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江國香織になれる街

江國香織になりたい。
ここ3年ほど私の憧れの女性は、モデルでも女優でもなく、作家の江國香織である。

エッセイ『いくつもの週末』の中で描かれる、江國香織の生活はおしゃれだ。
大きな公園のそばの小さなマンションに住んでいる。
昼は毛布を持って公園で本を読み、夜はグラスを持って、駐車場で野良猫とアマレットを飲む。
ときどき朝からバスで出かけ、半地下のパン屋で焼き立てパンとコーヒーを飲む。
原稿を渡すために編集者に会い、ハンバーガー屋でアボカドバーガーを食べる。

とまあ、私の文章では伝わらないのだが、あのしなやかで優美な文章で綴られる何気ない暮らしは、とにかくおしゃれに思えるのだ。

私もこんなふうになりたい。江國香織を読んだ女性の多くは、きっとそう思っているはずだ。

だからもしどこでも住めるなら、江國香織になれる街に住みたい。リアルなのは東京の住宅街だけど、理想を言えばニューヨークやロンドンのような、欧米の都市部がいい。
江國香織がニューヨークでクラムチャウダーを食べ、スコッチウイスキーを買い、初めてスタバに入るエッセイも大好きなので、やっぱりニューヨークかもしれない。

大きな公園(たぶんセントラルパーク)が近くにあって、美術館に歩いて行けて、おいしいコーヒーとブラウニーのあるカフェや、分厚いハンバーガーを出すダイナーのある、そんな街。

私はアメリカに行ったことがない。これは全部「私の想像の中のすてきなニューヨーク」なので、ニューヨークに詳しい人には笑われるかもしれない。

でも、想像するくらいいいよね。
いつか一人でニューヨークに旅行して、「江國香織的な街」かどうか確かめてみたい。

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