シャニ短歌のまとめと一言感想 2022.11

しいそさん

すれ違う一番星は高原へ向かい景色が街へと変わる

 『夢色ストライド、どこまでも』を読んだときにドライブからの帰りのシーンで、昔家族で出かけたときによく車内で一番星探しをしていたこと、最近遊びに行った那須からの帰り道にだんだん平地になって建物が増えていく景色を見たことなどを思い出して詠んだ歌。
 イベコミュきっかけで作った歌ですが、内容はほとんど自分の思い出なので二次創作と言っていいのか微妙なところ。
 ドライブ帰りの満足感とまだ遊びたい気持ち、眠気などが入り混じる車内の暖かさみたいなことを考えていました。

十五歳、ある日、爆弾が落ちてきて、十六歳、自分で手を伸ばす

 小糸ちゃんはレールの上を歩いてきた子で、幼馴染がいたことで初めてその道を外れて、天檻でノクチル自体も分たれて、初めて一人で行き先を選ぶことになるんだなということを考えていた歌。
 小糸ちゃんは道があれば前に進む力はある子だと思うので、今後ノクチルがどのように分化していくのか楽しみです。
 『ある日、爆弾が落ちてきて』というフレーズは好きなラノベのタイトルをそのまま借りています。時間SF×ボーイミーツガールをテーマとした短編集なのですが、SFの基本のエッセンスを詰め込んだ作風が小糸ちゃんとマッチしている気がしていておすすめです。

第十三回歌会

解題は歌会とその後のツイートでも書いたので少しだけ

金網を越えて四天を越えて宙 飛ぶものたちの文法を知る

 フェンスの先を見たいという動機で飛び上がり宇宙まで出たところで、そういえば飛んでみたかったんだったと思い出して地上を振り返るイメージ。

彼だった炭素原子も追憶も崩れていつかまた鳥になる

 禽禽空華やるるるくで鳥の死骸/墓を通して語られた、覚えていてもらえる時間と忘れられてゆく時間を交互に繰り返すという霧子の死生観について。

適温のアクアリウムの内壁をカラリと伝う人肌の雨

 ありのままの自然な青春を見せたいが、世間の視線にさらされることで変質することを恐れる初期のノクチルのイメージ。

客席を分つ滑走路揚々とセンターステージへ田中有紀

 題字に気づいた瞬間やらなくちゃいけない気持ちになって、先日のムゲンビートを思い出しながら作った歌。



「かわいい」をつまり未熟と読み解いて千秋楽のない曲がり道

 シーズの「格好良い方」「可愛い方」みたいな声が多分あって、それをにちかは良く思わないんだろうと思いました。
 常に評価の視線に晒され続ける仕事で、彼女はそれをきちんと苦に感じる普通の人間だと思うので、ユニットなり家族なりPなりが逃げ場として機能するように早くなってくれ。

4枚のなんでも言うこと聞く券の『※有効期限なし』の字撫でる

 果穂だけは純粋に、他の3人は樹里に対する無茶振り交じりに、あるいは大喜利として用意した定番のプレゼント。
 制作側としてはチケットっぽくするために何となく書いた有効期限の記載だったが、受け取った側は関係性の永遠を疑わないメンバーを嬉しく思い、少し照れる。

優しさの時代 酸素もお膳立てされた水槽なんていらない

 ツイートには天檻についてと書いてますが、本当は伊藤計劃の小説<harmony/>内の一文「どん底を知らずに生きていけるよう全てがお膳立てされている。」という偶然短歌を下敷きにノクチルを重ねた歌。
 海に出るつもりじゃなかったしの頃からこの小説のメインキャラ二人にとおまどの味を感じていて、このふたりで実写化(?)してほしいと思ってます。

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