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ローザンヌでの暮らし

今回はローザンヌで暮らした10ヶ月について街と暮らしという面で振り返りをしたいと思います。というのも、留学前は最低でも1年はローザンヌに住むだろうと思っていたところ、新たに始める仕事のために11ヶ月目にしてローザンヌから離れることになったためです。

AISTSは15ヶ月のプログラムのため卒業は12月です。ですが、座学の授業は5月末で終了し、6月から卒業までの期間はリモートで2つのことを行っています。

クライアント・チーム・プロジェクト
昨年12月から取り組むグループワーク。企業やスポーツ組織から与えられたテーマをもとにプロジェクトを立てて、提案やプレゼンをまとめるもの。
リサーチペーパー
こちらは、2ヶ月以上の就業(正規の仕事やインターン, ボランティアも可)をもとに自身で設定したテーマにまつわる論文を書くというもの。

四季と日照時間

ヨーロッパの冬は長くて厳しいと聞いたことがあったけれど、暮らしてみて少しだけそれが理解できた気がしています。8月終わりから暮らし始めて、日が経つにつれて日の出は遅く、日没は早くなっていく。北欧ほどではないにせよ、スイスも12月から2月は朝8時ごろやっと明るくなって4時半には暗くなっていく日々が続いて気持ちも下がりがちでした。

冬は朝夕がなかなか寒く、11月後半からダウンコートを使い始めて4月でも晴れない日には着込んでいたので寒さもなかなか厳しかった。それでも、3月すぎからサマータイムのおかげもあって日が20時21時ごろまで長くなり、6月までかなり良い天気が続きました。気に入ったのはこの割りと天気がいい日が多いところ。雨が長く降り続くことがないし、日本の夏のように土砂降りの雨が降ることもまったくなかった。

春と秋があるのかと言われるとよく分からないまま終わったけれど、春は主要駅の駅前に桜があって驚かされたし、冬になる前のイチョウの紅葉はとてもきれいでランニングのときに毎回眺めてリフレッシュに一役かっていました。

丘の上のような場所に住んでいたので、街中よりも2,3度寒く、雪が降った日は結構積もった

自然と街の地形

ローザンヌは人口14万人ほどで小さい町ですが、街並みや建物の風景はとてもきれいで、南側にはレマン湖があって自然が豊かな場所でした。芝生のグランドもたくさんあるし、緑豊か。湖沿いにスポーツセンターがあって、ランニング後には芝生に寝転がってゆったりストレッチをしたり、湖の奥に見える山を見ながら友人としゃべったりして息抜きをしていた。

一方で本当に坂が多い。しかもなかなか傾斜の坂が歩いているとすぐ出てくる。それなのにこっちの人は自転車をよく使う。自分は自転車を買うことも、レンタサイクルを使うことも1回もなかったけれど、日曜日は空いているお店やエンタメが少ないせいかサイクリングを楽しむ人でいっぱいでした。

治安

最初は物を盗られたりしないように治安を警戒したけれど、電車やバスの中でも時間帯によっては寝れるし(もちろん荷物を抱えるなど最低限は気をつける)、落ち着いた平和な街だった。
Riponne M. Béjartという聖堂の広場みたいな場所にだけアフリカ系の人がたむろしていて、そこをバスの乗換えで使う通学路だったのでその場所だけはいつも警戒して通っていました。早朝も昼も夜もバス停の後ろでたむろしていて、短い区間だけ乗っては降りていくことを繰り返していて、最後まで日々の暮らしで何をしている人たちなのか謎でした。

食事と生活コスト

円安の影響もあったけれど、もともとの物価がそれなりに高いので無駄な日用品や衣類を買うことは控えたし、食費も外食をするとかなり掛かるので我ながらよく自炊をした。
社会人時代のランチといえば社食か外食で食べていたのに、スイスでは朝起きて簡単なお弁当を作ってそれを食べるという生活をしていた。お米を食べることがなくなり、料理のレパートリーも少ないので最後の方は次第に飽きてしまっていた。次に暮らす街へは絶対に炊飯器と自動調理器を持っていき料理の手間を軽減することを心に決めました。

スイス特有の料理が何か浮かばないほど食に特徴がないのですが、消費が活発なチーズを使った料理であるフォンドゥとラクレットは本当においしかった。

生活コストは住居も食材も日用品も日本の1.5-2.0倍くらいが当たり前の世界だったので稼ぎのない学生にとっては厳しい街(国)だった。それでも労働者の稼ぎはその生活コストを賄えるだけの収入を得ているようだしその給与水準になっている。貯蓄が減る一方ってのはなかなか精神衛生に良くなかったけど、稼ぎがあって何が何でも節約という生活でなくなるとまた見方は変わるんじゃないかなと感じました。

住居

丘の上にあるシニア夫婦が暮らす一軒家の一部(スタジオ)を賃貸する形で入居させてもらいました。通学には50分程度かかる少し遠目の立地でしたが、庭やテラスを自由に使わせてもらえたので、晴れた休日は外で読書や課題をしたり良い環境で暮らせました。

家賃はひと月1,000フラン(今のレートで15万円)で東京と比べても良い値段でしたが、これでも平均かやや安いくらいの相場でした。今年もどのくらいの相場で賃貸募集が出ているか見ていると昨年よりも気持ち上がっていて、スイス全体でも年々賃貸の価格は上がっているそうでした。

これからの引越しの場面でも荷物をいつ取りに来ても良いということで倉庫に置かせてもらったり、銀行や役所での手続きをサポートしてくれたり、本当に良いオーナーにお世話になれたのでラッキーでした。

親切なオーナーが暮らす良いところで暮らさせてもらいました

次はフランスのパリに行って新しい暮らしが始まるので、ローザンヌとのギャップに良い意味でも悪い意味でも直面するんじゃないかなと思います。地下鉄では気が抜けない時間が続くと思うし、街は便利で物価もスイスよりも多少マシだとは思うけど、フランス語をもう少し頑張る生活が待っているはず。スイスで途絶えてしまったランニングの趣味など定期的な運動をどうにか再開しつつ、次の街でもうまく適応して次の生活を楽しみたいなと思います。

山々の景色が本当にすごかったので、次に暖かい季節に来たときはハイキングなど自然のアクティビティを楽しめたらいいな