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#チーズ工房那須の森 代表になりました

中学生の時、北海道で眺めた放牧の景色に憧れ東京農大で酪農を学び、人が食べられない草をミルクに変えてくれる酪農という産業に魅力を感じるようになりました。
一方で効率化を進め穀物多給という草食動物としての能力が発揮されない飼育状況や、畜産業が影響する環境問題に疑問を感じるようにもなりました。
しかし私たちがスーパーやコンビニで安定的に乳製品を口にできるのは効率的な生産方式があるおかげで、環境問題を唱える一方で、多くの人はその恩恵を享受しているのは紛れもない事実です。

「環境問題」と言ってもトレンドワードの域を出ず自分ごととして本気で捉えている人は(僕も含め)少ないのではと思いますが、間違いなく畜産への逆風が強くなり今後加速すると思いますし酪農業界にいる身としてどんな未来を描いていくのかと自問自答します。

私が森林ノ牧場の代表になったのは2011年でツイッターを使う人が増え始め、震災後にfacebook利用者が急に広がったタイミングでした。
SNSの広がりは生産者にとって消費者と交流の機会が作れるようになった大革命だったと思います。

「SNSによって生産者の想いを発信できるようになった」
と言われますが、むしろ
「生産者が消費者の気持ちを直接聞けるようになった」
ことの方が大事に思います。

生産者が食糧を作る職業として守られる存在であることは必要と思いますが、一方で守られるために作られた仕組みが消費者の声を聞きにくくしています。
仕組みの中で競い合い頑張って、頑張って、頑張ってトップになっても、世の中のニーズとズレてれば結局輸入の乳製品、もしくは代替食品ということにもなりかねません。

けれど、やっぱり僕は酪農のことが本当に本当に大好きで、世の中から非難されてもそれでも酪農は必要だと信じているのです。
世の中から酪農が必要とされるような可能性を引き出したいし、それをサービスや商品にして消費者に喜ばれる酪農を続けていきたいのです。

長くなりましたが、そして繰り返しになりますが、僕は酪農が大好きです。

この可能性をいろんな角度から引き出すために森林ノ牧場をやってきました。

そしてご報告。
この度「チーズ工房 那須の森」の代表取締役に就任することとなりました。
森林ノ牧場と兼任です。

いろんな角度からの可能性、の一つにチーズという視点でも酪農の可能性を深めていきたいと思います。
チーズは日持ちのしない生乳を保存できるようにし土地の気候や文化と結ばれて世界各地で発展した乳製品です。
日本の酪農は産業として非常に発展してきましたが文化としての深化がもっともっと必要です。

チーズ工房那須の森は那須塩原市にあるチーズ工房で森林ノ牧場のチーズ「森林からのふくぶくろ」もこの工房で作られています。
素晴らしいクオリティのチーズを作り温かいスタッフに守られた素敵なチーズ工房です。
チーズ職人でもないしチーズ業界の方々からすれば知識もない本当に未熟者ですが、志はめちゃくちゃあるつもりです。

今日6月21日は前代表の落合さんの誕生日。
そんな日に事業承継を受けチーズ工房を引き継ぐことになりました。
森林ノ牧場と併せて、チーズ工房那須の森を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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