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イヤホンにちょっと詳しいつもりなアイマスPによるU149コラボのイヤホンのお話 前編


ポータブルオーディオを少し嗜むアイマスPが2023年10月28日(土)に発売されたイヤホン『MA910SR TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」Edition』についてちょっと語りたいと思います。
この前編ではまだ買うのを悩んでいるプロデューサー向けに書いていきます


経緯や解説を飛ばしてレビューだけ見たい方は目次からどうぞ。




※再生産(2024年1月発送分)が既存9モデルの最終ロットということ大慌てで書いてますので至らない点はご了承ください。

※この記事は2024年2月5日現在の情報です

そもそもこのコラボってもの、なに? ~コラボの概要


”アイマス”シリーズの中でソーシャルゲームから始まったアイドルマスターシンデレラガールズ
190人以上いるアイドルの中でも身長149cm以下の小学生アイドル達を主役とした漫画が原作のアニメが”アイドルマスター シンデレラガールズ U149”です


群馬県高崎市に本社を置くオーツェイド株式会社、その製品のうち株式会社アユートが代理店を務めるブランドである”Maestraudio”のイヤホンMA910SRとのコラボが今回のモデルです

そう、ちゃんと国内メーカー品です
オーツェイドは別にintimeというブランドを以前から展開していてイヤホン業界では割と昔から知られているメーカーだったりします
https://intime-acoustic.jp/



また同時に同じくアユートが代理店のAstell&KernからDAP(デジタルオーディオプレイヤー)のSR35 TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」Editionも発表されました
こっちも普通におススメなんですが買ってないので誰か他に書いてくれ



最初は7月に秋葉原で開催されたポータブルオーディオイベント”ポタフェス”に広告が出たのが始まりでした


大通り沿いで目立つのでポタフェスを知らなくても足を止めて写真を撮るプロデューサーの姿も


アユートは過去にも色々なコラボモデルを出している代理店としてオーディオオタク達からは有名だったためこの時点でキービジュアルと広告についていたメーカー表示から「ついにアイマスコラボか…この見た目はSR35とMA910?」とそれほど驚きもなく発表を待って…待っ……………………………いや発表されないんかい!

…とそれから2か月ほど経ちそろそろ存在を忘れかけていた9月9日、愛知の端っこで開催されたTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out Live!!! DAY1の業務連絡(アイマスライブにおける新情報発表)で無事に発表されました。



このイヤホンってもの、なに? ~MA910SR U149 Editionについて


元ネタのMaestraudio MA910SR の発売は2023年6月と比較的最近のイヤホンです

ロゴとカラー以外の見た目はほぼ一緒


コラボでありがちな型落ち品の在庫処分代わりとかでは無いのでそこは安心してください
MA910S(最初のベースモデル)、MA910SB(接続を4.4㎜バランスプラグに変更したモデル)と続いたシリーズの末っ子でリケーブル(ケーブルを分離して交換できる機構)に対応したIEM(インイヤーモニター、所謂”イヤモニ”)型のイヤホンになります
スペック的にはダイナミックドライバー×1にオーツェイド独特の機構であるRST(パッシブ型ツイーター)×1のハイブリッド型です

特殊なドライバー構成なので残念ながらのあさんの言うダンスナンバーと相性がいい一般的なハイブリッド型(BA+DD型)とは違う



今回のコラボモデルはただ色を塗り替えてロゴをドン!だけではなくベースモデルから音のチューニングが歌もの向けに変えています


通常モデルのMA910SRと異なる本コラボモデル独自の変更点として、U149の楽曲に合わせてボーカルの音像が捉えやすいサウンドチューニングを施しました。

https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_4756.php

そしてなにより仕様の変更として本体とケーブルをつなぐコネクタの変更があります

本コラボモデル独自の変更点として、汎用性が高い「MMCX」コネクターの着脱式リケーブルを採用しています。通常モデルのMA910SRで採用しているPentaconn earコネクターと異なり、市販のケーブルとの互換性が高く、ケーブルを交換する際の楽しみ方を広げやすいようにしています。

https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_4756.php
上がコラボモデル、よく見ると丸い金属のコネクタパーツが違う


ベースモデルのPentaconn earコネクターはオーディオ用に最近出てきた規格で堅牢性、音質などほぼ全てにおいてMMCXの上位互換でありマニア的な評価こそ高いですが、何よりお値段まで上位互換なため採用例が少なく、現状ごく一部のメーカーが高価格帯のイヤホンに採用しているくらいで、あまり普及しているとは言い難い規格です

一方MMCXは大手音響機器メーカーであるSHUREのステージモニターを始めとした多くのイヤホンに採用されている汎用規格で数多くのサードパーティケーブルや無線ユニットが販売されています
筆者の収納ケースにはどのイヤホンの附属品か分からなかったり、投げ売り品をなんとなく買って眠らせたままのMMCXケーブルが何本か転がってます、そのくらいは普及した規格です

紫がMMCX、黒がPentaconn ear 同じように見えるが互換性は全く無い


このコネクタ変更の結果、肝心のお値段が版権料が載るはずのコラボモデルにも関わらず元ネタ(発売時¥19,800)よりお安い価格(¥14,900)となりました…バグか?(いいえ お小遣い制です)

というか色々と理由を書いてありますけど値段を”149”に合わせたいが為にわざわざ仕様変更してません???(そしてどんだけコスト掛かかってたんだPentaconn ear)

(…そういうで語呂遊びが好きな代理店なのは過去の例から重々承知してたので市場価格が13万円台のSR35を14万9千円に合わせてくるのは予想してたけどまさかイヤホンのコネクタ変えて値段下げてまで合わせるとは思わなんだ)


バリエーションとしては最初は橘ありす、櫻井桃華、赤城みりあ、的場梨沙、結城晴、佐々木千枝、龍崎薫、市原仁奈、古賀小春の9モデルが2023年10月28日に発売され、のちに佐城雪美、遊佐こずえの2モデルが発表、2024年1月27日に発売されました。
先行組と合わせれば計11モデル、それぞれカラーとロゴマークが違う仕様での製品化です…改めて書くとこの価格のイヤホンにしては異様に種類が多い展開になっていて代理店の気合の入れ具合が分かります(でもあと2人いますよね?)

追加の二人分もちゃんとキービジュアルに反映されている、偉い



イヤホンが出す音、ってなに?~レビュー


さて、ここからはイヤホンのレビューになります


〜デザイン、付属品について


開封時の写真を撮り損ねたのでパッケージなんかは公式や他のレビューをご覧ください、すまんな

箱の表にはそれぞれのキャラクターロゴ、側面には立ち絵
代理店の人曰く在庫は側面が見えるように保管されてるらしくずらっと並ぶアイドルの立ち絵はなかなか壮観だとか
外箱を開けると中の箱にはキービジュアルの橘ありすさんがドン!…最初開けた時に間違えてありすモデルが届いたのかとびっくりしました

附属品はの内容は元ネタと変わっておらずポーチとケーブルクリップ、一般的なシリコンタイプのイヤーピースが4サイズとこの価格としては標準的です
ポーチとクッリプがロゴ入りなのはコラボモデルらしさですね

結城晴モデルは明るい水色、ポーチの色は残念ながら共通なよう

イヤホン本体は元モデルと同じくアルミのハート型フェイスプレート、右側にキャラクター、左側にU149のロゴが白く印刷されています
シェルは透明な樹脂製で中のドライバーや配線が良く見えます

透明度が高いのも〇、クリアシェルはいいぞ

シェルは3種類でCo,Cu,Paの属性カラーなんだとか




~装着感や遮音性、使い勝手について


このイヤホンはイヤモニタイプなのでケーブルを耳の上から裏に通して装着します
こうすることによってイヤホンが引っ張られてずれるのを防いだりケーブルのこすれる音を減らせます


このタイプにしては小さめの本体&長いノズルのおかげでフィット感はなかなか良好、耳が小さくて着けられないってことも無さそうですね

遮音性は普通~少し良いくらい
大きいイヤホンのように本体で耳全体に蓋をするように装着する機種ほどではありませんが合うイヤーピースさえ見つければ走行中の電車の中でも十分に使えます
アルミのフェイスプレートが効いているのか本体からの音漏れもほぼ無く優秀です(ノズル先端を指で塞いで普段の1.5倍の音量で確認)

付属ケーブルはマイクやコントローラーは無し、よくあるつるっとしたゴム被膜のものです
太すぎず細すぎず固くもなく、特に言うことは無い普通のケーブルですね
耳掛け部分はワイヤー無しで癖が付けてあり耳から下に垂らす普通の掛け方は出来ません
プラグは細身のL字でケースに入れたスマホ(Xperia)のイヤホンジャックにも問題なくそのまま刺せました

この価格、特に謎中華メーカーにありがちな見た目だけ派手なわりに大して音も取り回しも良くない太いケーブルだったり、あっても使わないし音質を劣化させる原因にもなるマイクが無駄についているケーブルで無いのは評価できます



~音の傾向などの感想について


前提としてイヤホンなどオーディオ機器の感想は個人の好みや環境、よく聴く楽曲で大きく差があることを承知の上お読みください
…でもこれ読んでるってことは十中八九プロデューサーだよね
なんでレビューも全部アイマス楽曲で、いっくよー!!

環境は以下の通りです

DAP:lotoo PAW6000  
ケーブル:アンバランス 付属ケーブル
    :バランス kinera ACE 2.0 4.4㎜接続  

※こちらはある程度”仕上がった”環境です
接続先の環境による音質の差については後編で


音源はDL販売しているハイレゾかロスレスWAVファイルです
また購入から少なくとも100時間以上鳴らしています


大まかな音の傾向としては謳い文句通りの女性ボーカル重視です
標準ケーブルのアンバランス接続ではボーカルが前面に、ケーブルを変えてバランス接続にするとそのボーカル周りの空間に余裕が出来てメインとコーラスの分離が良くなります

特に中域の解像度は高く"Shine In The Sky☆"では頭の歌いだしの掛け合いでは誰が歌っているか分かりますね
サビの部分はさすがに大人数で歌うキャラクターの声をそれぞれ全部追えるほどの超高解像度!というわけには行きませんが値段を考えれば十分な分離感でしょう


ソロ曲や3人くらいのユニット曲はそのボーカルの距離感を十分に発揮できている感じです

"さよならアンドロメダ"では環境によってサビの入りの無音→イノタクの音数でボーカルが圧倒されてしまうことがあるのですがこのイヤホンだと上手いこと潰れずに聴こえます


"あらかねの器"のような椎名曲では特にバランス接続するとその効果がでます、空間の広さとみのりんごのVoお化けっぷりが際立ちます


低域は決して強くはありませんがキックやベースラインを聴きとるには必要十分で他の帯域を邪魔しないくらい量です

バベル(M@STER VERSION)ではライブのような震える低音とはいきませんがしっかりと低いところまで聴こえます
もちろんボーカルが左右に振れる部分や絡み合うところ、「私が開けてあげる」の部分もちゃんと距離の違いが出ます


Needle Light(M@STER VERSION)では特徴的なAJURIKAキックもバシバシ飛んできます
ただ人によっては少しボーカルの主張が強すぎると感じるかもしれません(仙人の曲を聴くにはT3-01という"正解"があるので仕方ないのですが)



シンデレラを離れてsideMで男性ボーカルを試してみます
チューニングの方向から外れているだろうかと思いきやこれが予想以上にしっくりときます
ドアラやビヨドリのような全体曲では流石にボーカルが渋滞してきますがユニット曲は男性ボーカルでもいい塩梅です…もふもふえんや咲ちゃんをこれで一纏めにしていいのかは別にして

(特にオモイノウタはこのくらいの良いイヤホンで聴いてほしい)



まとめると
・ボーカル重視、女性ボーカルだけ男性ボーカルも結構いける
・大人数な全体曲よりソロ、少人数ユニットで本領発揮
・低域は控えめだが輪郭ははっきりしていて必要十分
・バランス接続で結構変わる、特に空間が広い曲には有効


もちろん↑の話は”この値段のイヤホンにしては”という評価です
予算を上げて探せばこれよりいい音を出すものはいくらでもあります

ただ今回のU149イヤホンは

・コラボ品だが同価格帯の他のイヤホンと比べて十分に選択肢に入る
・音の好みによっては上の価格のイヤホンよりこれの方が好きな人もいるかも

という意味で
コラボ抜きにこの価格帯でアニソン全般を聴きたいなら普通におすすめイヤホン候補にあがります


…というか実際アイマス何も知らんけど買ったイヤホンオタクの報告はいくつか観測してるくらいにはいい出来です


これを買うところ、ってなに?


…そろそろタイトルネタがきつくなってきたな

このイヤホンはみんな大好きアソビストア!…では扱わずに一般の流通に乗ってます
どこで買えばいいのか分からん!というプロデューサーのためにいくつか紹介しておきます

追記:代理店より初期の9モデルは2024年1月出荷分で最終生産とアナウンスがありました
以降は流通在庫のみになると思われるので担当プロデューサーは買い逃しが無いようにご注意を


・アキハバラe市場

代理店であるアユートの直販サイトです
一見、定価に見えますが10%オフクーポンがあるので後述する専門店と同じ¥13410になります
これを書いている時点(1月)で最終ロットの再販分は全モデル在庫があります


・e☆イヤホン

秋葉原、大阪、名古屋、仙台に店舗を構えるイヤホン専門店です
価格は最初から10%オフ、これを書いている時点(1月中旬)でwebではありすと桃華モデルが在庫切れ、晴と小春モデルは販売ページごと消えています

各店舗に全モデルの試聴機を展示しているので実物を確認できます
店頭在庫は店によってまちまちなようですがweb注文して店頭受け取りもできます

SR35もショーケースには入っておらず自由に聴くことができる
最初は小春ちゃんモデルを売り切ってしまって展示が遅れたらしい

またeイヤホンではeSiqというガラスコーティングをやっており
店頭で購入→開封して動作確認→そのままコーティングに出す
という流れがが可能です(eSiqについては後編で)


・フジヤエービック

中野ブロードウェイにある老舗の専門店です
価格は他と同じく10%オフですがLINE登録で1000円引きクーポンを月1で配っているのでそちらを使えば¥12410になります
これを書いている時点(2月初旬)でありすと晴、桃華モデル以外は在庫が有るようです


・その他量販店など
ヨドバシカメラなどの家電量販店、ゲーマーズや駿河屋といったアニメショップ、Amazonなどの大手通販サイトでも取り扱っているようですのでポイントやセールなどを考えるとこちらの方がお得な方もいるかもしれませんね



後編では買った後のプロデューサーに沼の沈み方、もとい他に買った方が良いものなどを書いていきます


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