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「社員」から「パートナー」へ、呼称の変更が組織にもたらした大きな変化

新生都市開発株式会社  代表取締役の永尾です。当社では4名の社員が働いてくれていますが、私はみんなを「パートナー」と呼んでいます。社員をそのように呼ぶ経営者は、正直少ないのではないでしょうか。そこで今回は、なぜ「パートナー」という呼称を用いているのか、その経緯ともたらされた変化について語らせてください。



プレイヤーから経営者へ、踏み出した組織づくりへの道

創業から4年目を迎えた頃、新生都市開発では私のほかに、2〜3名の社員が働いてくれていました。当時は少しずつ社員を増やしていた時期だったのですが、私はだんだんとある懸念を抱くようになっていました。それは、「自分が原因で、社員の仕事が滞っているのではないか」ということでした。

あの頃の私はプレイヤーとしての感覚が抜けきっておらず、社員から報告や相談を受けると、つい「もっといいやり方がほかにあるんじゃないか」と考えてしまうところがありました。その様子が顔色や態度に表れてしまっており、社員のみんなが動きづらそうにしているように感じていたのです。

由々しき事態に気がついたとき、「前職で社員として働いていた頃の自分は、一体どうしていたのか」と振り返ってみました。すると、人に相談することはほとんどなく、会社の判断すら無視して、自分勝手に仕事を進めていたのです。しかし、会社自体は「上司の判断が絶対」という社風だったので、当然私は目の上のたんこぶのような扱いをされていたわけですが……(笑)

過去の自分と照らし合わせてみると、「上司である私の態度を伺いながら働く社員たちは、実はものすごく仕事がやりにくいのではないか」と思えました。そんな状況に危機感を抱き、私は自分自身のスタンスを変える必要性を、強く感じ取ったのです。そこで始めたのが、社員を「パートナー」と呼ぶことでした。


「パートナー」との対等な関係性を目指す

ときを遡ると、前職の会社が求めていた「社員」は、上層部の指示に対して従順な人間でした。しかし、会社の考えとそりが合わなかった私は、そのうち「社員」という言葉自体にネガティブなイメージを持つように。その後、自分が経営者となり社員を雇用する立場になりましたが、私の思い描く「社員」は前職のイメージとはまったく違うものだと気付いたのです。

「上下の関係ではなく、対等な協力関係でありたい」

そんな想いから、「パートナー」という呼称を用いるようになったのです。それからまもなく、私自身の意識が大きく変化しました。パートナーを前にしたとき、自分の意見を語る前に、まずは相手自身の考えを聞くようになったのです。今ではパートナーの意見を100%尊重しており、「間違っているところがあるなら、もっと意見して欲しい」と言われるまでになりました。ですが、自身の経験から担当者の思い描く方向性は邪魔したくないと、常々感じています。


理想の組織で「仲間」と共に歩み続ける

創業1年目。一人で仕事をしていたあの頃は、「自分の考え方だけで動いてもつまらない」。そう思っていました。今は打ち合わせや会議の際、パートナーから意見をもらえることがうれしくてなりません。私の理想とする組織は、代表を中心に社員が同じ目線で立ち、さまざまな議論をし合える関係性です。「パートナー」という呼称を用いてからは、より一層理想の形に近づいていることを実感しています。

辞書を引いてみると、「パートナー」の言葉の意味は「仲間」だそうです。これからも信頼の置ける仲間と共に手を取り合い、歩み続けていきたいと思います。

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