ウクライナ戦線の裏側にあるロシアの日常
こんにちは! エアトラベラーです。
今日はロシアから小噺を。
やけくそプーチンの暴走がいっこうに止まらない戦争が続いていますが、そんな中のどかな日常風景を送ってくれる元兵士のトモダチがいます。
Ilya(イリヤー)は、モスクワ郊外の森の中に建てたコテージに住む30歳。
名前には「神の城」「私の神」また、古代ロシアの伝説では「雷神」など、いろんな意味があるそうです。
彼の生き様はなかなかユニークなので、ちょっと覗いてみましょう。
何となく見た目からその雰囲気を醸し出していますが、彼はゲーマーです。
といっても、ゲーム創作をする本職のプログラマーで、資金調達に成功して、近々仲間と一緒にゲーム開発会社を立ち上げるんだとか。
ディアブロとかハデスの中間みたいなストーリーRPGゲームを開発するのだそうです。(すみません、ボクはゲームのこと1mmもわかりません笑)
「若い頃、この世の中に自分の居場所が見つからなくていろんなことを試したんだ」というイリヤーは実に多趣味。ゲーム作り以外にも、ギター、ピアノ、バイク、スノボ、サッカー、サバゲーをこよなく愛しています。オタクかと思いきや、アウトドアもカバーするマルチな男でした。
彼は日本に対して並々ならぬ関心を持っており、実際、マイカーは三菱、バイクはスズキです。日本のエンジニアは間違いなく世界一だと力説してくれるので、何だかとても気分が良くなりました。
一方、冒頭でイリヤーの生活を「のどかな」と評しましたが、このご時世です。やはり暗い影は彼のもとにも確実に忍び寄っていました。
イリヤーはかつてロシア軍の兵士でした。羽生結弦くんが金メダルをとった2014年のソチ五輪において、開催準備期間の2013年から2年間、警備任務に就いていたそうです。具体的な仕事はケーブルマン。通信用ケーブルを敷設するエンジニア的な仕事です。地下に潜ってケーブルを引っ張りつなぎ合わせるその仕事は、地上に戻る際には泥まみれになっちゃったそうです。
これを聞いてまず脳裏をよぎったのが、今回の動員令によりウクライナに送り込まれるのではないか?ということでした。しかし、詳しくはわかりませんが、彼自身は動員対象の条件には当てはまらないということで兵役を(今のところは)免れているとのこと。ただ、彼の友人は大勢ウクライナに赴き悲惨な目に遭っているといいます。仲間をとても大切にする彼のことですから、明るく振る舞いながらも本心は気が気でないことでしょう。
彼の話を聞いているとどこまでも温厚な印象ですが、根っこではゲーム的な意味での戦闘が好きなようで。リアルの世界でもサバゲーで自分のチームの隊長を買って出るあたり、多分ボクの予想は当たっていると思われます。
エアソフト、つまりエアガンとBB弾で擬似的戦闘を楽しむサバゲーを「指揮する」彼の勇姿は、10年近く前のひよっこソルジャー当時よりも「本物」に見えます。
本当はボクも機会があったらやってみたいサバゲー。かつて上司が実際にハマっていて、本当に楽しそうに臨場感たっぷりに戦略やチームワークの大切さを語ってくれたっけな。
閑話休題。
イリヤーは、動物園かよ!ってくらいたくさんの動物と生活をともにしています。犬1匹、ネコ3匹、鳥3羽… 独り身ですが寂しくしている暇がありません。
山奥のコテージで自然と動物に囲まれて暮らしながら、ゲームプログラミングで稼ぐ。都会の片隅のちっぽけな部屋に引き籠ったり、満員電車で小突き合いしながら通勤するボクの生活と比べると、なんと伸びやかで健康的なんだろうと思ってしまいます。もちろん、いろんな苦労や不便さはあるんだろうけど、「生きている」っていう感覚はきっとボクより強く感じられているんだろうな〜と想像します。
イリヤーは、いつか日本の片田舎に数ヶ月住み、そこから仕事をするのが夢だそうです。とりあえず来年の夏日本に行くと決めているけど、今のまま行ったら日本語がわからなくて「死亡する」から、勉強を始めました。もちろんボクも手伝ってあげていて、先日「笑」「w」「草」の使い方を伝授したところです笑 東京で会ったらまた面白い話が聞けると思うので記事にしたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!何一つ役に立つような話ではありませんが、世界の日常の一角を楽しんでいただけたなら幸いです。
今日は、「マスタングで山を駆け抜ける夢を叶えた時のイリヤーのキメポーズ」でお別れです。
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