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松本人志騒動に切り込んだ芸人

松本人志活動休止。

インターネットではすでに確定扱いの人もいますが、今はまだ決定的な証拠はありません。もっと踏み込んだ話が出てくるかと思っていたのですが、週刊誌側は弾切れなのか圧力なのか、はたまた今後の裁判に向けて切り札を残しているのか、いずれにせよ足踏みが続きます。

週刊誌側にはなにか核心をつく証拠があるはずなのですが。疑わしきは罰せずと考えれば、今はもう少し事態を静観する必要がありそうです。

この騒動について、芸人たちのコメントを拾ってみました。

まずテレビで注目を集めたのは、かつて松本がコメンテーターを務めたワイドナショーでした。

芸能レポーターによるニュース解説から始まったのですが、「8年も前のこと」と紹介してしまったのはマイナス。時効を考えれば普通にアウトの話です。

コメントがうまかったのは田村淳。このニュースを冒頭で取り上げたテレビの進歩を指摘し、その上で立ち位置はニュートラルでした。双方の意見が分かれて、これだけ事件性の高い記事なら慎重になって当然。

擁護に回ったのは今田耕司。近い場所で松本人志を見てきた側近として擁護の意見もあって当然だと思います。ただ、このタイミングで下手に擁護してしまうと炎上のリスクもあったんじゃないかと思いました。

現時点では「松本人志にこんなことをされた」も「松本さんはこんなことする人じゃない」もどちらも信ぴょう性としては同等ですからね。

そしてセカンドレイプの問題点、「8年前のことと扱うのは違う」と視点を広げた指原莉乃。冒頭の芸能レポーターの「8年も前のこと」が流されなくて良かったです。ただ、事実関係がまだはっきりしない中で「被害者のことを考えて」として話したのが気になりました。

うまく立ち回ったのは東野幸治。記事の読み上げは芸能レポーターに任せ、各コメンテーターには淡々とコメントを振って賛同も否定もしない。全くの無感情でこのニュースを終えました。サイコパスゆえの無関心かと思って見ていたのですが、ダウンタウンとの関係性を考えると、このニュースを取り上げたくないぐらい怒ってたんだろうなと邪推します。

ワイドナショーを真っ当なニュース番組と捉えれば田村淳や東野幸治の振る舞いが冷静で公平、情報バラエティ番組と考えると、異なる視点から意見を出した今田耕司と指原莉乃が盛り上げたかなと思いました。


他にもテレビでこの騒動について触れた芸人がいました。

一人目は霜降り明星粗品。

生放送の大喜利番組で「お客さんを一瞬で食いつかせる占いの導入を考えてください」というお題でした。

粗品の回答は「スピードワゴン小沢さんに呼ばれて飲み会行ってましたよね?」。

もはや粗品にしかできない芸当で惚れ惚れします。報道が出て数日後の生放送で、誰もがどう扱えばいいのかわかっていない、この番組でも触れてこなかった中で投げたど真ん中の直球。しかもこの答えが評価されなかったことに対して「忖度や」と言ってのける豪胆さに芸人魂を感じました。

二人目は爆笑問題太田。

生放送のネタ番組で突然カメラに向かって「松ちゃん元気〜?一緒にお笑いやろうよ」と呼びかけました。

いかにも太田らしい、芸人愛に溢れたメッセージ。そして太田がさまざまなニュースに対して見せる「問題をタブー視せずに語りたい」という姿勢通りの呼びかけでした。


たくさんの生放送があったお正月にテレビで松本人志騒動に触れたのはこの二人だけ。

それだけ扱うのが難しい問題で、ワイドナショーで田村淳が言ったように事実関係がはっきりするまではなんとも言えない、というのが一番真っ当な意見なんだろうなと思いました。

この難しい問題に、お笑いの技術で軽やかに一線を越えてみせた粗品と太田。やっぱりものすごい芸人で、一生推し続けたいと思いました。


テレビではこの二人だけでしたが、とある関西ローカルのラジオでは、かなりざっくばらんにこの騒動を話している芸人もいて、そのキレキレの会話に痺れます。

ラジオであれだけ喋れているってことは、おそらく劇場ではもっとすごい斬り方をしている芸人もいるかもしれませんね。こういう時こそ劇場でお笑いを見て応援したいです。

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