可能となり、本業の工作機械の部品でも、精度の高い製品まで作ることができ、受注の幅が広がったとのことです。
【ポイント】
・新しい加工依頼の内容から、鏡面加工の世界を知る。
・全国の研究所や大学に技術を聞いて回る。
・光学部品対応の技術向上を図り、超精密加工まで強みを高めた。

― K社の事例 ―
部品加工の決定権は、発注する会社が握っており、いつかは自社製品を持つメーカーになりたいとK社は考えていました。

いつも加工をした後に、機械から下ろして、精度を測定していました。
この作業が面倒で、簡略化できないかと作業員から要望があったそうです。
社長は日本全国から対応できるところを探し、会社から20キロメートルほど離れた会社が、対応できそうとのことで電話をかけてみました。

担当者から対応できそうとの回答を得たことで交流を始め、いろんなテストを行いました。
良い感じになったところで、依頼していた会社が本業に注力することになりました。
依頼していた仕事ができなくなったということで、その会社の担当者が入社を打診され転職したことで、商品開発に拍車がかかる流れとなったそうです。
加工会社や工作機械会社が、どういうことで困っているか、どうしたいかを聞いて回って、バージョンアップし続けました。
その結果、日本を代表する工作機械メーカーの標準搭載となり、世界中に搭載されるようになりました。
【ポイント】
・自社で困っていたことを解決しようとした。
・全国で探したら、近くにあった。
・加工会社や機械会社のお困り事を聞いて回った。
・対応ができるように部品の強みを高めた。

― Y社の事例 ―
創業80年になるS社は、大手のやらない特殊合金を得意とされています。
日本の航空会社の交換部品に採用されたことがきっかけで、航空部品に進出しました。
採用された航空会社にて、責任者が変更となり、航空機の本場である米国製部品を調達するように指示され、受注がストップするアクシデントが発生しました。

しかし、納期と品質の点で、米国部品を凌駕することで受注復活となりました。
米国部品を確認する機会があり、その品質レベルから、これなら品質的に勝てると確信したそうです。
強みを高める為に、大学の夜勤の教授に毎月来社して頂き、勉強会を開催されています。
勉強会に参加している社員から、博士が何人も生まれています。
そして、顧客のニーズ、要望にそった新材質を次々に開発されています。

その後、海外の航空ショーに出展し、商談から採用する航空会社が増加して、今では、経営の柱になっています。
【ポイント】
・一社の採用から展開を始めた。
・航空ショーで顧客の意見を聞いた。
・海外製品を凌駕する品質の製品を提供している。




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