中国ユニコーン「Luckin Coffee」は何がすごいのか
中国ユニコーン「Luckin Coffee」は何がすごいのか。
とりあえず無料にしてみますが、反応がよかったら気が変わって有料にしてみるかもしれません。他方、もし反応がなかったら、最初で最後のNoteになる可能性がある。笑
なお、元ネタは昨年にTweetしたものになります。
よろしければあわせてフォローをぜひ!
https://twitter.com/shinojapan/status/1052001927800610816
記事の内容について
・前段はあまり意味がないので飛ばしてください・・・
・Luckin Coffeeについて、どういうサービスなのか
・革命的な4つのポイント
1)アプリ限定での注文フロー
2)カスタマーファネルの逆転
3)配送サービスによるいつでもどこでも
4)競合他社に比べて圧倒的な経営効率性を実現
Noteな皆さま、はじめまして! Reluxという宿泊予約サービスを運営してます、篠塚です。香港/深センからの帰路、Kindleを忘れた飛行機がものすごく暇だったので、ふと何を思い立ったのかNoteを書いて見ることにしました。なぜ急に書こうと思ったのかがあまりわかっていません。
※Relux(リラックス) http://rlx.jp
今までは自分のブログを、自分のドメインで運営していたのですが、
どうやらNoteというのがとても便利らしいぞ。ということで、移行してみます。果たしてすぐに筆が止まるのか、それとも続くのかはわからないですが書いてみよう。
さて、いきなり本題とはそれるのですが、私には朝倉さんのようなユーモアも、前田さんのようなカリスマ性も、けんすうさんのような天使のような優しさもありません。が、私はある事象に対する成功要因がなにかを抽象化し、それを論理整理することはちょっとだけ得意なほうだと思っています。
だから、こうした場を用いて少しでも面白い情報を共有しつつ、また自分にとってもアウトプットすることで新しい視点を得られるのでは。さらなる学習になるのでは。ということを思ったので、つらつらと書いてみようと思います。
==前段長くなりましたが、ここからが本題==
「Luckin Coffeeは一体全体何がすごいのか」というテーマです
※注釈
なお、私はこの記事を書くにあたってあえて新しい情報を調べていません。そのため、創業した日とか、調達した金額とか、店舗数とかはかなりざっくりしており、少しだけ誤っている可能性があります。が、そこはこの記事において重要ではないので、もしなにか誤りを見つけた方がいらっしゃれば、ぜひ教えていただけたら幸いです。訂正していきます。
Luckin Coffee(以下、LC)とは
2017年末に創業した、コーヒーチェーンを展開する中国のスタートアップです。中国ではスタバキラーと言われており、シリアルアントレプレナーによる起業、起業の直後には200M USD(200億円超)の資金調達をし、いきなりユニコーンとして爆誕します。
その後、ちょうど1年前の2018年1月に1店舗目をオープンさせると、矢継ぎ早に2018年末には2,000店(※1/18 9:40修正 1,500→2,000店)をオープンさせました。
(1年365日で2,000店舗です。日本のドトールが1,000店舗くらい、タリーズは1,000店舗未満ですからそのスピードのすごさが分かるかと思います。)
LCのビジネスの特徴
スタバよりも少し安くて、味はとても美味しくて、
アプリでオーダーができ、配送までしてくれるのが特徴です。
これだけだと何の変哲もないただのコーヒー屋なのですが、斬新で、イノベーティブなアイディアがいくつもありました。ここから、その革命的な4つのポイントを紹介したいと思います。
1)注文がアプリ限定
アプリでオーダーができるというより、アプリでしかオーダーができません。これは知る限り世界で初めてで、実店舗に足を運んでもアプリがないとオーダーができません。(店舗にはメニューすら置いていないのです)
ここが想像以上に画期的な効率化だったと考えています。
スタバなどに行くと出会った事があるかと思いますが、行列があり、スタッフの方が丁寧に注文を受け、支払いをし、コーヒーを待ちます。めちゃくちゃ時間がかかります。
が、アプリのみでしかオーダーをさせないことによって、店舗に着く前にはオーダーをし、支払いをオンライン(もちろん、Wechat Payで一瞬)で済ませ、着いたらもう出来あがっていてピックするのみ。という状態を実現したわけです。私も実際に何度も利用していますが、圧倒的に便利でした。
※なおスタバアプリでもこの機能は実現されていますが、2に続きます。
2)カスタマーファネルを逆転させた
「カスタマーファネルの逆転」は、とてつもなく感動的な設計です。
ちょっとここについても説明をしてみます。
通常はコーヒー屋さんがアプリを提供していても、利用者数>アプリユーザー数 というファネルになるため、100%必ず利用者を下回ります。下回るどころか、利用ユーザーのうちの10%もアプリを持っていないのではないかと思います。
(みんな大好きなスタバはどうでしょうか。スタバのアプリを持っていますか? 多分ほとんどいません。)
ところがLCは、アプリ>利用者 というファネルの逆転を行い、LCを飲む人は100%必ずアプリを持っている。という状況を生み出しました。これがとてつもなく画期的でした。
なぜならば、全世界でオペレーションを画一化でき、顧客と直接つながることで様々なマーケティングができ、そしてより多くのデータ分析を行うことが可能だからです。(4にも続きます)
キャンペーンにて「コーヒー、一杯目無料」にした結果、全員が喜んでダウンロードをしました。(というかダウンロードしないと買えない)
3)配送による「いつでもどこでも」の実現
さらに、LCはアプリから直接配送サービスも展開しています。
Luckin Coffeeの店舗から3−4km圏内(不確か)に住んでいたり、働いていたら配送をしてくれます。コーヒーはきちんとラッピングされ保温されているので、意外とまったく冷めないですし、缶コーヒーを買うよりも楽に、とても美味しいコーヒーが飲めるというわけです。
よって、店舗の出店戦略はどんどん面積を抑えていく、さながら三国志の領土拡大のような形になっています。
余談ですが、配送は中国の人口ボーナスが圧倒的に有利です。日本では同じ仕組みではまずもって実現ができません。同時多発的な店舗の開店もまた、人口ボーナスが大きく影響しています。
4)結果、経営が超効率化された
アプリのみですので現金収受はおろか、レシートすらもすべてオンラインです。ピックアップ店舗と呼ばれる店舗は3の配送を中心とした設計になっており、座席がないにもかかわらず、大量のコーヒーを送り届ける事が可能になっています。
通常、コーヒー屋の売上は店舗面積に比例するわけですが、配送によってコーヒーマシンの生産能力の限界まで作れるわけですね。
店舗あたりの人員数も当然のことながら最小でまわせます。レジに貼り付ける人は一人もいりません、コーヒーを作ることにのみ集中していれば良いのですから。
また、アプリですべての情報やニュースが見られるので新商品のお知らせ、新店舗のお知らせ、店舗の検索などもダイレクトにアプローチができ、店内ポップやDMやクーポンなども一切新たに何かをする必要がないという思想です。新メニューができても、店舗でペタペタと張り替えることはなく、アプリのメニューを追加すれば終了です。商品追加作業を1時間かけてしさえすれば、全ユーザーに新商品のお知らせができるわけです。
まるでECサイトのような設計です。
これぞOMOの未来、という感じでしょうか。
まとめ:LCすごい。すごすぎる。
以上、中国ユニコーンのLuckin Coffeeを紹介してみました。
中国はここ3年ほどは年に3〜4回くらい自ら足を運び、実地体験を繰り返してきたおかげでだいぶ理解が進んだ気がします。他にもたくさん紹介したいスタートアップがあるので、またどこかで紹介できたらと思う次第です。
(いや、もう今回で筆は止まる可能性すらある・・定期的に書いている方を尊敬しました。)
おまけ
今後書いてみたいと思っているネタはこのあたりです。
興味ある方いたら、反応くれたら書いちゃうぞ。
・スタートアップの立ち上げ方
・旅行サービスの立ち上げ方
・リクルーティング戦略
・組織マネジメントの要諦
・プロダクトグロースのポイント
・グローバル事業の立ち上げ方
・美味しいレストランリスト
・最高のホテル、旅館リスト
・中国ネタつづき
・資金調達における大切なこと
・M&Aについて 他
結構あった。(;・∀・)
ではでは。
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