シャニ短歌のまとめと一言感想 2022.06

今月はあんまり出せなかったと思っていたのですが、歌会が3回あったので意外とありました。

11回本歌会 題字『書』『結』『覚』『独』

宇宙飛行士は飛ぶ前に三行の叙事詩を日誌に書く、遺書として

⇒飛行士は打上げ前に三行の叙事詩を日誌に書く、遺書として

 『約束の宇宙』という映画内で宇宙飛行士が遺書を書くシーンがあり、それをイメージしながら浅倉が例の日誌を書いていたらいいなという歌です。
 歌会に提出した中で一番のお気に入りだったので、読む会スペースで触れていただけて嬉しかったです。
 改稿にて気持ちの悪かった韻律を整えたのですが、破調が生み出していた浅倉っぽさみたいなものが薄れたとも感じていて、しかし短歌としての出来の悪さをキャラ性の表現とするのは作者の実力不足をキャラに背負わせるようでもあり、二次創作短歌の難しさに悩んでいます。

同僚の飴の包みは結ばれてそんなとこまで父に似ており

 シャニPと七草父が似ているというのがどこまで公式でどこから妄想だったのかわからなくなってきたこの頃。Pの細かい所作に父を感じて、P及び社長に複雑な感情を抱くはづきさん。

薄明に聞く隣室の目覚ましに今日一日の活躍を知る

 歌会にて初入賞を戴きました。
 多分4thライブの時、声優さんが「ライブの日はリハなどで朝が早い」という話をしていたのを聞いて、283アイドルもそういうことがあるんだろうなと思ったことからできた歌。
 寮組の生活妄想するのが楽しくて仕方ないです。
 結びを断定の形にしたのは千雪さん流のおまじない・ユーモアで、こちらもライブ前に公式から出された「寝れました」のチェインをイメージ。

盂蘭盆の仏間に独り 線香の燃える速度がじじじと増した

 帰省するも暇を持て余し、東京・放クラ・Pなどを想う凛世の歌。
 線香の燃える速度が速まるというのは風が吹いているということであり、作り始めた当初は凛世のため息によるものにしようと考えていたのですが、凛世は直接息を掛けるような無作法はしないため、誰かの動きによる風か不意に吹き込んできた風によるものなんでしょう。



飛び乗ってミンロウド行き 重かったマイクの握り心地探して

 ミンロウドはミヒャエルエンデの果てしない物語に登場する『絵の採掘場』で、主人公が失った記憶を取り戻す場所です。
今は体の一部のように馴染んでいるマイクがまだ重たかったころの衝動を思い出す北海道編に期待。

獣らが一匹また一匹身を投げて後には凪いだ人喰いの海

 天檻オープニングでノクチルが次々プールに飛び込み客も追いかける場面を見てウェルテル効果だ...と思って作った歌。
自殺といえば、<harmony/>というSF小説・アニメ映画がめちゃくちゃ浅倉樋口なのでいつか彼女らで実写化してほしい。

ノロマ号船頭四人別たれて夜には同じ港へ帰る

「陸でありたい」、シャニPからノクチルへの敗北宣言だなあと思いながら読んでいました。彼女らのための介入も不要、ただ見守るのみがノクチルのプロデュース方針としての正解という答えは理解はできますが、その位置にいるのがシャニPである必然性もなくなったとも感じているので、今後のイベントでシャニPなりの新たな回答をみせてほしいです。

幽谷霧子×献血

霧子にハマってから献血が趣味です。

慇懃な管理の下に流れ出す我が血は少しパステルめいて

献血ルームに行くと400mLぽっちの血のために多くの医者、スタッフの方が丁寧に応対してくださり、血の価値・健康であることの価値を実感します。

名も知らぬ天才肌の人生の続きを描く赤インクの血

 献血中、自分の血を受け取る相手のことを想像している霧子のことを俺は想像していました。

君の祈りも流れ出したる心地して 献血バスの窓にはAEON

 先月投稿したものを若干改稿しました。近所のAEONに献血バスがよく来ておりそちらでも献血したことがあります。血を抜かれながら妄想して若干トリップ気味になった時、窓の外の人混みを見て急に現実に戻ってくる感覚がありました。

一枚目の献血カードに記されたmL分大人びてゆく

 以前公開したものを一緒に載せています。
 霧子が16歳の誕生日から献血に通い始めたとすると、丁度成人したころに10回のスタンプカードが埋まるだろうという妄想です。




眠たげな出席番号1番は第一宇宙速度を超えて

 第一宇宙速度は地球の衛星軌道に乗るための速度。第二、第三宇宙速度はそれぞれ地球脱出、太陽系脱出速度ですが、浅倉は脱出まではせず近づいたり離れたりのイメージ。
 授業中に舟をこぐ浅倉を見ているクラスメイトの視点を想定していました。

『お土産のカステラあるけん』玄関のホワイトボードに書いて「ただいま!」

 寮生活妄想。玄関に伝言板あると思います。

7回プロト歌会 テーマ詠 『シーズ』『口紅』『対句』『自由詠』

憧れはまぶしさだけ残して消えた 僕たちが見たヒカリ she is ?

 正直なところ全く歌会提出直前になっても全く思い浮かばず、しっくりこないまま無理矢理出してしまった歌です。
 にちかも美琴も目指すべき場所、かつて憧れた先を見失っているというようなことを言いたかったのですがテーマがぼんやりしていてもう少し具体的な内容を探すべきでした。

人魚には履けないヒール 代償に口紅で塗りつぶした悲鳴

 口紅を封蝋に見立てたいという思いつきからできた歌。声を代償に踊る足を得る人魚姫という構造は気に入っていますが、にちかと人魚姫がいまいちマッチせず。

歌わせてほしい踊らせてほしい 一点透視法の焦点

 プロト歌会の4首で一番気に入っている歌。体力やばいのに練習の約束を要求する美琴です。
 行動が『理想のアイドルになる』の一点に収束する美琴のことを表しつつ、その収束点にあるものがどんなものなのかわかっているか?というイメージで焦点という言葉を当てました。

学校の怪談その2【校長が廊下で買ってる金魚は不死身】

 プロトがシーズ一色なので自由詠は果穂セラピー。
 少年探偵団の果穂が身近な謎を解き明かすコミュを妄想。6年生が「そういえばあの金魚ってずっと生きてね?」って思ったのが七不思議に昇華。金魚ってうまく飼えば20年くらい生きるらしいです。


 

打上げはお好み焼き屋 ワインより後に覚えた鏝の持ち方

 放クラはお好み焼き屋で打上げしてるし、夏葉はそこで初めてお好み焼きを自分で焼いてる。鏝の持ち方を教えるのは樹里か、ちょこ先か、あるいは凛世もあるかもしれない。

かいじゅうのように息してGoogleの地図のキネマをつまんでつぶす

 浅倉LPめちゃくちゃ好きです。GoogleMapにはまだ表示されているし、ストリートビューにも残っている映画館。ピンチインして映画館を潰すと、浅倉の視点は怪獣のように高く広くなる。

光年の遥かひかりは突き抜けて宇宙も透けているとわかった

 宇宙って真っ黒なイメージですが、何万光年彼方の星の姿が見えるほど透明ということに初めて気付いた時結構な驚きがありました。あさひや果穂のそういうパラダイムシフトの瞬間に立ち会いたいという願望があります。

即詠歌会 題字『見』『前』

俺にだけホントの顔を見せる子は可愛い ことを知ってるあの子

 冬優子がこういう視点を持った上で自覚的にPに対してあの態度とってるとしたらたまらんな…という癖。

ひらがなで書く名前にも慣れたころアルファベットのユニットを組む

 帰国子女のめぐるは日本語の記名に慣れていなかった時期があるはず...というところから作り始めるも、そこからの展開が思いつかず対比でなんとか時間内に形にはしたもの。
 歌会にて、めぐるがアイドル採用後からユニットを組むまでの期間に着目した歌という読みを戴き、想定外だったが確かにその視点は新しくて良かった。
 ユニット結成前についても、元の帰国子女についてもどちらもそのうちリベンジしてみたい歌。


東京の風に吹かれてわが胸に汐の香りの満ちたるを知る

 咲耶誕で出した歌。帰省した際に地元が潮風に満ちていることに気づく。あるいは東京に戻った後、潮の香りがしないことに改めて気付く。離れてから初めて分かる郷土愛。

ストレイライト新宿駅広告ジャック

 ストレイが新宿駅ジャックする、完全な妄想の歌。それぞれ3人がその広告が出ているところを現地で見ている所をイメージしています。

柱広告(サイネージジャック)私も分身の術できるようになったっすよ

 朝コミュをネタにした歌。柱広告は包囲された感があって空間支配力は一番強いと思います。

群衆のパノラマビューを占拠する 騙されていてくれてありがと

 東西通路の横長モニター。広告を撮るファンを見ている冬優子の満足げな内心。

アルタビジョンの巨大な彼女 仰ぎ見る人々 急かす信号の音

 アルタ前の交差点でファンの反応を見ている愛依。視点を上から下へ大きく移動させ、最後に現実に引き戻すようなことを狙ってました。


おわりに

 11回本歌会で他の人の歌を読むのに集中した後、短歌の作り方が分からなくなってたのですが(元からわかってはないんですが)、プロト歌会等で無理やり絞り出すように出してたらまた勘が戻ってきたように思います。
 FE無双、モンハン、ゼノブレイド3、スプラトゥーン3とゲームの発売ラッシュが続くので時間なくなりそうですが、ぼちぼちやっていきます。

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