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新型コロナ、無症状の感染者からも発症者並みウイルス 症状がない人から感染が広がる可能性も 2020/3/5 日経Gooday 30+ 無症状の感染者も発症者並みのウイルスを排出し、感染を拡大させる恐れが。画像はイメージ=(C) Sebastian Kaulitzki-123RF 無症状の感染者も発症者並みのウイルスを排出し、感染を拡大させる恐れが。

画像はイメージ=(C) Sebastian Kaulitzki-123RF 日経Gooday(グッデイ) 中国・広東省で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したものの、症状が出なかった(発症しなかった)患者の鼻とのどから、発症者と同程度の量のウイルスが検出されたことが、2020年2月19日付New England Journal of Medicine誌のCorrespondence欄に報告されました

[注1]。この結果は、感染しても症状がない、またはわずかな症状しかない人からも、新型コロナウイルスの感染が広がる可能性を示唆するものです。 新型コロナウイルス感染症がSARSよりも爆発的に広がっているのは、ウイルスの排出パターンの違いのせい?(写真提供:国立感染症研究所) SARSが古典的な「隔離と検疫」で終息した理由は? 2002~2003年に、世界25カ国以上で8096人が発症したSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合、原因となったコロナウイルス(SARS-CoV)には以下のような特徴がありました。 【SARSコロナウイルスの特徴】 ・患者本人の発症から数日を経てから、周囲の人に感染し始める ・発症から間もない患者の気道にはウイルスは少ない ・気道のウイルス量が最も多くなるのは、発症から10日前後 あわせて読みたい 中国の新型コロナウイルス感染症患者の年代別患者数と致命率。分析対象は、中国で新型コロナウイルス感染が確認された確定例4万4672人。30~60代の患者が8割を占め、10代までの若年層は患者数、致命率ともに低かった。(データ出典:China CDC Weekly 2020.) 新型コロナ、中国7万人の患者分析 感染拡大への不安から、店頭ではマスクが品薄状態になっているが…。写真はイメージ=(C)kritchanut-123RF マスクが品薄でも焦らない 新型コロナ対策 SARSは、ウイルスの持つこうした特徴から、古典的な「隔離と検疫」によって終息したと考えられています。 では、今回の新型コロナウイルスの場合はどうなのでしょうか。 中国広東省疾病管理予防センター(CDC)のLirong Zou氏は、広東州南部の珠海市で、18人の新型コロナウイルス感染確定患者(男性9人女性9人、26歳~76歳、中央値は59歳)の、鼻とのどから標本を採取しました。具体的には、鼻の奥から採取する鼻スワブと、のどの奥から採取する咽頭スワブを、患者1人当たり、それぞれ1本から最大9本まで、計72本採取しました。 18人のうち14人は発症前に武漢を訪問しており、1月7日から1月26日までの期間に37.3度以上の発熱があったため、中国CDCが開発したPCR検査を受けて、新型コロナウイルスによる肺炎と診断されました。14人中13人はCT検査でも肺炎と診断されました。14人中3人がICUに入院しましたが、それ以外の患者は軽症から中等症にとどまりました。 一方、18人中4人は、武漢訪問歴がある患者から感染した二次感染者で、うち3人は発症しましたが、1人は、症状が現れない状態を維持していました。 [注1]Zou L, et al. N Engl J Med. 2020 Feb 19. doi: 10.1056/NEJMc2001737.

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