大塚たくまさんインタビュー:個人ブログが仕事につながるまで(Part2)
福岡を拠点に活動されるライター、大塚たくまさん。
Twitterで大塚さんの「誰かにインタビューされたい」とのつぶやきを幸運にも拾うことができたフリーランスライターしのむが、インタビューを敢行しました。
見るもの、感じるものすべてへの「愛」を感じる文章を指先から紡ぎ出す大塚たくまさんへのインタビュー。
今回は第2回。ライターの仕事の新たな可能性と、運命の出会いをしたお話です。
お客さんとライターが「Win-Win」になるために
――しのむ:
たくまさんの個人ブログで会社を紹介してほしい、とのお仕事の依頼がきっかけで、個人ブログを活用した仕事が広がっていったというお話でした。少々突っ込んだ話になりますが、今、大手メディアに寄稿する割合と、ご自身のブログのお仕事の割合はどのぐらいでしょうか? 差し支えない範囲で教えてください。
――たくまさん:
このところ仕事の状況が良い方向に進んでいまして、ありがたいことにメディアへの寄稿が増えてきました。一方で僕のブログの仕事は、3割くらいですね。まだブログでの仕事については「可能性を感じている」段階、と言えます。
ただ僕のブログに限らず、メディアのために記事を作ること以外にもライターにできる仕事は少なくないと思っています。
個人ブログで会社を紹介してほしい、と依頼してくれた会社さんと同じようにいろんな会社のためにライターが読み物コンテンツを作ることはできますよね。
そういった会社独自のコンテンツを掲載する場所は、もちろん僕のブログでも良いし、その会社のサイトでもいいわけです。スポンサーみたいなイメージでしょうか。
資金や予算に余裕がある大手や大きな会社しか記事広告を作ることができない状況は、とてももったいないと思うんです。
だから今、「伝えたいけれど、伝え方がわからない人の後押し」をしなきゃいけないって感じています。そういった熱い想いを持っている人は僕だけではないと思いますね。
――しのむ:
確かにそうですね。SNSを使えば中小企業でも個人商店でも消費者に情報を簡単に伝えられる時代になってきましたよね。でもどうやったらいいのかわからない人も少なくなさそうです。
――たくまさん:
そうなんです。個人のお店とか会社とか、小さな会社とかでもコンテンツの中身にこだわろうとするとお金がかかります。だから低コストでも内容の濃い情報を発信できる事例をつくりたいんです。「仕組み」にだけお金払う人が多いんですよ。「これを使うとWeb集客ができますよ」っていうシステムだけを買うわけです。
ただ肝心の「情報発信の中身をどうする」っていう問題があります。情報を発信したい会社の“中の人”が一生懸命頑張って自分でやるわけではない、もっと気楽に中身に目を向けてもらえるといいですよね。
ライターが直接入るだけでめちゃめちゃコンテンツの内容は深くなるし、メディアに寄稿してお金をもらうよりも直接お客さんからお金をいただいた方がライターの報酬が多くなります。
情報を掲載したい会社はそれで広告費用が抑えられるし、僕らライターはもらえるお金が増えるしで、「Win-Win」の状況になれたらいいな、と思っています。お客さんとライターが「Win-Win」になるために何ができるかな、と考えていると、自然にそういう考えになりました。
まだ僕はメディアに寄稿する仕事の割合が多いんですが、今後ライターが直接関わり、情報発信できる仕事をもっと増やしたいと思っています。
福岡を拠点にした理由ー運命の出会い
――しのむ:
現在は福岡を拠点にお仕事をされていますが、今後活動のフィールドを広げよう、とかは考えていらっしゃいますか? たとえば九州以外とか。
――たくまさん:
僕、実はいったん岡山に行こうと思ったことがあるんです。
去年のことです。奥さんの実家が岡山でして。
でも「さあどこに住もうか」って考え始めたタイミングで、あの僕の個人ブログに記事を書いて欲しい、っていうお仕事の話があったんです。
続けてアビスパ福岡とのお仕事だったり、嬉野温泉のお仕事だったり、九州での仕事が立て続けに出てきたんです。そこから地元の人たちとのつながりで、仕事を得ていく可能性を感じ始めました。
岡山に行こうと思っていたときは、メディアの仕事でも全部本社が東京ばかりでした。リモートのやり取りだけでやっていた感じですね。それでちょっと仕事をする場所を変えた方が面白い企画ができるんじゃないかな、って思っていたところでした。
ただそのタイミングでご近所の方とのつながりが仕事になったんです。それで地域貢献になるような執筆や取材、企画ができたらいいな、と思い始めました。それで「福岡にもっと根付こう」と決断したんです。
・・・
福岡を拠点に活動するライター、大塚たくまさん。
個人のブログだったものが仕事につながったところから、ライターの仕事により大きな可能性を感じ始めた、とのことです。
さらに奥様の実家がある岡山県に移住しようとしたたくまさんを福岡にとどめたのが、個人ブログに会社の記事を掲載してほしい、というあの依頼でした。まさに運命の出会いです。
あの個人ブログのお仕事がなければ、たくまさんはお仕事の拠点を移されていたでしょう。そしてライターの新たな仕事の可能性の扉は閉じられたままだったかもしれません。
福岡を仕事の拠点にすることに決めた、大塚たくまさんの今後の活躍に期待が高まります。
ここまでで全体のインタビューの、やっと半分くらい。
そして真面目(?)なお話はたぶん、ここまでです。
大塚たくまさんインタビュー第3回は、お仕事で対象とするものへの愛情あふれる文章を書いておられるたくまさんの「苦手なもの」について聞きました。
大塚たくまさんへのインタビューは、まだまだ続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?