古きよきソヴィエト

セルゲイが学生のころ、とある難関のクラスのテストに出頭した。
ソ連でも有数の頭脳が集まる大学の学生でも難しいクラスだった。
そのテストにパスできるか、はなはだ心もとなかった。

テストがはじまってまもなく、教授に電話があるとの連絡があった。
電話を受けにいった教授は戻ってきて満面の笑みでいった、

「きょうここにやってきた諸君、きみらは大変幸運だ。
わたしの遠くからの旧友がモスクワに短時間来たので面会したいという。
それにでかけるので、今日出席した皆は試験に合格としよう」

試験は数人ずつのもので、
きょうの試験にあたらなかった学生もいたわけだ。
そうして、セルゲイは優良な成績をひとつ、手にした。

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