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#世界標準の経営理論 のRBV読書会に参加してみた。BMCと強化ループの考え方って大事と再認識

2021年9月26日の朝7-8時の"第25回「世界標準の経営理論」読書会 -第3章 リソース・ベースト・ビュー(RBV)"という読書会に参加しました。Facebookの以下のグループで開催されているものです。

私は、第24回からはじめて参加しました。初回参加のときのnoteは以下、ご参照ください。

「世界標準の経営理論」の読書会の流れ
1. はじめに主催者よりガイダンス(5分くらい)
2. ブレイクアウトルーム4-5名でオープンに議論(50分くらい)
3. 各グループの議論内容を代表者から共有(30-40分)
4. 雑談タイム(参加しなかったので時間不明)

読書会からの学び

今回は「第3章 リソース・ベースト・ビュー(RBV)」ということで、書籍では、リソースを投入して、アウトプットを生み出すことが企業活動であり、そのときにリソースに着目するのがRBVで、ポーターの競争戦略に代表されるSCP理論では、アウトプット先である市場の構造・戦略に着目するという2つの考え方がある、と整理されていました。

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RBVの重要なメッセージは「ライバルからの模倣を困難にするには、複雑で一貫性のあるアクティビティ・システムを築くべき」というものでした。

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私のはいったZoomブレイクアウトルームは、損害保険会社の方、環境分野のコンサルタントの方、通信事業会社の方、スタートアップのファイナンスアドバイスをされている方、と多様でした。

アクティビティーシステムを実務でどう使うのがよいのか?GAFAのやっていること並べると同じようなことやっているけど、アクティビティーシステムというレンズでみるとどうなん?ミッション・ビジョン・バリュー・パーパス違うよね。などなどいろいろなトピックがでました。

ベゾス氏のナプキンに書いたあれもアクティビティーシステム

個人的「あぁ、そうか」という気づきは、有名なジェフ・ベゾス氏の以下、ダブルループの図。これもアクティビティーシステムといえるのか、ということ。

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出典:Amazon.JobsのHP(こちら

このループ図って、The Virtuous cycleってアマゾン自身は呼んでいるんですね。説明は、以下のビデオご参考。

こういう思想があるからこそ、ECは持たざる経営がメリットの一つであるのに対して、アマゾンは、物流インフラに投資し続けたことで、大きく他のEC事業者と差別化できた。そういう逆説性がある。

また、コアにこのループ図が示す成長のストーリーがあるからこそ、これを中心にして、その周辺に一貫性のあるアクティビティーシステムが形成されていくのだろうというのは納得感がある議論でした。

ビジネスモデルキャンバスと強化ループ

私自身が、新規事業開発に取り組む中で、常に意識するようにしていたことは、そのビジネスモデルにどういう価値の強化ループを作り上げられるか?でした。その価値強化ループ仮説を考える、この「ストーリー」が重要なんだな、と改めて気づかされました。

そして、この強化ループを考えるという上でも重要なツールがビジネス・モデル・キャンバス(BMC)でした。「ビジネスモデルジェネレーション」という書籍で市紹介されているビジネスモデルを一枚で表現するフォーマットです。

BMCは以下のような9つのブロックからなるフレームワークです。これは一つ一つをとりあえず埋めることにはあまり意味がなくて、それぞれのブロックがどういう関係性にあるのかを考えることが本質です。その時の考え方でとても重要なのが価値強化ループの仮説を埋め込むことです。

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よくある価値強化ループの考え方のパターンを書き込んでみました。VPからスタートして説明します。まず、その価値提供は顧客の課題をうまく解決できるのかを考えます(CSへ)。価値提供をのために、どんな活動が必要か、そしてその中でも特に重要な活動(KAへ)は何かを考えます。重要な活動を考える一つの観点として、その活動によってどんなアセット・リソースを創造・蓄積できるのか?があります(KRへ)。そして最後、そのビジネスのリソースが創造・蓄積されることで、提供価値はどのように強化されるのか?(VPへ)です。ここで、提供価値が強化されないのであれば、それはキーとなるリソースとは言えません。

強化ループの考え方の例:AIとデータ

IT業界で、このKRのよくあるパターンは、AIのアルゴリズムとデータではないでしょうか?ある顧客の課題を解決するAIを作り、そのAIの提供価値が強化されていくためにより多くのデータが必要になります。しかし、その時に、ただたくさんデータがあればよいというわけではなくて、より深く知るための行動データが欲しい場合は、それが取れるような仕組みを作る必要があって、その場合、そういうアプリケーションを作るというKR(Key Activity)が必要になります。もしかしかたら、そういうデータを持っているKP(キーパートナー)とパートナリングすることがKRになるかもしれません。

アマゾンの強化ループとBMC

ビジネスモデルジェネレーション」の翻訳者でもある小山龍介さんがめちゃくちゃ素晴らしい解説をまさにアマゾンを例にnote記事にしてくださっているので、そちらを最後にご紹介します。

図だけ抜粋で大変恐縮ですが、以下がアマゾンの強化ループをBMCに落としたものです。この複雑な関係性。これってまさに複雑なアクティビティシステムでになっていきますよね。ここにAWSなんてのも出てくるわけですから。

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図の出典:ブルームコンセプト社のこちらのnoteより

大発見:BMCはRBVのフレームワークにもなる

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RBVに関して、世界標準の経営理論で、入山氏は、複雑なアクティビティシステムを構築すること、という示唆を提示されました。今回私は、RBVに基づきライバルから模倣を困難にするにはBMCを活用して多層化された強化ループ構築するべき、と言えるんだな、という大きな学びを得ました。

いや~、これは大発見です。いやー、内省してよかった。これは、別途、RBVをまとめたnote記事にも追記したいと思います。

BMCとリーンキャンバスの違いはRBVにあり

BMCとよく似たフレームワークでリーンキャンバスというものもあります。私は、これまでどっちを使ってもいいけど、リーンキャンバスのほうが実践では使いやすいな、と思うこともしばしばありました。

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しかし、今日決定的に違う観点がRBVだな、と気づきました。リーンキャンバスはMVPを設計し、仮説検証しながら改善するという観点では非常に有用で実践的です。しかし、KA、KRの観点がないため、強化ループの観点が入ってきづらいのです。つまりBMCはより経営レイヤーで考えるのに適している一方でちょっと抽象的というデメリットがあるんだな、と思いました。

リーンキャンバスの使い方は、以下「RUNNING LEAN」が超おすすめです。

余談:パターンランゲージやら共存在やら

さきほどの小山さんのnoteの中で、建築家のクリストファー・アレグザンダー氏の"パタンランゲージ"についてと"「共感」を超えた「共存在」"というキーワードが後半で出てきます。

パタンランゲージについては、最近読んだ、西山圭太氏の「DXの思考法」の中でもUXを考えるキーとなる考え方として紹介されていて、消化不良だったものでした。気になって、アレグザンダー氏の関連書籍を図書館で借りてパラパラしていたのですが、結局、読み切れぬまま返却してしまいました。いやー、パタンランゲージって本、1万円くらいするんですが、、、積読してみようかな、いや、、、。やはり気になる。

あともう一つ、"「共感」を超えた「共存在」"というので、思い出したのが大ヒット作「嫌われる勇気」で出てくる共同体感覚ってやつと一緒だなーと。脳みそが疲れてきたので、これ以上の内省はいったんストップしますが、昨今のESG投資やSDGsの考え方ってのと通底してくるような予感がして、改めて「嫌われる勇気」でいっていたい共同体感覚が示唆する未来観ってどういうことだろう、ということを考えてみたいな、と思いました。

おわりに

ということで、今回は世界標準の経営理論の読書会に参加して、めっちゃいい気づきがあった、というシェアでした。フォローや記事への「スキ」を押してもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie



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