【合格体験記】ワインエキスパートに、ワイン好きになってから1年で、仕事をしながら合格した話
ワインを本職とせず、ワイン好きな人が受ける資格として、日本ソムリエ協会のワインエキスパートがあると思いますが、今回は、題名のとおり、ワインを好きになってから1年で、しかもフルタイムの仕事をしながら、ワインエキスパートに合格した話をまとめてみたいと思います。
個人的なやり方について、まとめてみようというものですので、それぞれのう人にあうやり方があると思いますし、一つの参考としていただければ望外の喜びです。
1.ワインエキスパートとは?
「ワインエキスパート」とは、日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定する資格で、ワインを中心とする酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する人を対象に、職種、経験は不問、もしくは、ソムリエ職種に就かれていて、受験に必要な経験年数に満たない人向けの資格試験です。
持っていてもなにか使えるの?という話もありますが、趣味の資格で、趣味として一定程度の知見を持っていると分かるものですので、初対面とかでも「あぁ、ちゃんと分かっている人なんだな」ということが分かるかと思います。
ソムリエ資格との大きな違いは、2次試験の筆記と3次試験の実技がないだけなので、ほとんど同じくらいの難易度とも言われています。
試験としては、1次試験にCBT(Computer Based Test)による択一試験と、2次試験のテイスティング試験が課されています。
2020年は、
1次試験:7月20日(月)〜9月6日(日)までのいずれの日か。
2次試験:10月12日(月)
の試験日程で行われました。特に仕事をしていると2次試験は月曜日に行われるので、早めに年休の申請を行うことが必要です笑
■合格難易度は?
日本ソムリエ協会に掲載されている、2017〜2019年までの合格率は、33.1%、32.8%、44.2%と、だいたい30%〜40%くらいであることが分かります。当然、1次試験は合格したけれども、2次試験は落ちたので、翌年以降(5年間で3回まで)受ける人もいるので、ストレートの合格率はより低くなると思います。
■合格すると何がもらえるの?
一言でいうとみなさんがよく見る、あの金色の葡萄のバッジがもらえます。後述のとおり、認定登録料なる費用が必要ですが、業界の皆様は資格で手当がもらえたりすることもあるでしょうが、全く関係のない公務員などは、誤解を恐れずに言えば、「自己満足」の資格になります。とはいえ、一定の知識がある人なんだなという証明にもなりますし、一瞬でワインの知見の証明になるので、あるとワインラヴァーとしての、証明としては、あると便利だと思います。
■費用はどれくらいかかるの?
一次試験はCBTなので、期間中に2回受けることができるプランがあります。また、ソムリエ協会の会員になるとその分の割引もあるため、少々価格帯は複雑です。私の場合、会員にならず2回受験で申し込みをしましたので、¥34,440(税込)がかかりました。1回受験ならば、¥29,600(税込)となります。
また、もし合格すると、あのバッジをもらうための「認定登録手続」というものが必要になり、¥20,850(税込)が別途必要になります。1年間で5万円ちょっとと安くないので、一度で合格してしまうのが大事ですね!
■2019年の春にワインにハマってから
「完全独学!」というように言いたかったのですが、実は、2019年の後半から、WSET Level2という別のワインの資格の勉強スクールには通っていました。また後日別の記事を書いてみたいと思いますが、ここで、テイスティングの仕方(ソムリエ協会とWSETでは方法は違いますが・・・。)の最低限が学ぶことができたので、ワインエキスパート自体は独学でやることができたと思っています。後述しますが、テイスティングだけは、ソムリエやスクールで自己流の矯正が必要になってくるかと思います。
それはそれとしても、ワインにハマったのは、突然でした。何気なく行った飲み屋で、いつものグラス(赤・白)とかではなく、ちゃんとしたグラスメニューがあり、本当にこんな味が違うのか?と試してみたところ、衝撃を受けたことが始まりでした。
初めて趣味らしい趣味と言える好きなことができて、好きならとことんやってやろうと思いました。幸せなことです。タモリさんの名言でもないですが、『真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!』です。
2.1次試験対策
どんな試験でもそうですが、いきなり教科書を読み込むことはやってはいけません。過去問や問題例を踏まえながら、どういった勉強を求められているのか?ということを抑えていく必要があると思います。
その中で、過去問として最も参考にした本は下記の問題集です。
個人的には、この一冊で、問題例を学びながら、4択全てを根拠持って答えられるようにしておけば、そこまで試験に困らないんじゃないかと思っています。特にCBT形式ではとても似通った問題が出やすいと話題ですので、この一冊だけでもやる価値はあると思います。
(ちなみに怒られそうですが、試験終わった後に、BOOKOFFに持って行っても意外と高く売れる本です。前年の1000問時代のものを今年売りましたが、それでも600円くらいで売れました。)
■参考にしたサイト
ワインエキスパートやソムリエ試験は意外と裾野の広い試験ですので、いろいろなところに勉強用のサイトが点在しています。スクールで人から教わりながらもいいですが、お金や時間がない人にとっては、勉強サイトで効果的に勉強を行うことが合格の近道かと思います。一次試験として、どういったものかは先達の色々とサイトで見てみることが良いと思います。
「ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ」は、ほとんどの受験者が知っているサイトかもしれません。1月から7月の試験までの期間に、まるでスクールに通っているかのように、抑えるべきポイントや過去問を出題してくださるので、大変勉強になりました。また、職業人の心構えやワインの話題を提供してくださるので試験以上の価値があると思います。
「ワイン受験.com」様は年間5,000円程度の年会費で、択一問題解き放題というサービスを行っているサイトです。毎回違う問題が出題されるのも魅力ですが、SAKE diplomaの問題例や2次試験対策の解き方まで書いてあるので、大変役に立つと思います。
「ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!」様は、独学での勉強などワインに関するいろいろな話がブログで載せてあり、とても勉強になります。最近はワイナリー往訪記など、教本だけにとどまらないものもあり、骨太な勉強ができるかと思います。
■教本をようやく読み込む
過去問やサイトを踏まえた上で、ようやく教本を読み始めます。半分以上辞書的な扱いでよいと思います。何故ならば、初めて教本を見ると、どこが重要なポイントなのかということがさっぱり分からないからです。まずは、試験に出やすい項目やポイントを抑えながら、読み込んでいきます。
当然小さい国のアペラシオンなどはそこまでたくさんでないので、フランスやイタリアなどの大所から勉強してき、全ての国の最低限をしっかり抑える必要があると思います。
個人的には歴史、地理、語学や文化がとても楽しかったので、教本は試験勉強のみならず時間があれば読み込んでいました。
基本的には、読み込むといっても上記の1200の問題集とその周辺をしっかり抑えていけばかなり良いと思います。
■ワインエキスパートの勉強のみならず
よく「試験勉強」としてどれくらい頑張ればよいのかということを聞く方もいるかと思いますが、個人的には趣味の資格なので、勉強をどれくらい頑張ればよいのか、何時間やればよいのかとかは若干ナンセンスかと思っています。仕事をしていても通勤時間やお昼の休憩時間、寝る前に1〜2時間くらいは確保できると思いますので、半年でそれくらいやれば受かることもあるんですが、試験に受かった後も継続して研鑽できるくらいの楽しさですすめることが大事かと思います。
私は、ワインが好きになってから始めたので、試験勉強が辛いこともなかったですし、試験が終わった現在も1〜2時間くらい家でワインやそれに関連した語学や歴史などの勉強を続けることができています。
3.2次試験対策
■参考にした図書
テイスティングは、最も独学が難しいところかと思います。どこか馴染みを作って勉強したり、WSETみたいにスクールで通うことで資格を取らなければ行けないところで、ある程度「型」を学ぶことが必要かと思います。
私もWSET以外は全て独学だったので、下記の本とかは参考にしました。
一つおすすめな本は、上記の「ワインテイスティングバイブル」です。カラーの写真で色のイメージもすり合わせることができますし、ぶどう品種ごとの特徴をよくまとめてあるので、大変参考になりました。
上記の「ワインテイスティングの基礎知識」の一番良かったことは、別冊に、品種ごとの模範解答が掲載されていることですね。同じ品種のワインを買ってみて、こういう香りや風味がこういった評価になるのだということをすり合わせてみると良いかと思います。
■自分の表現をワイン界の常識に合わせる
テイスティングで最も重要なことは、自分の独自の感覚をワイン界のテイスティングコメントの様式に合わせることだと思っています。テイスティングコメントが発達した理由は、遠く離れた人に対して、正しくそのワインの味を伝えることから発達したと言われています。
例えば、自分の場合、ワインを楽しみ始めた頃は、香りの果実味が強くて、樽熟成によるヴァニラ香、アルコールが高いものは、甘口だと思ってしまっていました。舌の先端で味わうと糖としての甘さは感じないので、辛口であるべきなのですが、甘く感じる要素に惑わされるものが多いので、独学ではこうした感覚を矯正することができないんじゃないかと思います。
■本番の様子
2次試験では、私の場合は、目黒駅にある雅叙園で試験でした。場所に気圧されるところもありますが、あまり色々と考えず、楽しくやることだけ考えました。
会場に入ると、左から白・白・赤・赤・何かの順番でテイスティンググラスに液体が継がれています。顔を上にして香り嗅ぐことは違反行為です。
そして、袋詰された問題用紙やマークシート、注意事項の用紙が、入っていますので、試験官の指示に従いながら注意事項の取り出し、問題用紙・マークシートの取り出しを行います。確かマークシートは事前に氏名まで含めて記載されているので、チェックだけで良かったはずです。
4.合格してみて
ざっと試験の話を書いてみましたが、もっと書いてみたいことや受かった後に勉強を進めていることなどたくさんあったので、また次の機会に書いていこうと思います!
中立性の問題からか、ソムリエ協会の教本では特定の生産者の記載がほぼないに等しいので、地域を代表する生産者などの勉強がどうしても実地的に勉強せざるを得ないということがあります。
そんなことでもまとめられたら面白いかなと思ってはいます。
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