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サイボウズ デザイン&リサーチで取り組んでいるリモートのコミュニケーションをなめらかにする雑談

こんにちは!デザイナーの篠原(@shinopara_jp)です。新型コロナをきっかけにサイボウズではほとんどの社員がリモートワークを継続中です。リモートでのコミュニケーションに慣れてきた一方、長引くにつれて課題も浮かび上がってきました。

この記事では、リモートワークで気づいたコミュニケーション上の課題と、それを解決するためにサイボウズ デザイン&リサーチで実践している2つの雑談をご紹介します。

リモートワークになって無意識に雑談が省かれた

リモートワークになってから、ランチを一緒に食べる、隣の席の同僚とおしゃべりする、一緒にコーヒー休憩をするという機会が極端に減ってしまいました。オフラインでは気軽にできていた場所・時間を同期したコミュニケーションですが、それをオンラインで行うにはZoomを設定し、相手の空き時間をチェックした上で予定を入れるなど、いちいち手間がかかります。そうするとどうなるかというと雑談は無意識に後回しになり省かれるということが起きました。

雑談を失ったことで起きた課題
・誰が何をやっているか情報が入ってくるスピードが遅くなった
・メンバーの困りごとに気づくのが遅れる
・新入社員は誰に相談していいかわからない

失ってわかった雑談の役割
・相談しやすい関係づくり
・相手のコンディション(肉体的・精神的)の把握
・悩み・問題の早期発見と対応
・直近の業務状況をすばやく知る

雑談はコミュニケーションを円滑にし、チームワークを高めるために欠かせない大事な「業務」ということに改めて気付かされました。

リモートランチ・飲みは参加ハードルが意外と高い

オフラインでやっていたランチや飲み会をリモートでもやればいいのでは!?と思いますが、意外と参加ハードルが高かったります。

ランチ時間の捉え方・使い方は多様
ランチの時間を「業務時間」と捉える人もいれば「休憩時間」と捉える人もいます。食事を取りながら作業する方でしたらランチの時間に会議を入れることに抵抗がありませんが、ランチ時間は業務を離れてリフレッシュしたいという方には受け入れがたいことでしょう。日によってランチ時間を業務時間にするか休憩時間にするか変わる方もいます。
その上、ランチ時間をいつ取るかもサイボウズでは人それぞれです。12時きっかりに取る人もいれば、ちょっと遅れて14時や15時頃に取る人もいます。
このように人ぞれそれ「ランチ時間観」があるので、雑談のためだけに時間を合わせてリモートランチを設定するのは意外と難しいことがわかりました。

リモート飲みはプライベートな空間と時間を専有してしまう
リモート飲みは業務が終わったあとのプライベートな時間と空間を専有するので一人暮らし以外のメンバーは気軽に何度も参加することが難しいとわかりました。自分だけの仕事部屋を持っている場合は参加しやすいかもしれませんが、リビングのような共有スペースで仕事をしている、または仕事部屋を共有している場合は同居されている方の行動を制限させてしまう懸念があります。働く空間も多様かつプライベートなため、業務が終わった後の時間を利用するのは極力控えた方がいいと感じました。

このことから、業務時間内に意識的に雑談を取り入れる必要性があると強く感じました。とはいえ、メンバー全員の予定を確認して個別で予定を入れていくのは面倒ですよね…。そこでサイボウズ デザイン&リサーチで取り組んでいる気軽に始められる2つの雑談をご紹介します。

ランダム雑談@月1定例

サイボウズ デザイン&リサーチでは月1回メンバー全員で集まり、業務の成果を発表したり、知見を共有する会議をしています。その会議の余った時間でメンバーとランダムに雑談する「ランダム雑談」という時間を設けました。

この手法のメリット
・既存の会議の中に雑談タイムを設けるので、雑談の省略を回避できる
・新たに会議の時間をとる必要がない
・ランダムにグループが生成されるので、あまり話したことのないメンバー同士が話す機会を作れる
・10分という短い時間は気楽に参加でき、また話したい気持ちになれる

やり方
Zoomのブレイクアウトルームを使います。ブレイクアウトルームとは、Zoomの中に部屋を作り、そこに参加者を割り当てできる機能です。ランダム雑談では全員が会話できるように1つのルームに割り当てる人数を3〜4名で設定し、10分ほどの雑談を2〜3回繰り返します。

注意
1つのルームに割り当てる人数が多いと、聞き役に回って全く喋らないメンバーが出てきてしまうので、割り当ての人数は最大4名までにしましょう。

1. 参加者が揃ったらブレイクアウトルームを押す
※ホストか共同ホスト権限を持っていないと「ブレイクアウトルーム」が表示されません

画像:Zoomの画面

2.作りたいルームの数を[1]で設定。[2]を「自動」にしたら、[3]「ブレイクアウトルームを作成する」を押す。

画像:Zoomのブレイクアウトルームを作るUI-1

2. ルームが作られ、メンバーが自動で割り振られたら「オプション」を押す。

画像:Zoomのブレイクアウトルームを作るUI-2

3. [1]に雑談したい時間を入力したら、[2]「すべてのルームを開ける」を押す。ブレイクアウトルームにメンバーが振り分けられるので雑談をする。

画像:Zoomのブレイクアウトルームを作るUI-3

4. 時間切れになるとブレイクアウトルームが閉まり全員が戻ってきます。再度の雑談をする場合は「再作成」を押す。

画像:Zoomのブレイクアウトルームを作るUI-5

5.作りたいルームの数を[1]で設定。[2]を「自動」にしたら、[3]「すべてのルームをもう一度作成する」を押す。ランダムにルームのメンバーが配置されるので、前回とメンバーが被ってないか確認し、OKだったら[4]「全てのルームを開ける」を押す。メンバーが被っていて割り当てをやり直したい場合は[3]「すべてのルームをもう一度作成する」をもう一度押す。
※自動でメンバーを割り当てると数名はかぶってしまうので、被りを無くしたい方は手動で割り当てるのが良さそうです。

画像:Zoomのブレイクアウトルームを作るUI-5

このような感じでブレイクアウトルームを設定し、雑談を2〜3回繰り返します。

実際やってみて、「最近話していない人と久しぶりに話せて楽しかった」「誰が何をしているのかざっくりわかってよかった」「10分ぐらいがライトでちょうどいいね」というコメントをいただきました。

3時のおやつ雑談

オフラインでよくある「ちょっとコーヒー休憩しない?」のオンライン版です。週1回・30分・任意参加で開催しています。オンラインランチやリモート飲みは参加しづらいけど、業務時間中の30分なら休憩も兼ねて時間が取りやすいためこのような雑談を設定しました。

サイボウズ デザイン&リサーチは今期新たに新卒2名、中途1名のメンバーが増えたのですが、入社時からリモートワークだと業務で関わっているメンバー以外とコミュニケーションする機会がなかなか得られないという事がわかりました。様々なメンバーとコミュニケーションする機会を作るとともに、困りごとに直面した時、適切な相談相手を見つけられず孤立してしまうことを防止する役割も担っています。

この手法のメリット
・リモートランチ・飲みより参加ハードルが低い
・おやつと飲み物を用意することでリラックスして話せる
・入社間もないメンバーの困りごとを把握・対処しやすい
・業務の合間のリフレッシュになる

やり方
週に1回30分任意参加の雑談タイムをZoomで設け、各自好きなおやつと飲物を準備してリラックスしながらおしゃべりします。話す内容は業務のことからプライベートまで何でもOK。

写真:おやつ雑談の様子

メンバーからは「おしゃべりできて良い休憩になっている」「質問できてよかった」などのコメントを頂きました。

オンラインでは「無意識的に省かれるコミュニケーション」が超重要

オフラインでは意識せずとも自然にできていた雑談だからこそ、オンラインに移行したときに無意識に省かれがちです。オンラインでの業務効率や生産性を上げるためにも、ふだんから雑談を通してコミュニケーションを円滑にし、チームワークを高めていくことが重要じゃないかと思います。リモートワーク中はぜひ業務として意識的に雑談を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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