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派遣の契約が終了になる理由

この世で起きるどんな出来事にも
「いい」「悪い」はないよ
病気になろうが、失業しようが、貧しかろうが、
どれも「一つの体験」なの
「このことから何を学べるだろう」って
全てはあなたの思い方次第だよ
1%でも明るい考えに意識を変えてごらん

斎藤 一人


勤務先から突然、解雇を告げられる。
これほどつらいことはないでしょう。

派遣の場合、雇用元である派遣会社から
本人へ終了告知を行うことになるのですが、
これが、本当につらい仕事なんです。

派遣契約の多くは3ヶ月毎に更新していきますが
期間を終了すれば、延長しないことは自由です。

もちろん派遣社員のほうから
「辞めたい」と終了するケースもあります。

派遣先の企業側は、基本的に
長期で安定して就業してくれることを望んでいます。
そのため、派遣先から終了を打診されることは
それほど多くはありません。
(契約期間満了を除く)

派遣契約の更新の有無については
契約期間の1ヶ月前に確定させる必要があります。

今は5月なので「6月末までの契約」が対象で
派遣スタッフさん、派遣先企業の双方に
更新意向の確認を行います。

私の担当内では68名が更新確認の対象で
うち2名について、悲しいことに
派遣先から「契約終了」の打診がありました。

それを、本人に伝えるわけですが
本当につらい仕事なんです。




派遣先から契約終了にされる理由


派遣先から更新を見送られる理由
(いわゆる会社都合の終了)としては
主に以下の4つが挙げられます。

・業績不振や人件費カット
・体制変更や業務量の減少

・本人のスキル不足等のミスマッチ
・本人の勤怠や勤務態度の問題

近年のコロナ禍による業績不振の影響は
やはり大きかったですね。
コストカットの矛先が向いてしまい、
現場から断腸の思いで終了になった人もいます。

他にも新卒社員の入社や人事異動など
組織編成のタイミングで派遣ポジション自体が
クローズになることもあります。

これらの理由は派遣社員側の問題ではなく
不可抗力によるものです。
つらいことですが、本人へ伝える際には
事実をありのまま説明し終了告知をします。

もちろんショックを受ける方が多いものの
「その理由なら仕方がない」と
比較的受け入れてもらいやすい印象です。

悩ましいのは、派遣スタッフ自身に問題があって終了になるケースです。

遅刻や欠勤が多いなど、勤怠不良の人は
当然ですが更新を見送られる可能性が高いです。
無断欠勤は言語道断ですね。

また、勤務態度が悪いと判断されて
契約終了になる人もいます。

そして、派遣会社の担当として一番つらいのは
スキル不足による終了です。

本人は一生懸命取り組んでいるのに、
「PCスキルが足りない」
「事務処理能力が不足(ミスが多いなど)」
「仕事の覚えが遅い」
「任せられない」
「コミュニケーションが取りづらい」
などの理由で
スタッフチェンジを求められることがあります。

つらい終了告知


人材派遣において
派遣スタッフを雇用しているのは派遣会社なので、契約の終了は担当営業から本人へ伝えることになります。

当たり前ですが、契約終了をお伝えすると
多くの方がショックを受けます。
その理由が業務習熟度や取り組み方の問題と言われれば、尚更です。

実際、伝えると泣き出す方もいらっしゃいます。
そんな時に差し出せるよう、営業カバンにはポケットティッシュを常備しています。

派遣スタッフさんにとって
仕事を失うという、重要な連絡なので
電話やメールではなく
常に対面でお伝えするようにしています。

そして、契約終了の伝え方、
特に「終了の理由をどう伝えるか」には
神経を使います。

精神的ダメージを軽減したいことはもちろんですが、残りの契約期間を無事に完走してもらいたいからです。

何を懸念しているかというと
モチベーションの低下です。
契約終了日の1ヶ月以上前に伝えるので、
まだまだ期間が残っているのです。

引き継ぎも含めて明日からも
きちんとお仕事をしてもらう必要があります。
モチベーション低下を心配されるのは
派遣先の企業側も同じです。

終了の伝え方・アフターフォローについての
打ち合わせを事前に行ったり
告知後の本人の反応を報告するよう
派遣先の担当者から求められることもあります。

最も避けたいのは
「だったら今日で辞めます
 (明日から出勤したくない)」
という事態になることです。

立つ鳥跡を濁さず、なんとか円満に
契約期間を全うしてもらいたいのです。

契約終了の伝え方


基本的に更新確認のタイミング(3ヶ月に1回)で
一人ひとりと面談を実施しています。

残念ながら、終了を伝えなければならない時
まず、私が考えることは
次のお仕事の紹介についてです。

なぜなら、それこそ
派遣スタッフさんがたちまち直面する
最大の関心事、かつ、不安事だからです。

契約終了後、すぐに就業開始できなければ
収入が止まってしまいます。

面談前に、これまでの職歴やスキル、
過去に把握している希望条件に目を通し
すぐに紹介できる求人がないか探します。
あれば、その場で提示できるように準備しておきます。

そして面談時は(少しいやらしいのですが)
先にそれとなく本人側の更新意向を確認します。

もし本人も終了希望だったら、
話を進めやすくなるからです。

本人が更新希望だったら、それはもう
つらいお知らせになります。

ちなみに、終了理由によっては
派遣先に再考を促すこともあります。

(勤怠でもスキルでも)改善可能性を探り
スタッフさんに努力してもらった結果、
終了を覆すことに成功して延長となり、
その後も長期で活躍された例も一定数あります。

それが難しい場合には
言葉を選びながら、相手の反応を見ながら
慎重に契約終了をお伝えすることになります。

ここだけの話、正直に言いますと、
終了告知の際にウソをつく場合もあります。

本当はスキル不足や人間関係が理由なのに
あえて派遣先の事情(体制変更など)ってことにするわけです。

契約終了に納得できないなど
感情的になりそうなスタッフさんや
逆恨みなどのリスクがある場合です。   

特に人間関係のトラブルが理由だったら
さらに悪化する恐れがありますからね。
「ウソも方便」ってヤツです。
後任を採る場合はつじつまが合わなくなるので
ひと工夫が必要ですけどね。

契約終了の受け止め方


泣き出したり、茫然自失になったり、
ショックを受けたスタッフさんを見るのは
つらいものです。

後任を採るということは
「あなたじゃダメ」だと
言われることに等しいわけですから
落ち込むのも無理はありません。

でも、落ち込んでばかりもいられません。
次のお仕事探しを始める必要があります。

どれほどショックでも、半年後まで引きずって
落ち込んでいるはずはありません。
もっと早くに立ち直っているはず。

つまり、どうせ立ち直るんです。
だったら落ち込む時間は短いほうがいい。

相性が悪かった、縁がなかったんだと
割り切って切り替えてほしい。

より良い環境、より良い条件の仕事
より輝ける会社との出会いがきっとあるはず。

そう信じて、前向きに捉えてもらうよう
全力で励まします。

今回はふたりに契約終了を伝えました。

次こそ彼女たちが輝ける職場に出会えますように。

人間いくつになっても
新たな道へ踏み出す時が来る
それまでの苦労や人生体験は
その時のための基本教育

美輪 明宏


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