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【作品解説】Symbiosis 2020-21

篠原愛が毎回ひとつの自分の作品について、解説をしていきます。
今回はこちらの作品です↓

Title:Symbiosis 2020-21
Year:2021
Media:Oil on canvas (油彩、キャンバス)
Size:910×910 mm

時節柄、コロナに関する作品を作ろうと思った。

自粛期間中、死への恐怖から日々ネット上で飛び交う情報に翻弄され、自主的な勉強の必要性を痛感し、人体に関する専門書を取り寄せたり。いつも通っていたジムが休業になり自宅での自重トレーニングで自分の体(筋肉や内臓の性質、つくりなど)と強制的に向き合わされたり。これらの出来事は「自分(人間)の身体の性質、構造」「自然の中での人間の立ち位置」を一から考えなおすきっかけとなった。

調べて改めて実感したことは、人間(生物)の体のポテンシャルは宇宙並に壮大で複雑だということ、それでも人間(生物)は自然(宇宙)の中の一部に過ぎなくて、神羅万象の中にポツンと存在するだけのものだということ。

自分(人間)たちと同じ自然の中から発生した未知のウィルスが、私に自然(宇宙)の定理を強く認識させ、それは私の思考ファイルの一つに深い溝をつくり、今後の制作の大きな糧になろうとしている。


「フロム・ジ・エッジ-80年代鹿児島生まれの作家たち」鹿児島市立美術館
展覧会カタログ掲載文より抜粋。

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