レオナルドを超えた芸術家【荒川修作】
軽井沢にあるセゾン現代美術館で、
今年4月から10月9日(その後10月31日に延長)まで、
荒川修作とマドリン・ギンズによる
『意味のメカニズム』の全作品が展示されている。
荒川修作自身が処女作と呼ぶ『意味のメカニズム』。
時代の先端をゆく西武美術館は、
荒川作品を非常に高く評価しており、
『意味のメカニズム』の展覧会を
1979年と1988年3月に
東京・池袋の西武美術館で開催。
また、荒川が亡くなった2010年に
軽井沢のセゾン現代美術館で開催した。
荒川の作品は、
『天命反転(Reversible Destiny)』、
『建築的身体(Architectural Body)』
をキーワードにし、
建築的空間のなかを生きる人間の知的好奇心を進化させ、
ホモサピエンスとして生きるようにつくりかえる。
『意味のメカニズム』を知ろうとすれば、
市川浩さんの翻訳『意味のメカニズム』
(リブロポート、1988年)
これを読むしかなかった。
非常に美しい図録に丁寧な翻訳が別冊でついている。
今回、セゾン現代美術館で、その別冊にアクセスし、
作品を見学しながら読むことができる。
僕は2012年にニューヨークでマドリン・ギンズに会い、
「『意味のメカニズム』を理解するには
どうすればよいか。図録を読んでもわからない」
と質問したら、
「『ヘレン・ケラーまたは荒川修作』
(渡辺桃子訳、新書館、2010年)
を読みなさい」
と言われて読んだ。
それでわかったこともいくつかあったが、
わからない作品のほうが多かった。
今回初めて、
ひとつひとつの作品と面と向かって対話できる!!
今回、何が何でも行く必要があると思った。
おそらくこの先もそんなにあることではない。
そういうわけで、10月1日から
千ヶ滝にあるセゾン現代美術館を訪れている。
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