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クライアントと入居者を「win-win」の状態にする、新生都市開発の強みとは

新生都市開発株式会社 代表取締役の永尾です。

2013年の創業以来、おかげさまで新生都市開発は右肩上がりで業績を伸ばしてきました。ここまで事業を成長させられたのは、「権利関係が複雑な不動産事業」にあえて特化したからこそだと感じています。

今回はそんな私たちの事業の強みと、教訓として活かされている、過去の失敗体験についてお話します。


経験・ノウハウはあるが、スーパーマンではない

新生都市開発は、他社ではあまり取り扱わない底地(借りた土地の上に建物を建てる権利が付いた土地)や、老朽化した建物などの売買・再生・管理などを主軸事業として立ち上げました。

創業当初は、「どの不動産会社も買ってくれない」とお困りの地主さんから直接ご依頼をいただいていましたが、ここ2〜3年は同業他社である仲介業者の方や、弁護士・税理士の方などからご相談をいただくことが増えてきました。

「底地を買い取ったんだが、退去交渉を手伝ってもらえないか?」
「底地を所有している地主さんから相談を受けたものの、他社では買い取ってもらえずに困っている。業務提携して、一緒に解決してもらえないだろうか?」

はじめは自社所有物件の退去交渉に取り組んでいた私たちですが、周囲からの切実な声を受け、他社物件の管理・コンサルティング及び退去交渉の代行を行うようになったのです。


さて、業務提携のご相談を受ける際、私には必ず行っていることがあります。それは、退去の過程や必要予算、所要期間の見通しや考えうるリスクについて、しっかりとご説明することです。さらに、合わせて申し伝えていることがあります。それは、「私たちは経験やノウハウは豊富なものの、スーパーマンではない」ということです。

私たちの目指すゴールは、「クライアントと入居者を『win-win』の状態にすること」です。そのため、退去交渉が難航しそうな予算や条件を提示されるクライアントには、はじめから提携が難しいことをお伝えし、丁重にお断りしています。

「若造がなに生意気なことを」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私も関西人なので、「ねぎってなんぼ・抑えてなんぼ」という気持ちはわからなくありません(笑)でも、クライアントと入居者を「win-win」の状態にし、不動産問題を円満に解決するためには、必要な下地があるのです。

ここまではっきりとした方針を固めているのは、過去の苦い経験が元になっています。


無理して引き受けた案件は、誰もが望まない結果に

会社を創業して3〜4年目の頃、私は「会社を成長させてパートナー(社員)の暮らしを守りたい」という想いから、依頼されたすべての案件を引き受けていました。ですが、クライアントから言われるがままの予算・条件で受注していたために、交渉時に入居者様との折り合いがつかず、やむなく交渉が中断してしまったケースがあったのです。

クライアントは問題が解決できずにやきもきし、入居者様は不安を募らせている。さらに、パートナーは度重なる交渉で疲弊し、会社は想定していた報酬が得られない状況に追い込まれていました。

「誰も望まない結果が生まれてしまっている」

私はその現実に愕然とし、安易に仕事を引き受けた自分を恥じました。

「パートナーの暮らしを守りたくて仕事を引き受けたが、こんな状態ではとてもじゃないけど事業として継続していくのは無理だ」

まだまだクライアントが少なかった創業期は、多少無理な条件の仕事でも、会社経営を軌道に乗せるために引き受けてしまっていました。しかし、それはクライアント・入居者ならびに、パートナー・会社のためにはならないと学んだのです。

それから私は、「たとえ生意気だと思われてもいい」と覚悟を決め、最初の面談時にクライアントにこう伝えるようになりました。

「誤解を恐れずに言うと、ノウハウや経験値があったとしても、第三者が絡む交渉ごとは、進展の予測がつきづらいものです。だからこそ、『退去交渉が完了するまでは柔軟な姿勢で、ともに円満解決に向けて歩みを進める』というお気持ちの方と、お取引させてもらっています」

私は、人間の感情が複雑に絡み合う退去交渉は、入居者様への丁寧で誠実な対応こそが、解決への近道だと知っています。そのため、クライアントとはチーム一丸となって交渉に挑む必要があるのです。


クライアントと一丸となり、問題解決に全力を注ぐ

創業から早10年。ニッチな不動産事業に特化した新生都市開発は、底地売買の経験値を着々と蓄えてきました。これまで培ってきたノウハウがあるからこそ、クライアントには包み隠さず現実的な見通しを伝えた上で、問題解決へ向けて全力を尽くしています。


退去交渉が完了したあと、クライアントである弁護士さんから、うれしい言葉をいただいたことがあります。

「次にまた同じような案件に巡り合ったときには、ぜひお声がけさせてください」

その言葉通り、数ヶ月後に次の案件をご依頼いただきました。別のときには、ほかのクライアントさんを紹介してくださったこともあります。実直に・誠実に取り組む私たちの仕事ぶりにご満足いただけたのだと思うと、素直にうれしく、ありがたく感じています。

私たちは、権利関係と人間の感情が絡み合う、不動産問題を解決するプロフェッショナルです。しかし、どんな条件でもすべてを解決できる、スーパーマンではありません。クライアント・入居者様の双方の気持ちに寄り添ってベストな解決策を導き出し、互いが「win-win」の状態になるよう、これからも尽力していきます!



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