意味のメカニズムとの対話から、バイオスクリーブハウスへ
荒川がこの世にいなくなって、自分にできることは、「意味のメカニズム」と向かい合って、そこに描かれている図式のなかにのめり込むことだった。
東日本大震災が起きた2011年12月のマイルストーンのコラムは、光にまつわるものだった。
https://www.milestone-art.com/MILESTONES/issue130/htm/p17tokumaru.html
文字通り手探り状態で、意味のメカニズムの図式絵画と、向き合っても、やはり限界がある。
そこで、2012年の4月末から5月頭の連休に、私はニューヨークに行って、マドリン・ギンズに質問し、まだ行ったことのないバイオスクリーブハウスを訪れることにした。
マドリンに、「どうしたら『意味のメカニズム』を理解できるの?」と聞いたら、「ヘレン・ケラーまたは荒川修作」を読みなさい、と教えてくれた。
この日本語翻訳は、荒川さんが存命中に出版されていたのだが、正直なところ、まだ購入していなかった。
帰国してすぐに取り寄せて読んだところ、意味のメカニズムは、三重苦(見えない、聞こえない、話せない)のヘレン・ケラーの意識の構築手法に、たくさん学んでいることがわかった。
そもそも、「意味のメカニズム」は、ヒトがどのようにして、知識を獲得して、それを体系化していくかの、知能構築についての話だということもわかった。
ニューヨーク滞在中に、私は、マドリンの許可をもらって、バスと電車を使って、イーストハンプトンにあるバイオスクリーブハウスに、2回足を運んだ。
そのときのことは、人工知能学会の身体知研究会で「荒川修作の意味のメカニズムを解読する(4) 光への感受性を身体に教え込むバイオスクリーブハウス」として報告していて、報告をダウンロードできる。(SIG-SKL/SIG-SKL,13(02),5-12 (2012-09-15) , SIG-SKL-13-02)
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