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大塚たくまさんインタビュー:個人ブログが仕事につながるまで

福岡を拠点に活動されるライター、大塚たくまさん。

Twitterで大塚さんの「誰かにインタビューされたい」とのつぶやきを幸運にも拾うことができたフリーランスライターしのむが、インタビューを敢行しました。

見るもの、感じるものすべてへの「愛」を感じる文章を指先から紡ぎ出す大塚たくまさんへのインタビュー。

ご一読ください。

初回のテーマは「ライターのお仕事の新たな可能性について」です。

個人ブログが仕事につながるまで

――しのむ:
自分にインタビューしてほしい、と思われたのはなぜですか?


――たくまさん:
ふだんは自分から話を聞く機会がめちゃめちゃ多いんですけど、「インタビューを受ける」ってどういう感じなのかなって、気になっていました。自分の考えをTwitterなどのSNSで書くのは何度もやっていたんですが、自分が書く文章が誰かのフィルターを通したときに、どんな風に書かれるんだろうっていうことに、何となく興味があったんです。


インタビューをされた相手がなんか喜んでくれると同時に「あ、こんな風に見えてるんですね」と、おっしゃられることがありまして。
インタビューする側の見方とインタビューされる側の考えが、実際どういう違いがあるのかに興味があったのが「インタビューされたい」と思ったきっかけです。


自分が話した内容がインタビュアーの方のフィルターを通した時に、どういう伝わり方をするのか、どういった部分を強調されるのか見てみたいな、と。


自分にはない切り口があると思うし、取材されるっていいなって憧れみたいなものもありましたね。ふだん自分がインタビューしているぶん、「インタビューされてる人いいな、羨ましいなー」って。逆の立場にちょっとなってみたかったみたいな。


――しのむ:
なるほど。「される」側を経験してみたかった」というわけですね。今回インタビューする前にたくまさんの記事をたくさん読ませていただきました。なかでも驚いたのが、ブログを開設されたときに、個人ブログの中で店舗やサービスなどを紹介するという形のお仕事を想定されていなかったということでした。


――たくまさん:
はい。もともと本当に個人のブログ(https://www.otsuka-takuma.com/)でしたから。


――しのむ:
たくまさんが想定していなかった形で仕事になったことに私は、たくまさんの文章とか観察眼が第三者から評価されたと感じました。たくまさんご自身はご自分のブログが仕事につながる、と気づかれたときはどのように受け止められましたか?


――たくまさん:
最初に「あれ?」っていうことが起きたのは、僕に記事を書いてほしいって、普通にお仕事の依頼が、とある会社さんから来たときですね。その仕事の依頼が来たとき、僕はてっきりその会社のブログに載せる記事を書くんだろうと思っていました。


というのも基本的に僕のブログは、芸能人のブログみたいにファンがずっとブックマークして追っかけているブログではありませんでしたから。当時の僕のブログに載ることそのものにはあまり意味がない、と僕自身が思っていたんですよ。


それなのにその会社のお仕事で「どこに掲載するか」って話になったときに、「や、あの大塚さんのブログで! 大塚さんのブログがいいんです!」っていう話になったんです。


それで僕「あれ?」とおもって、
僕のブログは僕の個人的な活動で使っているものです。僕が記事制作のお金をもらってあなたの会社の記事を作るのに、僕のブログに載せるのはもったいなくないですか?
みたいな話をしたんです。でも
「Twitterとか、ブログから情報を発信しても公式サイトのリンクを貼ることは可能ですよね。どこに載せているとか、あんまり関係ないんじゃないかな」
って言われたんです。


――しのむ:
なるほど!確かに。興味を持った人がリンクをたどってくれれば公式にたどり着けますもんね。

――たくまさん:
その会社としても、自社の情報が第三者のブログに載っていること自体に価値を感じるところがある、というお話もありました。


要は中身さえしっかりしていれば、自社のHPだろうがSNSだろうが第三者のブログだろうが、どこに載ったってそんなに、大きな問題じゃない、との考えを持ってらっしゃったんです。むしろ僕が責任をもって、僕のブログの中で紹介するっていう方が価値を感じるって話をされててですね。


――しのむ:
すごい! それはもうたくまさんのファンですね。


――たくまさん:
まあそれでちょっとなんか自分の頭の中(考え方)が古いのかなと思って。
その会社のお仕事をきっかけに、「世の中には伝えたいけど、どう伝えていいか分からなくて困ってる」人がいっぱいいるんだろうなって思い始めたんです。


――しのむ:
そこからご自身のブログでもお仕事を受けるようになられたんですね。


――たくまさん:
そうですね。だからその会社とのお仕事があってから、メディアには掲載できない情報を掲載してほしい中小の方とか零細企業とか飲食店とかヘアサロンとか、地域密着型でお仕事されてる方はたくさんいらっしゃるんだろうな、っておもいました。


僕のメインの収入源は、メディアに寄稿した原稿料です。ただメディアはどうしても「トンマナ」と言って、メディアの運営方針に沿った内容しか掲載できないことがあります。でも個人ブログで掲載するなら、そういった制約はなくなりますよね。


また掲載するコンテンツの中身にこだわろうとすると、莫大なお金がかかります。でも僕のようなライターならコンテンツの中身にこだわりつつも、メディアに掲載を依頼するよりはリーズナブルな値段、料金で請け負うこともできます。


情報を自由に掲載したい、コンテンツにこだわりたい地元の中小企業と、大手メディアよりも割安な料金で仕事を引き受けられて、コンテンツにこだわることもできるライターがマッチングできる可能性はあるんじゃないか、と思ったんです。


――しのむ:
なるほど! ライターの新しい仕事の可能性ですね。


――たくまさん:
ライターに依頼すればそんなに高い費用をかけることもなく、かなり内容も充実したコンテンツが作れると思います。それを名刺に印刷してもらうこともできるでしょう。公式サイトに入れたりSNSで拡散したりもできますよね。


自社に関連するワードで検索上位に上がってくることも可能な永続的に使えるコンテンツが、僕のようなライターに4、5万ぐらいの記事の価格を払っただけででき上がるんです。
万人に面白い読み物じゃないかもしれません。でも誰にでも通じる読みものがコンテンツとして持てるっていうのは「じゅうぶんにアリ」だと思うんですよね。


――しのむ:
アリ、だと思います。


――たくまさん:
中小企業や個人商店が利用できる広告スペースに、フリーペーパーがあります。
でもフリーペーパーは廃刊になることも少なくないんです。地域のビジネスで結構フリーペーパーに広告を出しているところはありますが、フリーペーパーがなくなるともう広告を出す場所がなくなってしまうんです。


それにフリーペーパーに広告を出すとするとだいたい1週間に1回とか週2回とか出て小さい枠で20万か30万とかの広告料金が設定されています。
でも1週間2週間すれば、もうあまり読まれなくなっちゃいますよね。そういう人たちが「じゃあこれからどう広告を出していけばいいんだよ」「ネット広告もめちゃめちゃお金がかかるし」って悩みが出てきます。


その悩みを解消するために、もうちょっとライターがやれることってあるんじゃないかっていうのが、今のペースにあるんですね。僕が取材をして自分のブログで記事を作るっていうことが仕事になるんだな、って気づいたんです。


・・・

福岡を拠点に活動するライター、大塚たくまさん。

個人のブログだったものが仕事につながるまでのお話を伺っています。ライターの仕事が広がる可能性を見つけた、たくまさん。今後の仕事についてのおもいを熱く語っていただきました。

たくまさんのブログに自社の記事を掲載してほしい、と依頼した会社さん。素晴らしい人選ではなかったでしょうか。機会があれば、その会社の担当者さんともお話できたらいいな、とおもいました。

ここまでで全体のインタビューの1/3か1/4くらい。

大塚たくまさんへのインタビューは、まだまだ続きます。

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