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音を出す〈005〉

初めて笛を吹く人は、まずは、指孔を押さえて構えるのではなく、笛の両端を持って、つまり、すべての指孔をあけた状態で、音を鳴らす練習をしましょう。〈001〉でも述べましたが「吹くのではなく響かせる」という気持ちが大切です。太鼓でも三味線でも、あらゆる楽器には「勘所(かんどころ)」があります。力を強くすれば大きな音が鳴る、良い音が鳴る、というわけではありません。笛を吹く時の息の強さや太さにも良い「塩梅(あんばい)」があります。

とはいえ、初めて笛を吹く場合には、その加減はわからないと思いますので、まずは「深呼吸をして長い息を吐く」程度の認識で良いかと思います。

笛の音を鳴らすには、「息を当てる場所」が大切になります。そして、適切な場所に息を当てるには「下唇の位置」が重要です。

口を当てる側と反対の「歌口の端」を指で触ってみてください。刃のように尖っていることが感じられるかと思います。ここに当たった息が、笛の内側と外側の二手に分かれると、空気が振動し、その振動が、笛の管内の空気柱をも振動させて、音が発生します。まずは、この「歌口の端(は)」に息を当てなければならないということを、しっかりと認識しましょう。

図3

この「歌口の端」に息を当てるには、「下唇の位置」が大切になります。歌口の半分、慣れてきて、もっと大きな音を出したい場合は、歌口の三分の一を、下唇で覆うようにして、笛を唇に当てます。

ここから、一定の強さの息を真っ直ぐに出し続けます。歌口の最大幅と同じ太さの息を出すように心がけてください。

両手で、笛を前後左右に動かしたり、回転させたりして、最も良い音が鳴る場所を探ってみましょう。

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〈本日のツボ〉 歌口に下唇を乗せるべし
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