めちゃくちゃ主観で語る主要ドラム音源比較

どうも、しのです。
寒い日にはやっぱりらーめんが恋しくなりますね。暑くてもらーめん食ってますが。

さて、今回は「ドラム音源ってどれを買ったら良いか分からない!」っていう初心者DTMerの方のために、めちゃくちゃ主観を含んだ定番ドラム音源レビューを書いてみました。
多くのDTMerが持っているであろう製品はほぼ網羅しているかと思いますので、何かしら参考になれば嬉しいです。

※一部製品については未所有のためデモ音源がありません。


評価項目について

今回は以下の5つの評価項目を設け、それぞれ5段階で勝手に評価してみました。

  • 音色:音色の良さ、表現力など

  • 操作性:UIの明解さ、操作のしやすさ

  • 作り込み度:音色の作り込み要素の多さ、音色の多様さ

  • 負荷:負荷の軽さ

  • 拡張性:拡張音源等の豊富さ

あくまで主観に基づくものですので、必ずしも全てのDTMerに当てはまるものではないということだけは予めご了承ください。

各ドラム音源比較レビュー

Superior Drummer

  • 音色:★★★★★

  • 操作性:★★★★★

  • 作り込み度:★★★★★

  • 負荷:★★★☆☆

  • 拡張性:★★★★★

ある程度資金が調達できるならこれを買わない手はない、現状最強ドラム音源。3になって自由度がさらに高くなり、できないことはほぼないってくらい無敵になった。
SDX・EZXによる拡張性が高く、ジャンルに合わせてカスタムしていくことができるのが強み。あと、生ドラムで演奏したオーディオファイルからSuperior Drummer内で変換することができる機能があるので、トリガー代わりに使うこともできるのも強い。

負荷はそこそこ高めなのはしょうがないかなという気持ち。デフォルトのライブラリは若干使いづらい印象があるので、ここはやはりSDXやEZXでの拡張が必須になってくるかな。あと、キットピース単位での左右反転ができないのもちょっと不便だなと思うことも。

とはいえ気になる点はほんの微々たるものなので、総合的に見たら本当に最高の選択肢になることは間違いなし。

EZDrummer

  • 音色:★★★★★

  • 操作性:★★★★★

  • 作り込み度:★★★☆☆

  • 負荷:★★★★☆

  • 拡張性:★★★★☆

初心者がまず最初に買うべきドラム音源は間違いなくこれ。とにかく操作が簡単。
EZDrummer 3のデフォルトのライブラリはThe Room of Hansa SDXと同じスタジオで収録されていて、非常に汎用性に富んでいるのがGood。拡張音源はEZXのみだけど、タイトルがめちゃくちゃ豊富で正直何も困らない。

ただまぁ名前が示す通りあくまで「イージー」に使えるドラム音源なので、作り込み度は低め。裏を返せば音作りに悩む時間を削減できるので、サッと作りたい人にはありがたいところ。

いちばんわかりやすくクオリティアップが感じられるのがドラム音源。初めてのサードパーティ製音源プラグインとしては最適な製品。

BFD

  • 音色:★★★★★

  • 操作性:★★★★☆

  • 作り込み度:★★★★★

  • 負荷:★★☆☆☆

  • 拡張性:★★★★☆

かつては最高峰のドラム音源として名高かった製品。現在でも音色の良さや表現力の高さにおいては後発のドラム音源にも全く引けをとらず、また作り込み要素も多い。ミキサーに入っているエフェクトの質が高いのも魅力。

ただ、数年前に販売元がinMusicに変わってからは、90日毎にオーサライズし直さなくてはならないという致命的すぎる欠点が生まれてしまって、ここが非常に面倒。どうしてこうなった。
拡張性については自社製のものに加え、サードパーティ製のものもそこそこあったりするけど、デフォルトのライブラリ含め全体的に「録ってそのままの音」感が強いので、ある程度ミキシングのできる人でないと使いづらいという側面もある。

エフェクトを全部外してやると「スタジオで録ってきた素の音源」って感じで、作り込み度の高さは随一。

Addictive Drums

  • 音色:★★★☆☆

  • 操作性:★★★★☆

  • 作り込み度:★★★★☆

  • 負荷:★★★★★

  • 拡張性:★★★☆☆

とにかく負荷が軽いことが最大の美点のドラム音源。操作性も非常に明解で、各キットピース毎の設定項目もそこそこ。現在デフォルトのライブラリというのは事実上存在しておらず、音源エンジンと好きなADpak(拡張音源)を選んで買うという形式なのが、他のドラム音源とは違った形でユニーク。

音色は正直繊細さとは真反対にあって、一聴すると派手だけど、全体的にレンジが狭めで細かい表現にはあまり向かないという印象。内蔵のエフェクトの作りがちょっと雑で、特にEQの位相の崩れ方が酷いので、内部完結するには工夫が必要かも。

いわゆるAddictive Drumsの音(現在のADpak Studio Pop・Studio Rockがそれにあたる)は散々使われまくったおかげで、もはや若干ネタとして扱われるものの、負荷の軽さと音の派手さを利用して、コンペ等の時短したい時にはもってこいの音源。

Steven Slate Drums

  • 音色:★★★★★

  • 操作性:★★☆☆☆

  • 作り込み度:★★☆☆☆

  • 負荷:★★★★☆

  • 拡張性:★★☆☆☆

Virtual Mix RackシリーズやFG-X(一昨年ようやく2が出ましたね!)等のスタジオエフェクトプラグインのクオリティの高さで人気を博している、Slateおじさん印のドラム音源。あまり注目されないけど、案外負荷が軽い。デフォルトで入っている音色もそれなりに質が良く、全体的に元気でアメリカンなロックサウンド。またベロシティ等の面で非常に使いやすくきっちり調整されている印象。

ただ、音はいいんだけど元々の音色が結構しっかり作り込まれているので、作れる音の幅はそんなに広くはないかも。内部ミキサーも作り込み要素が少なく、せいぜい音量と定位くらいしか調整できないので、ちゃんと音色を作ろうと思ったらパラで出してやる必要あり。せっかくVirtual Mix Rackとか自社プラグインがあるんだから、その一部機能だけでもミキサーに組み込めばいいのに。拡張音源が少ないのもちょっと残念な点。

逆に言えば、あまりエフェクトで作り込まなくてもそのままの音でそれなりにちゃんと使えるので、すぐに元気なロックサウンドが出したいという人にはオススメ。

MODO DRUM

  • 音色:★★★☆☆

  • 操作性:★★★☆☆

  • 作り込み度:★★★★☆

  • 負荷:★★★☆☆

  • 拡張性:★★☆☆☆

他のドラム音源とは違い、サンプリングではなくフィジカルモデリングを用いたドラム音源(ただしシンバルはサンプリング)。演算処理なので、例えばチューニングを変更した際の音色変化のナチュラルさはサンプリングの比ではない。Custom Shopで好きなモデルを購入追加できるのも魅力。

ただ、やはりモデリングということで音的にはリアルアコースティックなそれではないという感じ。モデリング音源の特徴なのか、全体的にちょっと芯がない印象。通常のレコーディングみたいにクローズマイク・トップマイク・ルームマイク等でパラアウトできないのはマイナス点。あと、個人的にはシンバルこそ物理モデリングしてほしかった(ハイハットとか特に)。

フィジカルモデリングなので、ドラマー的には楽しい音源かも。あと、IK MultimediaのTotal Studioに入っているという点も大きいかな。

Abbey Road Drummer Collection / Studio Drummer

  • 音色:★★★★☆

  • 操作性:★★★★☆

  • 作り込み度:★★★☆☆

  • 負荷:★★☆☆☆

  • 拡張性:☆☆☆☆☆

これだけはKONTAKT用音源だけど、KOMPLETEを買うと入っているので使う人もそこそこいるかなと。シリーズ違いにはなるけど、どちらも開発元は一緒でかつ印象もほぼ同様なので、まとめて書いてみる。

KOMPLETEを買うとついてくる(無印では60sおよびStudio Drummerのみ)ということもあり、コスパは抜群。音色は全体的にちょっと線が細いけど、主張しすぎない音色のおかげで音的には使い勝手抜群。
Abbey Roadシリーズは年代ごとに別ライブラリになっているので、音の方向性を決めやすいのが利点。内部ミキサーも操作が明解。意外と奏法はそこそこちゃんと網羅されてる。

ただ、やはりKONTAKT用音源ということもあり、負荷はどうしても高い。当然ながら拡張性はゼロ。あと、かなりベロシティを上げないとハードヒットになってくれないというのも、若干使いづらさが否めない。

他社のドラム音源にも負けず劣らずのクオリティに迫ることができるポテンシャルはあるので、コツさえ掴んでしまえば結構ちゃんと使い所のある製品。

おまけ

ML Drums

  • 音色:★★★☆☆

  • 操作性:★★★★★

  • 作り込み度:★★★☆☆

  • 負荷:★★★★☆

  • 拡張性:★★★☆☆

アンプシミュレーターやキャビネットIR等で人気の高いML Sound Labのドラム音源。ドラム音源としては結構新しい部類のプロダクトかな。アンプ関連製品同様、かなりモダンメタル寄りなサウンドが特徴。特にシンバルはスタック・エフェクト系がそこそこ充実していて、プログレッシブメタルには最適。ミキサーにはEQとコンプレッサー、そして珍しいサチュレーター内蔵。

しかしやはり、素材の音がかなりしっかり音作りされているので、音作りの幅がそんなに広くないのが難点。あと、タムのスポットマイクチャンネルは個別ではなくまとめたバスになっており、個々の音量やEQ等の調整ができないのもつらいところ。
ダイナミクスレンジがちょっと狭いってのも気になるところで、かなりベロシティを小さくしてやらないと、ゴーストノートの打ち込みは厳しいかな。
拡張性についてはまだまだ新しい製品ってことで、これから徐々に出てくるんだろうなっていう期待を込めて★3。

プログレッシブメタルやメタルコア等でさくっとドラムトラックを作りたいけど、音作りはちょっと苦手だな……というギタリスト諸兄等にはかなりオススメ。

The Progressive Foundry SDX

  • 音色:★★★★★

  • 操作性:★★★★★

  • 作り込み度:★★★★☆

  • 負荷:★★★☆☆

  • 拡張性:-

僕が普段メインで使っているからっていう理由だけでついでに打ち込んだやつ。こいつ自体が拡張音源なので、拡張性についてはノーコメント。
名前の通りプログレッシブメタル向け音源のはずなんだけど、結構ウッドな鳴りがしっかり感じられるので、案外幅広いジャンルに対応できるポテンシャルあり。音像は遠すぎず近すぎずの絶妙な加減。楽器数もそこそこ多くて、音作りのし甲斐あり。
僕はこれとFields of Rock SDXをメインに使用しています。

おわりに

メインで使用しているからってのもあって、だいぶSuperior Drummer 3贔屓な内容になってしまいましたが、何かしら参考になれば幸いです。






なんとなくドラムの趣向がメタルに寄りつつある今日この頃……。

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