「ポケモン」の話

「いや、これ何時間遊ばせてくれるんですかマジで!?」

筆者は「経験者」くらいです

1月1日が日曜日の年って、どうしても三が日明け直後から忙しなくなりがちですよね。
……と言う一文を書いてしまってから「同じ日付が二回同じ曜日になるまでにかかる年数」を思い出して「俺、年喰ってるわ」と戦慄する筆者です。

最近、配信(https://www.youtube.com/channel/UCamQ_IYAaYnsDa7Ufs-hS2Q)で「ポケモンスカーレット」を始めました。昨日で8回目とかになるかな。現在バッヂは3つ、市場に財布を届けたところまで。
ポケモンは一応赤緑から遊んでいて、ORASで少しだけ対戦に本気で取り組み、しばらく離れてからSVでまた戻って来たと言う状態。全く知らないと言うわけではないけど、そこまで「今」に詳しいわけでもない。何なら敢えて今までの知識を横に置いて「1からやり直す」くらいでも全然良いようなところにいます。

ついついのめり込みがちなので……

ただ、一度ハマると昼夜問わずやり込んで本当に一気に駆け抜けてしまうのが自分の性分。
欲望に忠実にがっついてしまっても良いのですが、それでは「配信」に出て来る場面が途切れ途切れになるし、せっかくの機会がもったいないような気がする。
と言うわけで、SVを遊ぶに当たってルールをいくつか設けました。

・スタッフロールに到達するまでは配信時間以外で先に進まない
・完全に詰まるまで攻略情報は自分から積極的に調べない(チャットで教えてくれる分には聞くし何ならネタバレも上等)
・一回の配信で2時間以上遊ばない

縛りプレイと言うよりは自分が遊ぶ速度の制限、要するに「じっくり遊ぼう」と決めたのです。
どうせポケモンだし、クリアまでそんなに時間がかかるようなものでもなかろうと。このルールを決めた時の自分は、そう思い込んでいたのです。

その認識が「甘い」と気付くのに、そんなに時間はかかりませんでした。

「何から始めても良い」と言う自由

まず始めてすぐに「チャンピオン」「ぬし」「スター団」と三つ道が提示され、基本的にはこれらと「学校」を行き来して遊びますよ、と言う趣旨の説明が与えられるのですが……今までと大きく違うのは「ガイドがそこでいったん終わる」事。

そのまま、プレイヤーの分身たる「コライドン(Vだとミライドンだっけ)に乗った少年」はポケモンの世界に放り出されるのです。

ライバルを追いかけて最初の街へ、とかそう言う展開は「自分から選ばない限り始まらない」。
これにはびっくりしました。
流石に最初はそれらの道を外れないようにある程度ヒントも出ますが、それもヒント止まりで……「迷ったらここまで来てね」「進むならここをちゃんと経由してね」「今はここを無視しないでね」程度で、戻る道を塞がれるような強制はされません。
そのせいで、逆に「どれから始めようか」「どこから攻めようか」と目移りしてしまうんですよね。
しかも遭遇するポケモンについても「あらかた捕まえ終えたかな」とマップを確認すると「見ていないはずのポケモンが生息情報として登場する(=見落としているだけですれ違うなり何なりしている)」からついついそれを探しに行きたくなるし、経路としては明らかに脇道なんだけど遠くに未捕獲のポケモンが見えるから「寄り道しちゃおっかな~」と足を伸ばしたくなるし、何より進めば進むほど違うポケモンがどんどん出て来るから新しいエリアに足を踏み入れる度にこれが起こる。
脇道こそ用意はされていたもののエンドコンテンツ到達までは大まかに一本道だった今までのポケモンと同じ認識で遊び始めた筆者は、その道の「横幅」の広さに大きな衝撃を受けました。
普段なら配信時はいっぱい話しながらゲームをプレイするところ、ポケモンを遊んでいる時だけ明らかに(それこそ自覚があるレベルで)言葉数が少ないですからね。画面からの情報に見入ってしまっている。何なら、今も昔も変わらないはずの「普通の」ポケモン勝負ですら、そこから流れで入るから全然話す余裕が無い。流れに任せて進んでいるとレベルがちょうど良い感じでネームドとの戦いやテラレイドに突入するから、緊張感もあります。

いつものノリで話しながら遊べるようになるまで、まだまだたくさんかかりそうです。

「分かり切った話」のリプライズではない

そして、それらに対応する「学校」もこれまた面白いのです。
授業の内容は基本的には「ポケモンを一度でも遊んだことがあれば『ああ、あったなそんな話』と思い出せる」ものか「ゲーム中で一度でも経験していれば『ああ、アレの事ね』と分かる」ものばかりなのですが……
今回はとにかくテキストが「巧い」。「いつまでそんな話してんだよ」とは言わせないぞ、と言う確かな意志(ウィル)を感じる内容に仕上がっています。教師のキャラも特徴的で、まさに「一度読んだら忘れられない」と言うやつです。
また「授業」であるせいか「三択」を選ばせるシーンが随所に挟まるのですが、提示される選択肢も秀逸で、元々がテキストを飛ばし読みしなければ正解を選べるレベルの平易な文章であるだけに「知っているからこそボケてみたくなる」。そしてボケた時の教師の反応がこれまた面白い。一度受けた授業は「思い出せる」ので、テキストを全部読むのを許してくれているのもまた憎い。今までのポケモンはこの手のイベントでも「一回きり」の事が多々あり、終わってしまうと「いつものセリフ」を繰り返すだけになっていたので、これは明確に「進化したな」と感じた点でした。

現在、個人的には歴史のレホール先生に注目しています。「昨日より一日分古くなったな」などの言い回しも好きなのですが、元々ポケモンの世界観自体に興味がある筆者はポケモンに触れる度にこういう立ち位置のキャラを探してしまいます。
まだ授業も序盤ですが、彼女は前作(……と言うのが正しいのかは分かりませんが)「アルセウス」でラベン博士がそのポジションのキャラクターにしてはかなり踏み込んだ内容の話をしてくれた(既存の博士との違いは本当に僅かなのですが、その僅かな差が『彼に対して核心に迫る話をする』展開を呼び込むようになっています)のを思い起こさせてきます。

まだ旅は始まったばかり……

他にも、
「親(オーリム)絡みの事情の重さが雰囲気で既に分かる(コライドンのボールのシーンは初っ端から『ダメ』だろってなった)けどそこから一歩外れてぬしポケモンの話になった途端に滅茶苦茶愉快になる」ペパーとか、
「そう感じさせない工夫が随所に見られるけど明らかに『俺ら』と同じ形の影を持たされている」ネモとか、
序盤も序盤だと言うのに魅力的なキャラクターが所狭しと画面を飛び回っているのでその話もしたいですが、そこまで踏み込むにはちょっとまだ早いかなって言うのと何より「話が長くなりすぎる」のが分かり切っているので、今回はここまでにします。
意欲的な要素が数多く盛り込まれている分ポケモンのシリーズとしては粗削りになっているところも少なくないし、ツッコミどころも無いわけではない(とあるトレーナーの『在学20年』発言とか、野生バトル時の荒ぶるカメラワークとか、サンドイッチの物理演算とか)けれども、今のところそれらが体験を曇らせるような事態には至っていないので、まずはスタッフロールまで、焦らず遊んでいこうと思います。

遊んでいって感想が貯まったら、またポケモンSVの話をします。
もし良かったら配信も見てみてね。


最後に一つ。
「スカーレットブック」がノーヒントとは言え「学校」で最初から読める状態にしてあるの、ホント「ズルい」と思います。
「名前」の時点で後々これの出番が来るのもう確定じゃん。
いつになるやら、とワクワクしちゃいますよこんなの。

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