【道元と宇宙】１

僕が道元に初めて近づいたのは、2002年だった。
富山に単身赴任していた僕は、
福井県の永平寺で参篭・参禅の体験修行に参加した。

一泊二日の参篭は、永平寺の雰囲気を味わう程度。
その後参加した三泊四日の参禅は、割とガチの修行だった。

初日の夜、「なぜ参禅に参加したのですか？」
と雲水（お坊さん）に聞かれ、
僕は「地球環境問題にどう対応すればよいかを考えたくて」と答えた。
それに対し、「ここには答はありません」ときっぱりと返された。
え？！地球環境問題が何かもわかっていないのに
なぜ答えはないと言い切れるんだと苛立ったが、
口には出せなかった。

最初に徹底的に指導されるのが
応量器(僧侶が精進料理を頂く際に用いられる器)の扱いと食事作法だ。
60～70くらいの手順全ての作法に理にかなった意味があり、
一つ間違えるだけでも注意を受ける。
覚えられないまま帰った人も何人かいた。
食事作法なんて訓練されたことのない僕にとって、
ルールが多すぎて最初戸惑ったが、
応量器の作法を2日目の夜には覚えていた。
(今はすっかり忘れてしまったが…)

僕が参禅修行で得たものは、
『本気を出せば、なんとかなる！』だった。
その数カ月後、僕はヨハネスブルグ世界環境サミットに参加し、
政府もNGOも本気ではないことが分かった。

その後、道元に近づきたいと思い、「正法眼蔵」を読もうとしたが、
分厚い本だったので、弟子が書いたとされる
薄い「正法眼蔵随聞記」を読んだ。
しかし、この本には鋭いことが書かれておらず、
道元はこの程度かと思った。

それに、この「正法眼蔵随聞記」は、
面山本と長円寺本という異なる二つのバージョンが存在するのだ。
読めば読むほど、僕の悩みは増えていった。

 

 
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【道元と宇宙】お話し会　日本縦断!!

≪臼杵≫　2023年7月9日（日）14時～　自然ヨガ道場
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≪富山≫　2023年7月18日（火）13時30分～　マイルストーンアートワークス
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≪白山≫　2023年7月22日（土）15時～　白山麓・僻村塾　

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