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相模原ミリオンコラボに感激した話 〜感想と共に「コラボ」のあり方を考える〜

※何の学術的見解も持たない、あくまで素人一般人の感想記事であることを留意いただいたうえ、お読みください。
また、本記事は #相模原ミリオンコラボ でTwitterへ投稿した感想を一部ブラッシュアップした内容になり、Twitterの投稿内容と大きな差異はございません。
大学の経済学部の教授様が執筆され、コラボ担当者様のインタビューも掲載されているYahoo!ニュース記事がありますので、しっかりとした記事を読みたい方は下記リンク先をご覧ください。


相模原ミリオンコラボとは

神奈川県相模原市と、アイドルマスター ミリオンライブ!(以下ミリオン)とのコラボ企画である。
なお、相模原市はミリオンのいわゆる「聖地」になっていることもなく、言ってしまえば無関係な市であった。
この記事を読んでいる諸兄にはご存知の方が大半だと思うが、ミリオンについて詳しく知らない方は、下記URLで作品の詳細やアイドルたちを見ていただきたい。

このコラボは第1弾、第2弾と2つのフェーズに分かれていた。
まず、第1弾では2022年12月22日から2023年1月4日には「空と宇宙」というテーマをもとに、相模原市内のスポットとミリオンのユニットの組み合わせをTwitterで募集していた。

第2弾では2023年2月23日から3月12日にかけて、第1弾の募集の結果選ばれたアイドル達と相模原市の各スポットを写したコラボカード・コースターの配布、コラボグッズの販売、コラボカードを使用したTwitter投稿キャンペーンを実施していた。
なお、本記事で紹介する内容はこの第2弾のコラボについてである。

相模原ミリオンコラボの詳細については、下記の相模原市公式HPを参照いただきたい。


簡単な自己紹介

私は相模原市民でもなければ、神奈川県民でもない。
コラボ参加前は正直なところ、相模原市の名前は知っていても何県にあるのかも知らなかった。

ミリオンのプロデューサー(※)を始めたのは2022年10月だが、本格的にミリオンのソーシャルゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(通称ミリシタ)」を始めたのは同年12月末だった。
(※アイドルマスター シリーズでは私たちユーザーを「プロデューサー(以下「P」)と呼称する)
そのため、第1弾には参加できていない。

相模原ミリオンコラボに参加するキッカケとなったのは、楽曲「リフレインキス」と出会ったことにある。
この曲に自分でも驚くほどハマり、その際にこの楽曲を歌っているユニット「スコーピオ」が相模原ミリオンコラボ第1弾の結果、選ばれたことを知った。
それを知った私は第2弾に相模原市へ遠征することを決めた。
ちなみに、ミリオンPとして最初の活動がこの相模原ミリオンコラボである。
↓ 動画:「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ゲーム内楽曲『リフレインキス』MV

相模原ミリオンコラボに感激したこと

今回のコラボは、まさしく「相模原市」と「アイドルマスターミリオンライブ!」のコラボであった。 
市と担当者の熱意が生み出したコラボの成功事例として今後各所で紹介されてほしい、と思っている。

前段 「コラボ」の意味合いとは

あの作品が○○市とコラボ と聞いて、どのようなものが浮かぶだろうか。
私がパッと浮かぶのは「ごく限られた一部店舗で描き下ろしコラボグッズを販売!パネルも展示します」のようなものだ。
上記のケースにおいて、コラボ先の市のことを詳しく知ることは、あまり無いように感じる。
なぜならば、ファンの目的はそのコラボグッズを買うことだからだ。それ以上のことがない。
自発的にコラボ先の市について調べ、色々な場所を巡ってみようと思うファンはどの程度いるだろうか。
果たしてそれは正しく市とのコラボと言えるのか、疑念を抱かないでもない。

それに対して、相模原ミリオンコラボはグッズを買うために来てもらうことをゴールとしていなかった。
相模原市の観光スポット、名産品、魅力を知ってもらい、また来たいと思わせることをゴールにしていたのだと強く感じた。

コラボカードの配布と活用

相模原市内のスポットとアイドルを写したコラボカードは、配布店舗で商品を500円購入するごとに1枚受け取ることができた。
(カードは全9枚で、4500円以上購入した場合には重複なしで揃うようになっていた)
まず最初に良かったと感じた点は、「購入する商品は何でも良い」ということだった。
一般的にある「コラボ」ではコラボ商品を一定金額以上の購入で配布、というものが多いだろう。
今回のコラボにもコラボ限定商品としてアクリルスタンド、Tシャツがあったが、それらを購入しなくてもコラボカードがもらえた。
Pは気になった名産品やお土産を買うことでコラボカードがもらえる。
市はコラボグッズだけでなく、自市の商品を買ってもらえる。双方に損がない。

また、このコラボカードの賞賛すべき点は「裏面にそのスポットの紹介が詳細に書かれている」ことだ。
そのスポットがどこにあり、どんな特徴があって、何が魅力なのかが紹介されていた。
相模原市のスポットを詳しく知ってもらおうという意思が感じられる。
さらに、驚いたことにこのコラボカードは、ペラペラした折れやすい紙ではなく、とてもしっかりした厚紙が使われている。
こればかりは文字で表現しづらいことが残念であるが、わざと折ろうとしなければ折れないような厚紙である。ラミネートされた紙、と言えばよいだろうか。

さらに、そのコラボカードは貰って終わりではない。
カードに書かれたスポットを訪れ、風景と一緒にカードを写真に収め、Twitterにハッシュタグをつけて投稿すると、抽選に応募できる というキャンペーンも開催されていた。
Pは実際に観光スポットを訪れ、カードに書かれた説明を読みながら、そのスポットをより詳しく知ることができる。
カードを配って終わりとしない姿勢に感服した。
Pも参加して一緒にコラボを盛り上げようとする姿が見られて、とても良かった。


コラボコースターの配布

配布はコラボカードだけでなく、コラボコースターもあった。
こちらは対象店舗で対象の「さがみはらスイーツ」を購入することで貰うことができた。
コースター配布の対象店舗では、コラボ商品の販売は何もなく、今回のコラボのために新しく作られた商品もなかった。
だが、それがとても良いと感じた。
改めて、このコラボの本質はPに相模原市のことを知ってもらうことにあると感じていた。
だからこそ、コラボのためだけの商品など必要ない。
オススメのさがみはらスイーツを食べて、知ってもらうことを目的とした、とても良い施策だと感じた。

また、○○円以上購入という金額の縛りがないことにも驚いた。
対象のさがみはらスイーツを1点購入するだけでコースターを貰うことが出来た。
買ってもらう以上に、知ってもらうことに重きを置いた考えに舌を巻いた。

公式によるTwitterの活用

相模原市シティープロモーション課のTwitter担当者(いわゆる「中の人」)が良い意味で行政らしからぬ勢いでTwitter公式アカウントを最大限活用していた点も素晴らしかった。
まず驚くべきは、コラボグッズ・配布品の売り切れ情報アナウンスの統率だった。
現地に行って初めて売り切れを知る、他の参加者のTwitterで売り切れが共有される、その店舗が独自にアカウントを持っていればそこでアナウンスする、という例は珍しくないだろう。
しかし、相模原市は市の公式アカウントで全店舗の販売情報をほぼリアルタイムでアナウンスしていた。
さらには一目で売切情報が分かる表を定期的に更新しており、非常に分かりやすかった。

また、コラボアクリルスタンドが人気で再販があったのだが、その際の案内が非常に親切だった。
まず、○時より前には並ばないでほしい、この地点を目印に待機列を形成してほしい という事前アナウンスがあった。
意外にこうしたアナウンスは無いことが多い。
さらに最寄り駅から販売所への写真付きの案内があった。
事前に絵での案内説明があり、その時点でとても親切だと感じていたのだが、写真付きでも案内を出しており、非常に分かりやすかった。

さらに、再販にあたり、待機列で「とあるカード」が配られた。
アクリルスタンドは3種類あったが、1会計1種類のみ且つ1個限定の制限を設けて販売された。
待っている人がどのアクリルスタンドを購入するかをカウントできるように、そして喜んでもらえるようにと下のようなカードが配られたのだ。
(なお、このカードは会計時に回収されている)
このカードの裏面には会計時の注意や、一度アクリルスタンドのみで会計をするが、その後に別途購入した商品と合算した金額でコラボカードをもらえる旨が記載されていた。
この気遣いが非常に嬉しかった。


「中の人」による熱意と歩み寄り

驚くべきは中の人のミリオンライブ!を知ろうという姿勢である。
ミリオンのことを知らないから教えてほしいとPに発信したり、コラボしているユニット以外の曲も聴いたり、担当者自ら知ろうとしてくれた。
その結果、スイーツ担当者の「『プラリネ』(※1)というお菓子がPに人気の理由を店長に教えられた」というツイートや「【売切情報】うどん」(※2)というツイートを生んだ。
これらのツイートはミリオンのことを知らなければ到底できるものではない。
※1:ミリオンライブ!のアイドルであるジュリアのソロ曲に「プラリネ」という名前の曲がある。
※2:ミリオンライブ!のアイドルである最上静香の好物がうどん。コラボ商品として売り出していたわけではない。

更にはPから提案のあった名刺(※3)ボードや交流ノートを置くなど、こちら側の文化・需要に急遽対応してくれた。
良い意味で行政らしからぬスピード感、柔軟な対応に非常に驚いた。
※3:アイドルマスターシリーズにはPが自身の紹介のために名刺を作成するという文化がある。

ここまでコラボ先のコンテンツに歩み寄ってくれる前例は過去あっただろうか。
極端な話、作品のことを詳しく知らなかったとしても、コラボを進めること自体はできただろう。
時間をかけて作品のことを知ったり、上で例を出したように参加者に沿った対応をしたりすることは、言ってしまえば「お金にならない」ことだ。
にもかかわらず、ここまで熱意を持って進めてくれた。
自分たちのことを知ってもらうためには、まず相手のことを知る。
この姿勢が本当に素晴らしかった。

GoogleMapの活用

様々なスポットを訪れるにあたって非常に助かったのは、GoogleMapのコラボ用マイマップである。
紙の地図による案内配布と比較して大きな差は、現在地との位置関係が分かりやすいことだ。
自分の位置がリアルタイムで表示されるため、現在地から近いコラボ地点はどこか、どういうルートで周ると良さそうかが一目で分かった。
私は方向音痴だが、このマップのおかげで経路検索に困ることがなかった。

マイマップでコラボカードの場所(太陽、月、星)、コラボコースター配布店(ケーキのマーク)、
コラボグッズ販売店(カバンのマーク)が設定されている。

また、マイマップはコラボ終了後にも残っている点も利点の一つだ。
私は残念ながらコラボ実施期間に訪れた際、すべてのスポットを回りきることができなかったため、期間終了後である現在、再訪の計画を立てている。
今もなおこのマップを使用することができ、現在周り方の計画を立てている最中だが非常に助かっている。

まとめ

今回のコラボを振り返り、よくある「コラボ」とは視点の高さが段違いだと感じた。
冒頭でも触れた通り、コラボのゴールとして「来てもらうこと」ではなく、「知ってもらうこと・発信してもらうこと」「また来たいと思ってもらうこと」が設定されていた、と強く感じている。

コラボ以前の私は相模原市が何県にあるのかも知らなかった。
しかし今では、市の魅力をアピールするための施策の数々により、観光名所として何があるか、相模原市がどのような市なのか、どのような食べ物が有名なのかを把握することが出来ている。

中の人の熱意に感銘を受けたこともあり、コラボを経て相模原市のことが好きになった。
コラボ終了後も相模原市のTwitterをフォローし続け、相模原市の情報を収集している。
自分が住んでいる市よりもイベント情報などを詳しく知っているのではないかと思うほどだ。
まだ1回しか訪れたことしかないにも関わらず、第二の故郷だとまで思っている。
それほどまでにコラボで相模原市を詳しく知ることが出来た。
ただコラボグッズを買いに行っただけだとしたら、ここまでの感想も感動もなかっただろう。

相模原ミリオンコラボに参加したPの1人であることを非常に嬉しく思っている。
このコラボの素晴らしさは語り継がれるべきであり、自治体コラボの教科書となるべきだと、素人ながらに感じる、最高の盛り上がりを見せたコラボだと考えている。

おわりに

ここまで偉そうな口調で長文を書いてきたが、その全てに感動と感謝しかない。
このような長文の感想を書くことは今回が初めてである。
それほどまでに素晴らしいコラボであったことが少しでも伝わっていただけたのならば嬉しい。

最後に、コラボ終了後に市が募集したアンケートの統計結果が公開されている。(下記リンク先参照)
市が公式に出した統計データとなるため、参照いただきたい。

これからの相模原市の発展を願うと共に、次はいつ・どこを訪れようかを考えながら〆させていただく。
#相模原ミリオンコラボ 本当に…ありがサンキュー!


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