森林ノしゃちょー
こんにちは。
森林ノしゃちょーこと、栃木県那須町にある森林ノ牧場の代表・山川将弘(やまかわまさひろ)です。
森林を活用して酪農をやっていて、ジャージー牛を放牧で飼育し、ミルクを自社で加工し、いわゆる6次産業化(生産から販売までということ)で酪農経営をしています。
だっぱラジオってご存知ですか?
那須町の黒田原という那須町役場があるエリア(つまり那須町の一等地!?)
黒田原のことを「だっぱら」ってみんな言うんだけど、そこでやっているネットラジオ番組が「だっぱラジオ」で、2015年に始まったそうなので4年目になるラジオ局です。
先日そちらに30分ほど出演させていただきました。
youtubeのアーカイブがこちらです。
せっかく牧場の話をしたので改めて話した内容を整理してみました。
自然と人との距離感
那須は東京から車で約2時間
新幹線に乗れば1時間ちょっとで、那須から新幹線通勤もでるくらいの距離です。
それなのに大自然に囲まれ、酪農は本州一の生産地だし年間500万人ほどが来るリゾート地。
そう、自然と人との距離が近いのが那須の魅力だと思っています。
東京の暮らしは便利だし、仕事も沢山ある。エンターテイメントも選べるし刺激も多い。
けど人間て本能的に自然を求めているのではないでしょうか。
だからこそ自然を満喫することが「癒し」になりお金や時間や手間をかけてでも「わざわざ」自然の中にやってきます。都会の魅力は実感しつつも生物としての本能からは離れられないのです。
だから那須はちょうどいい!
都会で感じる生物的ストレスをデットクスするのが那須の自然。
都会でバリバリ働き、心を落ち着かせて生活するために必要な自然が那須にあるのではないでしょうか?
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2956164867791750&set=a.241938139214450&type=3&theater
森林ノ牧場は牛の放牧地まで遊歩道があって放牧風景を見ていただけます。
これは放牧風景も牧場の大きな価値だと思っているからです。
牛の放牧風景
僕が酪農を目指すようになったのは中学校のとき、
僕の出身は埼玉の川越というところで「川越市少年の船」というものに参加をしました。
市内の中学生が集まって船で北海道へ行き現地の中学生と交流したり、レクレーションをしたりと青少年育成プログラムのようなもの、単に北海道への憧れから参加をしました。
そのプログラムの一貫で訪れたのが牧歌という牧場です。
田舎への憧れがあった山川少年は牧場で牛が放牧されている風景に心を動かされました。そこで働いている人が羨ましく、その時はまだなんとなくですが「牧場で働きたい!」と思うようになったのです。
つまり、僕は牧場の乳製品でも搾乳体験でもなく、牛が放牧される風景とそこで働くスタッフさんに心を動かされたのです。
牧場の風景には人の心を動かす力がある
つまり、風景にこそ放牧酪農の魅力、放牧酪農の価値がある!
そう思うのです。
だからこそ、放牧場まで遊歩道を作ってお客様が自由に散策できるようにしたのです。
放牧酪農と牛と人との関係
ということで東京農大の畜産学科に入学して勉強するわけですが、私がやりたいのは「酪農」というより「放牧」する酪農でした。放牧は当たり前のように思われますが実は放牧をしている酪農家は意外と少ない。
放牧すると牛は歩き回るし、暑かったり寒かったりもするのでエネルギーを消費します。青草をバンバン食べたら栄養管理もしにくい。
放牧酪農は沢山牛乳を搾るのが難しい、効率が悪い生産方法なのです。
けどね、
牛は草を食べる草食動物。
その草は人が食べることができないもの。
人が食べることができない草を牛が食べてミルクやお肉にしてくれる。
だからこそ人と牛は食べ物が競合せずに関係性を築いてきたとも言えます。
乳牛、肉牛というのはよく知られていますが、役用といって労働力になているところもあるし、牛が神様になっているところもあります。どんな役割にしても人が使えないものを価値にするということは家畜の一番の役割ではないかと思うのです。
時代や地域によって人と牛の関係性は変わっていきます。
牛と人との関係を今の日本に当てはめた時に牛で森林を活用するということが新しい牛の役割になるのでは、とチャレンジしているのが森林ノ牧場です。
森林を活用する牧場
日本は68%ほどが森林の森林大国、その森林がほとんど使われずにいると言われています。確かに手入れされない杉林があちこちにあり、人の入らない雑木林も沢山あります。エネルギーや食糧は輸入に頼り、足元にあるエネルギー源・食糧源になりする森林は使われていないという現実。
そんなことを言われてもみんな薪ストーブにしろということ??
山で食糧採ってこいってこと?
そんなの無理!!
無理です。
けど、繰り返しになりますが足元にある森林は使われていないのが現実で、それは日本人として「もったいない!」
牛の話に戻ります。
・牛は人が使えないものを資源に変えることが大きな役割
・森林のような場所でも牛の放牧はできる
この二つをあわせると
今の日本人が活用できていない森林で牛を放牧すれば
森林を価値に変えられる!
つまり森林で人と牛が共存できる!
という理屈が生まれてきます。
これが森林ノ牧場のチャレンジです。
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