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サンキュー相模原の感想~導線の確保とイベントのターゲットに見る市運営~

2023年8月17日〜8月20日にかけて橋本駅の改札目の前ブースにて相模原 夏の大感謝祭(ハッシュタグは #サンキュー相模原 )が開催された。


相模原市といえば、今年(2023年)におこなわれた #相模原ミリオンコラボ が記憶に新しい。
かく言う私も、相模原ミリオンコラボに参加したプロデューサー(アイドルマスターシリーズのユーザーの呼称。以降、P と記載)である。
その際にも感想記事を書いたため、詳細は下の記事を参照いただきたい。

サンキュー相模原では、当時のコラボグッズが再販された。
また、うどん(※)もたくさん準備され、Pたちを沸かせていた。
うどんの面倒を見過ぎである( #うどんの面倒 )
※前回の相模原ミリオンコラボの際にコラボグッズとして出していたわけではないが、ミリオンライブ!のアイドル「最上静香」の好物がうどんであることから、多くのPが購入していったことで話題を呼んだ。
今回もコラボグッズとして出していたわけではないのだが…

今回の記事では、サンキュー相模原の終了後に、相模原公式noteに執筆された記事の中にあった言葉「ひとりも手放さない」を軸に感想と考察を述べていく。

なお、「ひとりも手放さない」はアイドルマスター ミリオンライブ!で特に人気のある曲「UNION!!」の歌詞を相模原市Pが引用したものだと思われる。
とても良い曲なので聴いてほしい。


ひとりも手放さない と言うからには、通常であれば取り残されてしまう、または取り残されてしまった人がいる という前提で話を進める。
それは、どのような人たちだろうか。


ひとりも手放さない から考えるターゲット考察

ミリオンライブ!のプロデューサー

まず相模原ミリオンコラボから考えた時、思い当たるのは今年2月のコラボでグッズを購入できなかったPだろう。
当時はコラボ初日にアクリルスタンドが売り切れてしまい、期間中におこなわれた再販でも1-2日で売り切れてしまった。
またその再販でも3種類あるうち1種類のみの購入制限があった。
コラボTシャツもアクリルスタンドより勢いは控えめだったものの、全サイズ売り切れてしまっていた。
言ってしまえば欲しかったのに入手できなかったPがいた、ということだ。

そんなコラボグッズは今回の再販では最終日まで売り切れることは無かった。
また、購入制限は1種類につき1つまでと、計3種を1つずつ手に入れられるようになっていた。
需要に対して供給が行き渡ったように感じる。
さらには、相模原市のふるさと納税の返礼品に相模原ミリオンコラボグッズが付くことが決定したという発表があった。
期間中に赴くことができなかったPも、ふるさと納税によって入手が可能となった。
相模原市はココロがかえる場所なので、ふるさとです。
これらのように、かつてコラボグッズを購入できなかったPたちを手放していなかった、と感じる。

相模原市民の方々 をも手放さない

続いて私が手放さなかったと感じたのは「市民の方々」だった。
(*この章は特に推測の面が強くなりますので、その点ご了承ください)
仮に相模原ミリオンコラボグッズの再販だけをおこなったとしよう。
シビアなことを言うが、市民の方々に直接的なメリットはない。
だからこそ「サンキュー相模原」だったのだと思う。
大抽選会があり、相模原スイーツが集まり、さがみんグッズの販売があったことで、市民の方々が受ける恩恵はあったように感じる。
実際、私が訪れた際には相模原ミリオンコラボとは関係なく来ているであろう方々や、小さなお子さま連れのご家族をたくさん見た。

特に相模原スイーツが一箇所に集まったことは、大きかったように感じている。
(この点については実際に市民の方々のお声を聞いてみたいところである)
相模原市は地理的に広い。
コラボ当時にスポットや相模原スイーツコラボ店舗を、文字通り歩き回ったからこそ明確に分かる。
市民の方々でさえ、気軽に買いに行くことができない店舗があるのではないだろうか。
各地に点在する相模原スイーツが橋本駅に行けば集まることで、普段買いに行くことが厳しいスイーツを購入できた方がいるはずだ、と感じた。

手放さなかったのは市の未来?

そして、移住・定住コーナー。
表現が難しいが「市そのもの」を手放さなかったのではないだろうか。
大抽選会がスタンプラリー形式だった理由の半分程度がこの移住・定住コーナーのためだったのではないか、と私は勝手に考えている。
通常であればあまり訪れないだろうコーナーを回ってもらうためだと考えると納得がいく。

その移住・定住コーナーは専門の方に真剣に相談する場がある傍ら、相模原市の良い所、好きなところを付箋に書いて貼る場があった。
外からの移住を呼び込むことが重要であると同時に、流出を防ぐことも同じだけ重要である。
流出を防ぐためには、自分が住んでいる市の魅力を改めて理解し、ここに住み続けたいと思ってもらうことが必要だ。
ただ、長く住んでいる人ほど魅力より嫌なところが目についてしまうものだ。
移住・定住コーナーで自分が感じる相模原市の良い点を書き出したり、他の人が良いと感じる部分を見たりすることで、相模原市の魅力を改めて感じてもらうことが出来たのではないかと感じる。

移住者を呼び込むだけでなく、市民の定住を促すという2点を1つのコーナーで同時に達成しており、また自然にコーナーへ誘導するためのアイディアが非常に秀逸だった。
移住・定住コーナーがあることを見た当初は正直困惑したが、市内外問わず多くの人が集まる場でこのコーナーを設け、コーナーを訪れてもらうための施策を見るに、この感謝祭に場を設けたことがこれ以上ないほどの正解だったと感じた。
市の未来を手放さなかった、と言って良いのではないだろうか。

サンキュー相模原会場からの導線

続いて導線について。
アニメ アイドルマスター ミリオンライブ!(以降 ミリアニ とする)の劇場先行上映(※)と迷路カード頒布の面から語る。
※10月8日(日)東京テレビ系列 朝10時から放送されるアニメ アイドルマスター ミリオンライブ!が全3章に分けて全国の一部劇場で先行上映された。
サンキュー相模原の開催中に第1章の公開が始まった。

すぐ近くにあるミリアニ上映劇場

まずはミリアニ上映から。
神奈川県で対象の劇場は複数あったが、サンキュー相模原の会場である橋本駅のすぐ近く、MOVIX橋本で公開されていた。
相模原ミリオンコラボで訪れたPがそのまま近くの劇場に向かうことが出来る(MOVIX橋本→サンキュー相模原のルートを辿ったPもいたようだ)という導線が見事だった。
発想段階でどこまで決まっていたのかは分からないが、ミリアニの公開を見据えてこの時期の開催だとしたら上手すぎる。

迷路シート・カード配布で来訪後の導線を描く

続いて迷路シート・カードの配布。
こちらもサンキュー相模原とタイミングを合わせて実施していた。
私が以前に公開した記事でも書いたのだが、来てもらうことをゴールとしない相模原市の姿勢はシティープロモーションのお手本である。
たくさんの人が来ることが予想されるサンキュー相模原で配布することで、その後に市内を回って知ってもらおうという意思が伝わってくる。
この配布1つで十分にイベントとして告知できそうなものであるが、敢えて同時に実施することで導線をより自然に整備していた。

敢えて同時に開催したことの意図は下記の相模原市シティープロモーション公式noteを読んでいただきたい。
本当に相模原市のシティープロモーションはお手本のような完成度を誇っている、と誰目線かも分からない感想が浮かぶ。

まとめ感想

サンキュー相模原では相模原ミリオンコラボの展開でPを呼び込むとともに、市民の方々にも嬉しいような、まさしく「感謝祭」と呼ぶべき内容であった。
また、定住・移住ブースを設置することにより市民の方々にも、そうではない方々にも相模原市の魅力を(再)認識してもらったり、ミリアニ上映劇場の設置や迷路カードの配布を行ったり、というシティープロモーションの巧妙さもうかがえる点があり、本当にすべてを手放さない市運営の本気が感じられた。
相模原市の魅力が改めて多くの人へ伝わったのだろうと思うし、この記事を書いている私も市民ではないながらも改めて素晴らしさを認識した。
記事の文字量や勢いからそれが伝わって欲しいところだ。

この記事や前回の記事内で繰り返し書くほどに相模原市のシティープロモーション力は目を見張るものがある。
前回の相模原ミリオンコラボではPに向けた様々な施策が目に留まっていたが、今回はPにも強い視線を向けつつも、市民の方々や市そのものに向けた施策が同じくらい強く向いていることが感じられた。
私はこれほど暖かい市を見たことがない。
そんな相模原市がこれからも発展していくことを願っている。

ありがサンキュー相模原!
2023年10月8日(日)テレビ東京系列 朝10時から放送が開始するミリアニもよろしくお願いします!!!


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