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不眠症 中医学会で勉強してきました

昨年末に不眠症の治療をしている鍼灸師に不眠症の話をしていただきました。

不眠症

夜に充分な睡眠をとることができず、日中に倦怠感・意識や集中力の低下など日常生活に支障をきたす障害
不眠の種類には
入眠障害・なかなか寝付けない
中途覚醒・途中で何度も起きる
早期覚醒・朝方に目が覚めてしまう
熟睡困難・寝た感じがあまりしない・満足感がない

がある。

不眠症の原因にはストレス・精神的なものや生活リズムの乱れやコーヒーなどの飲食物や睡眠時無呼吸症候群・うつ病・レストレッグス症候群やアレルギー疾患など様々な要因でなる可能性があります。
調査によると国民の5人に1人が睡眠について何かしらの悩みを持っているそうです。

治療には薬物治療と非薬物治療がありますが後程書いていきます。

睡眠について
睡眠の単純な定義は意識水準が一時的に低下した状態であり、外的刺激で覚醒が可能な状態です。
睡眠にはノンレム睡眠といわれる睡眠の約8割を占める状態があり、レム睡眠といわれる睡眠が約2割占める状態のよく夢を見ている睡眠がある
人は起きている時間が長いほど睡眠の欲求が高くなる睡眠ホメオスタシスという睡眠の恒常性を保とうとするメカニズムが働きます。
人は明るいときに活動して夜に睡眠をとる体内時計・リズムがありサーカディアンリズムが備わっている。

薬物治療には睡眠薬を服用しますが先ほど書いた入眠困難や中途覚醒などのタイプにより処方される薬が変わってくるそうです。

下に行くほど薬の効果時間が長くなるそうです
超短時間作用型 入眠困難に使用
ハルシオン・マイスリー・ロゼレム
短時間作用型  入眠困難・中途覚醒に使用
エバミール・レンドルミン・アモバン
中時間作用型  中途覚醒・熟眠障害に使用
ロヒブノール・ユーロジン・ベルソムラ
長時間型    早期覚醒・熟眠障害に使用
ドラール

ほとんどの薬に筋弛緩作用と抗不安作用があるそうです。体の緊張を緩和させる作用と不眠に対する不安を抑える作用があるみたいですが、筋弛緩作用があると特に高齢者は転倒のリスクが高くなるために注意が必要になるそうです!
睡眠薬は不眠症を治癒させるわけではなく、薬の習慣性・依存性に気を付けなければならないそうです。服用するときはできるだけ少なくし起床時のふらつきや眠気などに気を付け長期の連用を避け短期間の間欠的な使用を心がけることが大切だそうです。
副作用に薬の依存性や離脱症状・意識障害・めまい・ふらつき・呼吸抑制・頭痛などのがあり薬の多用や長期の服用には注意が必要だそうです!
服用するなら筋弛緩作用・抗不安作用のの少ないもののほうが副作用も少なくいいのではないかという意見もあるそうです。

薬物療法とは別に非薬物療法があり睡眠指導や認知行動療法などがあります。睡眠薬は不眠に対して根本的な解決にならないことが多く副作用があるため睡眠指導や認知行動療法などを行うそうです。認知行動療法は高い効果が実証されているそうです。

睡眠指導

睡眠に関係する知識や生活指導をするもので患者さん自身に積極的に不眠治療に関わってもらうことにつながるそうです

・睡眠に必要な時間は人それぞれで長ければいいわけではないようです。日中に支障がでない睡眠時間がとれればいいようです!よく耳にする8時間睡眠などを気にしてしまう人が多いようです。

・夕方 夜のカフェインの入った飲料や食品を摂取しないようにする。
コーヒー 紅茶 緑茶 コーラやチョコレート 栄養ドリンクなど

・睡眠をとる寝室の環境、室温やテレビや携帯の音や光が入らないように、寝る前の携帯をいじるなど

・1日リズムを規則正しくする。1日3食の摂取と適度な運動、朝食をたべ目を覚まし、夜は空腹にならない程度に食べ過ぎないように注意!休日やその前の日に夜更かしや昼まで寝るなどをせずに休日・平日にかかわらず同じ時間に就寝・起床する

・昼寝はなるべくしないようにして昼寝をする場合は30分以内にして夕方以降は寝ないようにする

・アルコールを控える。アルコール摂取により熟睡感がなくなり中途覚醒になりやすい

・就寝時間にあまりこだわらずに眠くなったら就寝し布団に入った後は時計を見ないようにする。時計を見てしまうと寝れないことに焦ってしまう

睡眠指導をする際は、不眠症の方の話をよく聞き相手の悩みを受け止め共感することが大事だそうです。

認知行動療法

認知行動療法とは気分や症状が考えや行動によって影響されているという考え方で、考えや行動にアプローチをして不眠症を改善することを目的とします。
認知行動療法は薬物を使用しないため安全性があり不眠症に対して優れた結果が示されているそうです。
どのようなことをするかを簡単に書いていきます。

睡眠日誌

睡眠の状況を日誌にするもので記入例として

布団に入った時間 寝付いた時間 夜中に何回起きたか 起床して布団からでた時間 夜にお酒をどのくらい飲んだか? 睡眠のや起床時の気分など

睡眠日誌をつけることにより客観的に睡眠の状況を確認し共有することができ今後の睡眠の改善や睡眠の変化を把握できます。
睡眠日誌は起床後30分以内に書くように指導するそうです。

ベット上で過ごす時間の制限

寝る時以外はベットにいないようにします。
睡眠=ベッドと意識されるようにベッド上で本を読む・携帯をいじるなどの行動を制限するようです。

起きている時間を長くして睡眠力を高める
起きている時間が短いと睡眠への欲求が少なくなってしまうため、昼寝を制限し睡眠をとる時以外はベッドにいかないようにします。寝られないなら無理にベッドにいる必要はなく一度ベッドから離れて眠気が来たらベッドに入るようにする

就寝と起床のリズムを作る

決まった時間に就寝・起床をすることで身体に睡眠と起床のリズムを作ることが大切です。不規則な時間の就寝・起床をしないようにします。

心配の粋づけ

心配事があり眠れないことを就寝前に紙に書きだしていきます。
就寝時に考えてしまうこと・目が冴えてしまうことなどの問題をリストにして書いて問題の対処法を考えて書いてもらいます。対処法を考える時は完璧である必要はなく可能な限りでいいそうです。
問題が時間が解決してくれるものなのか?対処法がない場合はなぜ対処法がないのか?一人では考える事が難しい時は誰かに相談することを書くなど

思考記録表

睡眠を妨げる考えにより不眠が起こっている時に、患者さん自身が自分の自動思考に気づき、それが気分や行動に影響を及ぼしている仕組みを理解して自動思考がを現実の生活と照らし合わせて妥当性を検討して現実生活でバランスをとれた考え方を実践した時の気分や行動の変化を取り入れて役立てるものだそうです!
正直書いていて難しいです!

記入例として

状況・出来事
いつ・どこで・誰と・何をした

気分
その時にどんな気分になった

自動思考
その時に頭に浮かんだ考え

自動思考を支持する根拠
客観的事実を記入 自分の意見をいれないように

反証
自動思考が正しくないと考えた時の根拠

バランス思考
自動思考を支持する根拠と反証をを照らし合わせて自分の気分が楽になる考えを記入

バランスを思考を考えた時の気分

最後に不眠の方の自動思考に生じやすい例を書きます

身体や気分の不調は不眠のせい
こんな気分では眠れない
一晩熟睡する以外は寝れていない
寝れた日は運が良くて普段は眠れていない
寝られないとすべてがうまくいかに
8時間は寝ないといけない

など

非薬物療法の進め方を簡単に書かせていただきました
不眠症は治療とともにすぐに結果が出るものではなく時間のかかるものだそうです。そのため、治療をしても改善しないなど焦ってしまう必要はないそうです。
勉強会で学んできたことを簡単ですが紹介させていただきました。

中医学会で勉強した事なので中医学的な考え方も次回に書きたいと思います



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