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オトナの遊び場α vol.3「トーキョージャムセッション」

あたしがジャムセッションに出会ったのは、19歳の時。仙川にあるKICK BACK CAFEに、輝&輝のふたりに連れて行ってもらった時だった。ジャムセッション。いきなり知らない人と、触れたことのない音楽に、アドリブで演奏しなければいけない、しかもあたしの楽器は三味線で人の目をひきっぱなし。どこを取っても背中を押してもらわなければ飛び込めやしない初めてだらけのそのイベント形式は、「東京って、面白い」って言葉しか出てこないくらい、ていうか覚えていないくらい緊張したものだった。

ジャムセッション(英: Jam session)とは、本格的な準備や、予め用意しておいた楽譜、アレンジにとらわれずに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏をすること[1]である。特にこれを重視するバンドをジャム・バンドという[1]。類似語としてアドリブやインプロヴィゼーション(即興)がある[1]。(出典:ウィキペディア)

つまり、自由に楽器でジャムジャムしよ〜!というやつ。(雑)

こういった軽音楽的バンドで楽器を演奏する人たちのことを”バンドマン”と一口にいっても、実はこのジャムセッションに良く行く/得意なバンドマンと、そうじゃないバンドマンがいる。

例に出すと、あたしの地元ではジャムセッションの文化はなかった。

あたしの地元に根付く音楽は、コピバンをするにも邦ロックや、パンクやロック、メロコアが多かった印象。アニソンバンドもめちゃくちゃいた。そういったちょっと根暗で、かっこいい感じの音楽をルーツにしている人が多くて、シティーポップやR&B、ファンクにジャズ、プログレなどを聴くひとは少なくて、そういう人は少数派で集まって、また違う文化を生み出していた。だけど、どこにもジャムセッションはなかった。

やればできる人はいっぱいいたはずなんだけど、それを受け入れたり主催する毛色のライブハウスが無かったからなのかもしれない。

そこで育ってきた種のバンドマンの多くは、ジャムセッションに参加すると、途端に(楽器が)無口になる。決まった曲で魂注いでるバンドマンは、苦手なものがあるらしい。文化的差異だから優劣つけるものじゃなくて、ただ、得意苦手が結構はっきりしている。

シナリオの決まった曲の中で、間奏までボルテージを上げ溜めて、一気に爆発させて目を惹くギターヒーローと、ひっそり出番を伺い、その瞬間が来たらしれっとキメるスマートなギターヒーロー。

文系、理系。犬と猫。日本とアメリカ。漫画と小説。

ね、”バンドマン”と一口にいっても、全然違う。

東京に来て、文化の違いに染められて、でもここが自分の居心地のいい場所だなあって思って、どんどんそういう場所で友達がたくさんできた。地元ではずっと、あたしは無理に馴染もうと、その土地柄にあった音楽を作って押し込めていた気もするから、ちゃんと好きな音楽の場所が見つかって本当に良かった。

これは昨日遊びに行ったやつ。セッションホストはいつもサポートしてくれるビッグラヴなDr.油布郁くんと、Ba.友重悠くん。それから、ゆふくんのやってるDIRTY FOUR EYESのGt.IWAO FUKEさん。あたしの藝大の後輩の貴文も踊りに来てくれたりね。

ところで昨日はあたし、三味線が故障してパーカッションとドラムばっかりやってたよ。昨日は歌わなかったけど、三味線がなくても他の何かがあればそれでいい。いい意味で、恥を忍んでなんでもできる。流石にそろそろ、セッションスタンダード曲の歌も仕込んでいきたいなあと思ってるんだけど、自分がスタンダードものを歌うと、なんか軽くて自分で興ざめしちゃうからなかなか手が出せないってのもある。日本人のこの手のジャンルであたしがリスペクトしているのは唯一リタ、彼女だけ。本物志向はもちろん大切にしたいけど、早く自分らしい歌でスタンダードを楽しみたいのが今の目標。

あたしはホリデーフットサルには行かないけど、きっと同じ感覚。好きなものを一緒にやると、もっと仲良くなれる気がする。その分、好きなものを介すからこそ、うわべじゃない本性の部分も伝わってしまうこともあるから、素直でいたいとも思う。いらいらしたり、自分本位すぎたり、それじゃやってられない。

キャリアなんて関係なくて、名前の知らない人と音を鳴らして、本当の友達になれる場所。鳴らし終わってみて、有名な人だった、なんてこともある。オーラを少し霞めて、無邪気に音楽フリークどもと遊ぶ。

案外、紳士淑女の遊びであって、そんでもって大きなボーイズ&ガールズの秘密基地だ。

童心に帰れる場所は、ちゃんともっておきたいね。

こんな時代だしね。

あ。そういえば。19歳の時にジャムセッションに参加した時に自信がついてなんとかうまくいったのは、あの日参加した曲が確かファンクかブルースだったから。プログレゴリゴリだったら、トラウマになっていたかもしれないね。笑

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オトナの遊び場α Vol.3「トーキョージャムセッション」

◯HOT◯

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