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果報は寝て待て〜着床サポート鍼灸


排卵日まで

真面目に基礎体温を毎朝つけていたけれど、1ヶ月分のデータもないので排卵日特定の手がかりにはなりそうもない。せめて過去2ヶ月でもつけておけばなあ。アプリの予測でなんとなくその週の金曜日か土曜日、土曜日が少し濃厚かな、という予測を立てた。
全くの偶然だったけどちょうどその週、月曜日から1週間休みをとってアメリカのDDに会いにいく予定になっていた。このチャンスを逃すとまた次の排卵日に会えるとは限らない。今回のわたしは気合が十分だった。

週末に向けてコンディション整えて、本番はその日までとっておきましょう、とか思っていたけど実際会ったらDDは超多忙。月曜は仕事から猛烈に疲れて帰ってきて、ベッドに突っ伏す、という状態でそれどころではない。おまけに火曜日にコロナのワクチンを受けてきた。一日寝込むくらいはしょうがないな、と思ったけど、歳のせいか二日たって三日たってもまだしんどそう。そうこうするうちに金曜日だよ…!
その日DDは家から仕事をしていて、昼ごろようやく本調子が戻ったっぽい。本人にどれだけ排卵日に関して意識があったか疑問だけど、ようやくできそうになったのを見過ごさず、なんとか成功。妊活の鉄則としては排卵日含めて三日毎日やるのがベストなんだけど、まあ前日できたから明日もう一度できればなんとかなるかな…。
それなの土曜日DDはに先に寝た。排卵日って言ってあったのに。子供が欲しいとか言ってたのは口だけかい。どんな気持ちで準備してきたと思ってんの。一応自覚はあるようで「ごめんね、できなくて」と申し訳なさそう。ほんとにできないんだわ、やる気がないんじゃなくて…。それだったらどうしようもないし、言いようのない苛立ちをふつふつさせながら背を向けて寝た。

着床した?

結局排卵日前日だったか当日だったかに一度したきり。DDのあのグデグデのコンディションを考えると成功する確率はかなり低いだろう。カナダに帰り、基礎体温はとりあえず測り続ける。無事に排卵は起こったらしく高温期にシフトしてる。それが排卵日から7日目で一度がくっと下がった。あれ、と思ったら次の日は再び上がって、それ以降はしかも一度下がる前より少しだけ高めでジグザグ推移している。これってなんなのか。

この頃のわたしは不安と焦りといろいろで、ネットサーチの鬼と化していた。そこで「インプラーテンションディップ」と、ある助産師さんが紹介して知られることになった「基礎体温の二段上がり」という現象があることを知る。
インプランテーションディップとは、インプランテーションとは高温期に基礎体温が一時的に下がる現象で、着床と同じようなタイミングで起こることから着床のサインではないかと考えられているけれども医学的根拠はないらしい。基礎体温の二段上がりとは、排卵後4日間ほど高温期が横ばいとなり、5日目頃にもう一段体温が上昇し、その後基礎体温が小刻みに上下しながら高温期が続く状態を指すようだけど、こちらも医学的根拠はなく、妊娠すると必ず確認されるわけでもないらしい(東洋医学的にも説明できそうにないし)。でも!まさに!これは!当てはまってるんじゃないの。この時期はすがるような思いでどんなサインも妊娠に結びつけて必死だった。

ちょうど同じく排卵日から7日目ごろ、異様な眠気と倦怠感に襲われる。いや、基本常に疲れていて元気はつらつといったことは全然ないのだけど、ちょっとこれは異常、と思えるほど体がだるくて起きていられない。なんだか喉がイガイガするし。この感じはまさに、熱こそないけどコロナワクチンを打った翌日の副反応に似ている。気をつけてはいたけれどアメリカで感染してしまったかしら…。

着床期とは

そんな日が1週間は続いた。その頃自分にしていたのは、確率的には低いだろうけど、受精したと仮定して着床をサポートする鍼。というか、あまりに眠くてだるくて仕事に支障が出るほどだったので、なんとか気力を取り戻すのが一番の目的だった。

着床期とは通常の生理周期の黄体期であり、生理周期の長さに関係なく排卵後、だいたい14日間続くと考えられている。排卵後、卵巣内に残った卵胞は黄体と呼ばれ、妊娠に備えてプロゲステロンを分泌する。プロゲステロンのはたらきによって子宮の内膜が厚くなり、血管も発達し、受精卵のがやってくるのを万全の体制で整えるのである。不妊治療ではプロゲステロンの分泌がいまひとつの場合、プロゲステロン補充治療が施される。

東洋医学ではこの黄体期をさらに分け、前半を腎の陽、つまり命門の火に影響を受けるフェーズ、後半を肝の気血の流れおよび衝脈に密接に関係するフェーズと考えられている。前半のフェーズの命門の火はまさに着床を助けるためにはたらき、後半は衝脈を通じ、気血が着床した受精卵へ送られ胚を養うためのフェーズである。
ちなみにこれは妊娠が成立していてもしていなくても同じこと。このときにどこかでバランスが崩れているとPMS(月経前症候群)としてさまざまな不調が現れる。たとえば日ごろ陽の気が足りていない人はさらに陽が必要とされるこの時期ますます疲れる。気のめぐりの悪い人は、子宮に向かって下向きに流れ出した気がつまりを起こして、イライラや胸の張り、便秘などの症状として現れる。ちなみに甘いものが食べたくなる人には気虚傾向があり、チップスなど脂っこいものが欲しくなる人は気滞の傾向が強いかも。

わたしが生理前どころじゃなく猛烈に疲れているのはまさに受精で気を消耗してるからなのか?

着床サポート鍼

鍼灸で使われるツボには妊娠中は禁忌とされるものがあり、妊娠したかも?と思ったら使用を止める。これらのツボは子宮と繋がっており、血流を良くしたり、収縮を促進するので早産や流産につながる恐れがあるからである。

妊娠中の施鍼を避けるべきツボ
合谷
肩井
三陰交
至陰
下腹部のツボ
上腹部のツボ(3ヶ月以降)

合谷や三陰交はほぼ毎回の治療で使うほどメジャーなツボで、肩井も肩こり治療に欠かせないツボ。関元など不妊治療で大活躍した下腹部のツボもお休み。

わたしが着床期に使用したのは

百会
足三里
太谿

それから耳の中央にあるポイント・ゼロというツボ。耳は体の中でも特に血管が発達した部位なので、ここに鍼をするとすごい刺激になる。リラックス効果のあるツボもあるけど、あえてここは交感神経を優位にするツボ。眠くて仕方なくて仕事にならないからである。百会も陽の気を活発にしてくれるツボ。仕事前に自ら鍼をしてなんとか目を覚ます、という感じ。

生理予定日が近づく。この異常な眠気が妊娠なのか、コロナなのか…。






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