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東京都の対コロナ戦略広報の良い点と課題と。

今なお予断が許されない状況が続いています。

マーケットも揺れてるし、人々や専門家すらの意見も割れている昨今ですが、政権を揺るがしやすい環境下ゆえに右派も左派も血の気が多い気もします。(この記事でわたしは右派でも左派でもを言うつもりも、賛成でも反対でもなく、あくまで評価です。) が、今回ちょっと考えたのは東京都のコロナウイルスに対する広報戦略という視点で見ると、世界的に見ても実はかなりよくできているところがあるのではないかというライトNoteです。ちょっと東京都の中枢の気持ちになって考えてみます。

情報や打ち手を小出しにしていること

パンデミック対策には結局これがもっとも有効/重要だなと思うようになりました。それは、実態の大きさを対策本部では適切に把握/理解していながら、きちんと期待値調整をしながら情報の流動性をコントロールすることです。

これはアンチな見方をすれば「政府は何かを隠している」ですが、全くそうではなく、全ての情報開示は膨大すぎて無理ですし、中枢しか知らなくて良い情報も実際はかなり多いわけです。たとえば、今まさに周辺でざわざわしている「東京もロックダウンする雰囲気醸成」などは世界的に見ても大成功ではないでしょうか。もしも突然、先日の記者会見で「今日からロックダウンします。」と言ってしまっていたら、ここ最近のスーパーの行列の比ではない人たちが殺到し、また電車など公共交通機関で我先に東京に入ろうとする人/出ようとする人たちでとんでもないパニックが間違いなく起こり、そこの現場こそがクラスターになってしまいます。緩やかな感染戦略という点で、最悪手です。

たぶん、来週のどこかから首都圏中心にロックダウンするのではないかと私は思っているのですが、そう思っている人の分母が多ければ多いほどサプライズはなく、サプライズがないので本当の意味での大混乱にはならないわけです。

学校の休校措置なども(これはまぁ実績との因果関係不明ですが)、良かったのではないかと思っていますし、4月からも休校可能性が高いのではないかという前提で動いています。唐突にあらゆる社会活動の全部を止めるでなく、インフルエンザの流行ファネルをベースに仮説を立てた戦略であると思いますが、ウイルスが走り回りやすい環境を止めたのではないでしょうか。小学校はどう考えても船より感染リスク高いですからねぇ。。
なお、これについてはUCLA津川先生の記事が大変参考になります。


他方のアメリカはどうでしょうか。残念ながら、日本のこれとは真逆で最悪の打ち手を連発してしまいました。
「ヨーロッパからの渡航を即日シャットダウンする(※)」とトランプが発表したため、マーケットも人々も大パニックとなり飛行機や空港は一斉に帰国者で溢れかえり、さらに帰国後の検疫も適切に用意されていなかったため、感染を全米に大拡散させる事態となりました。(これは仮説でありかつ一つの因子に過ぎませんが)
※トランプはその後、アメリカ人は対象ではないと伝えさらに即日ではなく期間を設けると発表。ご存知の通り、後の祭りでした。

失敗: 共通のメッセージがないこと

逆説的ですが、私が考える広報戦略における失敗は共通のメッセージがなく、危機感醸成がゆるみはじめてる点につきます。先週の3連休での都心部の盛り上がり、また今週もなお人が出歩いている姿がSNSなどに出ていますが。これはもう少し東京都ないしは日本政府が音頭を取って、メッセージをしっかりと持ちたいところでした。

たとえば、SNSでも各個人個人が危機感を煽っていても相当伝わりづらいわけですが、日本政府や東京都かまたは有志団体チームが、たった1枚のウェブページと1行のメッセージを作り、それを広めたらどうでしょうか。コピーライターの方、みんなが社会距離を保つためのハッシュタグの1つすら流行していません。(だれか、これつくりませんか・・・!)

「#社会と距離を」「#油断大敵」(センスない私...)でもなんでもよいのですが、何かしら重大なメッセージを一行にまとめて、きちんと識者たちも意思を統一してテレビやSNSで全員で発信したほうが、若い人たちにもシニアにも届くと思います。今、多くの人がバラバラに「危ないぞ」「油断するな」とかメッセージしていて、多分若い人にもよくわからないですしおじさん達うるさいな。とか思われちゃってる可能性すらあります。

アメリカは結果的にEU帰国者や、語弊はありますが社会的に弱い立場の方々が多すぎるため到達せず社会距離を取ることに失敗してしまいましたが、キャンペーンの戦略は非常に素晴らしく、とはいえ多くの人たちは社会から距離を取っていたと思います。(が、繰り返しですが感染者の流入分母があまりにも多すぎて全体の対策としては大失敗になった)ちなみに「#経済を止めるな」というメッセージはこの局面においてはむしろ完全に真逆で、むしろ一旦スパッと1ヶ月程度経済を止めてしまい収束をはかったほうがよい状況です。中国があれだけ大パニックな中収束したのはそのためで、他方のアメリカのほうが既に感染者数が多く今なお頭打ち見えずというのは相当まずいです。

ところで、経済対策で旅行券とか肉券とか魚券とかは確かに意図不明で謎なんですが、まだ決定していない情報に左右されて揶揄するのはよくないし、ほとんど意味ないです。決まってないわけだから暖簾に腕押し状態です。なんならその券についてはどのレイヤーの人が発信したかを調べても謎なので、もうちょいソースが明らかで「決定が近いぞ・・」みたいな空気になってから反対すべきかと思う派です。(というと必ず、決定が近いかわからない今だからこそ声をあげて反対しないと決定してしまうぞ。という意見になるんですけど、万が一このまま本当に肉魚に決定したらしたで打ち手として論外なので、その後の選挙で有権者が判断すればいいと思う派)

まとめ

政府や東京都の感染症対策チームは世界的にも優秀な方々で構成されており、そんなにバカじゃないはずだし、私たちのような素人レベルが考えることは全てテーブルに並んで取捨選択を考えているわけです。なので、わたしはほとんどの意思決定を信頼しています。

こんな時だからこそきちんと情報を多面的に吸い上げて見極め、曖昧で細かな情報に踊らされることなく今自分にできることを1つ1つやるのがわたしは良いと思っています。

とはいえ、今まったく予断を許さない状況です。みんなが協力して出歩かず、感染を拡げないようにしたいところです。油断大敵。


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