相模原市のシティープロモーションを語りたい

※何の学術的見解も持たない、あくまで素人一般人の感想記事であることを留意いただいたうえ、お読みください。


なぜ相模原市なのか&自己紹介

まず自己紹介をすると、私は相模原市民ではない只の一般会社員である。
ほんの一年前までは、サッカーJ3チーム「SC相模原」で「相模原」という名前は聞いたことあるけれど何県かは知らない という状態だった。
そんな私が相模原市を知り、この記事を書くキッカケになった出来事が #相模原ミリオンコラボ である。
同市がアイドルマスター ミリオンライブ!とコラボし、その際にプロモーション力に感動して記事を書いた。

この件をキッカケにコラボ終了後もシティープロモーションの施策を見ているのだが、相模原ミリオンコラボで感じたビジョン・目的の明瞭さや事業の「ゴール」設定が顕在である点が好きで、この記事を書いている。
その好きな点の詳細をこの後の章で述べていく。

余談だが、私は大学時代に地域振興に関する分野を学んでいた。
昔は栄えていた商店街の店舗のオーナー様にインタビューしたり、シティープロモーションの難しさを聞いたりしていた。
そのため、相模原ミリオンコラボのプロモーション力に感銘を受けていた。
ただ卒業からもう年月が経っているため、今や学術的な視点などは持っていない素人である。
なお先に紹介した相模原ミリオンコラボの感想記事は、「私が大学生だったらこの事例でレポートを仕上げているだろう」という想いから執筆したものである。
だがレポートや論文というものは明確な結果や根拠をもとに学術的に推論を導くものであるため、やはり私の記事はあくまで「感想記事」にすぎないのだ。

相模原市のシティープロモーションのここが好き

①知ってもらうための施策

シティープロモーションのゴールとは何だろうか。
例えば何かのコラボやイベントを実施することで県内外から人を一時的に集められたら成功だろうか。
相模原市は来てもらうことをゴールとせず、知ってもらうための施策を打っていると思う。
特産品や場所など市を好きになってもらうこと、次もまた来たいと思わせることを目的としていると感じる。
実際に下記の記事でも「やって終わりにしないこと」が語られており、長期的な視点で捉えていることが分かる。

相模原ミリオンコラボではコラボグッズではない商品を購入してもコラボカードがもらえたり、相模原感謝祭では来場者に市の好きなポイントを書いてもらって公開したりと、様々な人に市の魅力を知ってもらうための施策がおこなわれていた。
来てもらうことをゴールとせず、知ってもらう・好きになってもらうことを目指した施策が相模原市のシティープロモーションの魅力の一つだと感じている。

②発信してもらうための施策

続いて発信について。
魅力を知ってもらえれば終わりとせず、参加者に自ら発信してもらうためのキャンペーンを実施している。
相模原ミリオンライブではコラボカードと実際の場所を収めた写真をハッシュタグをつけて投稿することで抽選に参加出来たり、直近の #相模原CP でもSNS投稿キャンペーンがあった。
またその相模原CPではキットの中にステッカーが3枚入っているのだが、うち2枚は知人に配布する用として封入されていた。

さがみんを大きくデザインしたこちらのステッカー。実は、お渡しする「あなた」が使うことをメインに想定したものではありません。「あなた」の身近な方やご友人に、「あなた」の「さがみはらチアリングパートナー」の活動のひとつとして相模原の魅力を広めていただきたくて作ったものになります。なので、2人用ということで、これだけは2枚入れています。

作ることが目的じゃない。出口を見据えたデザイン設計とは。|相模原市シティプロモーション (note.jp)

SNSキャンペーン以外にも施策を設けて、多くの人が知るきっかけとなる発信を促している施策が魅力の一つである。


③導線の作り方が非常にキレイ

物理的な導線とWebへの導線、両観点から非常に優れていると感じる。
まず物理的な導線について、相模原感謝祭における立地と迷路カードの配布が最たる例だと思っている。
感謝祭では橋本駅にブースを設けて相模原ミリオンコラボのグッズ再販などがあった。
当時ミリオンライブ!のアニメを全国の劇場で先行上映を行っていたのだが、橋本駅はその上映劇場がすぐ近くにあった。
また迷路カードの配布も、この感謝祭と敢えて同時期に実施していたことが明言されている。
物理的に参加者を次のステップへ、どう導くかが非常に考えられていると感じる。

例えば、相模原夏の大感謝祭が終わって落ち着いたタイミングで告知、配布開始というスケジュール感で企画を進行することもできます。
そのほうが途切れなくにぎわうという考え方もあると思います。
しかし今回、相模原夏の大感謝祭に迷路カード配布開始をぶつけました。
(中略)
色んな方が興味を持ちうるきっかけを色んなタイミングに置いておくこと、これが私たちにできることなのかなと考えています。

「時宜を得る」とは何か。自治体が複数のコラボ企画を同時に進行する意図と想いを今綴りたい。|相模原市シティプロモーション (note.jp)

もう1つのWeb上への導線について、もっと知るための導線と言っても良いかもしれない。
例えば相模原ミリオンコラボのコラボカード裏面には場所の説明と、QRコードが付いており、サイトへの導線が敷かれていた。
他にも相模原CPのキットにも、それぞれの用途や相模原CPに関する説明と共にQRコードが印刷されている等、知りたいと思った人がすぐWebサイトへ飛んで知ることができるような導線が整備されている。

証(あかし)カード、カード型ステッカーには、それぞれが何であるかの説明を記載。

専用ケースにセットしていますが、いずれはカード、ステッカーをバラバラに保存したり使用することになったりすると思います。そのときに、「これなんだったんだっけ」とならないよう記載しました

作ることが目的じゃない。出口を見据えたデザイン設計とは。|相模原市シティプロモーション (note.jp)

実際に参加者が移動するための導線、Webの導線が共に整備されていることによって、「知る」ためのルートが非常にキレイであることが魅力の一つであると感じている。

まとめ

これは根拠のない私の偏見であるが、気付かれずに終わってしまう市やイベント等で人が来ても短期間の一時的なもので終ってしまう市が多いように思っている。
そんな中、知って好きになってもらうという明確なビジョンとそれを達成するための施策を打ち出し、参加者と一緒に盛り上げるキャンペーンを行っている相模原市は、さながらシティープロモーションのお手本だと感じている。

以前の相模原ミリオンコラボの感想記事を投稿した時は引用や、いわゆる空リプで「こうした意図をくみ取って文章化できて凄い」と褒めていただけたことがあった。
それ自体はもちろん嬉しいことであるのだが、一点言わせていただくとしたら、すごいのは私ではなく、それを感じられるほど強い目的意識をもって施策を打ち出した相模原市のプロモーション力である。

私が知るキッカケとなった相模原ミリオンコラボ自体はひと段落しているが、虹色の光がつないでくれた素敵な縁に切れ目など無い。
これから先の動向も楽しく見守り、そして参加して一緒に盛り上げていけたら嬉しい。

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