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#牧場をつくる 17 生き物の集まる牧場

今日と明日(10月23日と24日)は久々の牧場開拓のお手伝いイベント。
本格的にやった7月依頼なので3ヶ月ぶりのイベントです。

常連さんもいるので参加者同士「久しぶり!」との声があって嬉しかったです。

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今回のイベントは牧場開拓に併せて「生き物調査」をテーマにしています。

生き物の集まる牧場作り

森林ノ牧場では牛を放牧しています。
那須の放牧地は元々森林で、益子の場合は元々耕作放棄地です。
耕作放棄地とは畑や田圃として使っていたところが文字通り放棄されてしまった場所です。
益子の牧場は小麦畑と牧草地として使われてたそうですが、しばらく放置されています。

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そこに牛を放牧するわけですが、畑を作ることも牛を放牧することも、元々あった自然ではないわけで、ある意味生態系を撹乱しています。
牛を飼育したり、畑をやったり、人の暮らしを維持するためには手付かずの自然の中を狩猟で生きない限り他の生物への影響は避けられません。
大規模農業や畜産は生態系への影響が大きいことが問題視もされていて、牛を放牧するということは環境へ悪影響する可能性もあるわけです。

けれど、我々はミルクも飲みたいし、肉も食べたい。

生き物と共存しながら牛を放牧することはできないのか?
という思いがあります。
そこで我々が掲げている牧場管理のテーマとして
「生き物の集まる牧場」
ということをイメージしています。

生き物の視点で牧場を歩いた時の感動

2011年の震災後、森林ノ牧場那須では放射能の影響で牛がしばらく飼育できなくなりました。牛のいなくなった牧場はすぐに草が伸び始め、それまで見通しのよかった森林が急にやぶとなりました。

そんな時に知人の紹介で生き物の専門家の方が森林ノ牧場に来られました。
既に牛のいない状態だったのですが、震災後の状況や今後のことを話しながら、そんな牧場を一緒に歩いたのです。

「あ、すごいこんなに虫がいる」
「牛がいたから糞虫多いですね」
「この木にはヤマガラが集まりますよ」
「エノキが生えてるからオオムラサキがいるかも」

歩きながらそんな話をしてくれたのを覚えています。

それまで牛を飼う場所として見ていた放牧地が
その方の視点では生き物の住処として見えていたようなのです。

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↑2011年8月頃の牧場の様子

牛がいるからこその生態系

しかも、森林ノ牧場の生き物は豊かだったのです。
牛が放牧されているので自然の状態ではありません。
けれど、森林があって、牛が食べる草が生える野原があって、牛のフンがあって、牛がいるからこその環境があったのです。

もちろん、牛がいるから偏った環境もできているわけで、そこを少し気にして管理してあげれば生き物が集まる豊かな牧場になるはず、と思うようになりました。

https://www.instagram.com/shinrinno_nature/

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↑那須の生き物を集めたインスタグラムです。

森林ノ牧場 益子の生き物たち

そんなわけで、益子でも生き物が集まる牧場作りを目指したいと思うわけです。
益子は耕作放棄地だった場所で一見植物は単調。生えている木もタラの木などのパイオニア植物と言われる若い木ばかり。

今日と明日は、牧場になるこの場所が牛の入る前にどんな生き物がいるのかを調査するイベントです。

初日の今日はみんなで観察の仕方を覚えたり
工作をして昆虫採集の道具を作ったり
生き物から「自然度調査」をして現状生き物がどれくらいいるのかをみんなで調べました。

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結果はまだ次回!

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