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氷結の朝

UNIQLOの超極暖ヒートテックは良かった
ニトリで買ったアシポカクッションに両足を入れて
大きめの貼らないカイロを足裏に当てると暖かい
あずきのチカラの大きめサイズも役に立つ
600Wのレンジで110秒
肩に乗せて首筋にあてる
ふんわりしたあずきの匂いとともに
身体があたたまる感じがする

私は北国生まれなのに
どうしてこれほど寒がりなのか
甘やかされてきたからか
実家ではこたつとストーブを併用してた
暖房効率の悪い古い家
機密性などというものとは無縁の家
エアコンという発想はなく
火にあたるような感覚で熱源の近くにいた
きっとその感覚が残っている
東京の私の家にはこたつがない

ドストエフスキーやトルストイやゴーリキー
チェーホフにプーシキンにゴーゴリ
ロシアの文豪はなぜ重厚で悲痛な物語を描くのか
きっと寒かったからだ
寒さは人を内省的にするかアル中にする
内省もアル中も逃避だ
現実が寒すぎるからそこにいられないのだ
置かれた場所で咲くには寒すぎる土地
今年私は数年ぶりに帰省をしたが
なぜこんなに効率の悪い場所に住むのだろうと思った
わざわざ寒い場所に住んで
移動は金のかかる車
雪が降ったら雪かき
耐え難い冬は暖房費がかさむ
機会があったらご先祖さまに訊いてみたいものだ
なぜこんな場所に住もうと思ったのですか?

身体が冷えると心も冷えるのか
ふとおそろしくなる時がある
向こうに明るい場所があって
自分はそこにはいけないというイメージ
今後楽しいことはなく
夢中になれるものもない
自己中心的なマウンティングばかりの他人
人を蔑むのをよしとする人間
そんな中で生きていくことの楽しくなさ
引退するほど金はなく
ここから起爆するほどの情熱もない
終わらせてしまいたくなる
人なんてこんなものかというおそろしい気持ち

そんなのはただの感情の揺れに過ぎない
それがわかるからこそおそろしい
すぐ横にある深い崖に落ちるようなイメージだ
落ちるときは物理法則で一瞬で落ちる
そんなクラックが人生のすぐ近くにあるという
それがおそろしいのだ
まだ落ちたくない

怒りの感情は元気を誘発する
あるいは元気であれば怒りが湧く
いずれにせよ
人を動かす動機のひとつとして
怒りというのは確実にある
見返すという感情でもいい
何を誰に見返すのか
さっぱりわからなくてもいい

評価というのはあると嬉しいが求めると遠回り
そこを目指すと裏切られる
目指すのなら自分の態度がどうかだろう
自分で自分を認められるか
こんな苦しいときでも自分はそういう態度を取れたと
利己をよりも大きなもののために動けたと
誰にもわかられなくても
その経験と自覚が自分の価値になる
それを抱いて落ちていけたら
きっとそれが成功だろう

やぶさかではありません!