5分小説

5分で読める小説を投稿しています。

5分小説

5分で読める小説を投稿しています。

最近の記事

何もないけど、いい日。

今日はなにをした? って、聞かれると、 何もしてない。 と応える日だった。 そう答えざるを得ないのは、 第三者的に、今日の私をみても、 何もしてないからである。 朝起きて、ラジオ体操に行き、 家に帰って朝食をこさえて、 昼は美術館に行き、 また家に帰りゴロゴロして、 家の近所の本屋で本を買った。 誰かから見たら、つまらない日。 でも、私にとっては最高の日だった。 朝起きて、スッと目が覚めたこと。 久々のラジオ体操でその楽しさに気づけたこと。 とても暑かったが、1万歩、

    • うどんを食べに、日本へ。

      震えるほど、好きなことって、今の自分にあるのだろうか。 昨晩、いつもの居酒屋のカウンターで横にいた外国人のカップル。 彼らは、カルフォルニアから日本に、うどんを食べにきたらしい。 話を聞くに、カルフォルニアでは、冷凍の讃岐うどんが売られていて、 そのうどんを食べた男の子が、感銘を受けて、そればかり食べていると。 そうなったら、本場のうどんを食べに行くかと日本まで来たらしい。 僕が居酒屋についた頃には、このカップルたちは、注文を済ませて、 うどんを待っている状態だった。 ず

      • 深呼吸しながら電車に乗る

        雨の日の朝の東京。 誰だってそうだが、ジメジメとした満員電車に乗らないといけない。 いつもの満員電車も嫌だけど、 雨の日はもっと苦痛だ。 7:32の電車にはテーマパークの売店においてある 人形のようにぎゅうぎゅうに押し込まれた人たちが 乗っている。 大きく息を吸い込んで、 満員電車の中に潜る。 自分を押し殺して、じっと待つ。 すごく息苦しい悲しい時間。 でも、みんな我慢してるだ。 自分だけが我儘を言ってはいけない。 集団というのは、我慢の連続だ。 みんなと一緒は楽だけ

        • 気持ちの悪い感情

          好きになって欲しいけど、 好きになられると嫌いになる。 真面目になりたいけど、 真面目になりたくない。 一人になりたいと思うけど、 一人になると寂しくなる。 理解して欲しいと思うけど、 理解されると壊れてしまう気がする。 誰のものでもない私の、 私だけのものを。 そのくせ、人と同じ幸せが欲しい。 偽善者で傲慢。 度重なる葛藤を幾度しただろうか。 星空に手を伸ばそうと伸ばすほど、 私に輝いて見える星は、 ずっと遠くなっている。 誰も照らさない星に、私はなるのかな。

        何もないけど、いい日。

          ビバ孤独

          たった一人ぼっちは可哀想。 残念、みんなばっかで可哀想。 私と世界、世界と私。 行ったり来たりを繰り返す。 この世界には私だけ。 誰も入らない世界で、 声も発さず、ただ時間を浴びる。 静止した空間には、穏やかな音楽が流れ、 ソファに腰掛け本を読む。 脳と目と手からたくさんの言葉が流れ込んでくる。 みなにはわかるまい。 この贅沢が。 羨ましいと思っていいよ。 独りを知らない人は、 本当に勿体無い。 わずかな人生というときの中を、 自分を味わって何が悪い。 偽物ではな

          卵焼きを食べた

          よく行く居酒屋に行った。 名物の卵焼きを頼む。 単行本くらいの大きな卵焼きが出てくる。 湯気はそんなに出てこないけど、 食べると頭が真っ白になるほどに熱い。 でも、その代償を支払っても美味しいのだ。 卵焼きを食べるときにいつも思う。 たくさんの卵を使って、美味しいを求める人間の 怖さ。 生物が生物を喰らう。 当たり前だけど、当たり前じゃないこと。 卵を1日1個食べて、それは人間のタンパク源になる。 多い人では3個くらい? 人間の体は果たして人間と呼べるのか。 本当は動物で

          卵焼きを食べた

          川内倫子さん

          日曜日。 川内倫子さんのトークショーに行った。 日本を代表する女性カメラマンで、 命を題材に作品を撮り続けて、 今もなお第一線で活躍されている方。 雑誌「母の日」の編集長の方とのトークショーで、 母となった川内倫子さんに子育てとは?仕事とは? 写真の考え方を聞いていく。 Q&Aを含めて、1時間半ほどであったが、印象的な エピソードが3つあった。 ①光の考え方 川内倫子さんの作品の特徴として、 太陽の光があると思う。 美しく差し込む光とそれを受ける人や物が、 キラキラし

          川内倫子さん

          「数分間のエールを」池袋にて

          たぶん1年ぶりくらいの池袋。 いい思い出もないし、 人の感じも好きじゃないから 日頃はあまり行かない。 でも、今日は見たい映画が 池袋のTOHOシネマズであるから 重い腰を上げてやってきた。 「数分間のエール」は、MV制作をしている男子高校生が、学校の先生(ミュージシャン)のために、MVをつくる話。ものづくりのモチベーションをあげるために、 みたいなと思っていた。 TOHOシネマズで映画の半券を購入し、 上映まで1時間半ほどあったので、 仕事をしようと思って歩き出したが

          「数分間のエールを」池袋にて

          夏をすする。

          神奈川での撮影。 太陽がだいぶご機嫌で、 日差しは強い。 神奈川県中の様々な施設を巡る施設で、 車で移動するのだが、 車を停めるたびに、車内は灼熱になっていて、 暑い暑いと言いながら車に乗り込む。 お昼休憩が取れそうなので、 僕を含めた撮影チーム3人でせーので、 食べたいものを言うと、 全員がそばだった。 全員で調べた結果、 侘助というなんとも風情のいい ところを見つけたので向かう。 予算がない仕事し時間もなかったけど、 とろろだけは載せようと、注文する。 注文から

          夏をすする。

          早起きのご褒美

          今日は撮影の日だったので、 いつもより随分と早く5時前に起床した。 5時前に起きても、 外の世界はバリバリに朝だったので、 夏の始まりを感じる。 ストレッチをしたり、顔を洗ったり、 ヨーグルトを食べたり、いつもの朝をこなし、 家を出る。 いつかの誰かが、真夜中で空気が入れ替わり、 早朝の時間は空気が美しいと言っていた。 そんな話を聞いてから、早起きが好きになった。 その事を思い出させるほどに、家から出て、 道路に差し込む夏の朝の光は美しかった。 今日は、横浜の方で撮影が

          早起きのご褒美

          雨の日のランチョン

          気圧に弱い、人間です。 飛行機や高層階のエレベーターに乗れば、 耳はキーンとなり痛くなるし、 台風や雨の日は体が重くなり、 頭も回りにくくなる。 なんとも私はつくづく気圧というものに、 影響を受け続ける人生を送っています。 大抵、雨の日は最悪だ。 だけども、今日は違う。 初めて、神保町のランチョンにいく。 会社の先輩たち3人で大雨の中でランチョンに行くのだ。 13時の少し前にランチョンにいくと、 窓側の神席が空いていた。 そこに陣取り、一人の先輩が到着し、もう一人は遅れる

          雨の日のランチョン

          29歳のbirthday

          6月16日の日曜日に29歳になった。 19歳の時も確かそうだったが、10代や20代が終わりそうになることで危機感を持ってくる。 若くもなく、老いてもなく、中途半端な年齢。 やりたいことはたくさんあるけど、 何もできてない日々が続く。 やろうやろうと思っているだけでは、意味がない。 一歩を踏み出す歳にしないと、一生後悔する気がする。 そんなことを考えてたけど、 日曜日は思いっきりダラダラした。 四度寝はしたと思う。 気がつくともう夕方になっていて、子供たちや鳥たちの声が聞こえ

          29歳のbirthday

          こんばんは、ダリさん

          本当は、家でずっとゴロゴロしていようと思ってたけど、誘われていた近所のカフェバーのジャズイベントに行った。 まあ、行った時には、ジャズの演奏は終了していたのだが、藝大の学生やらミュージシャンやらが好きな曲を演奏していた。 このカフェバーに、夜の時間は初めてきたが、狭い空間に20人くらいの人が、音楽を聴きながらお酒を飲んでおり、心地よい空間になっていた。 おそらく藝大の外国人も多く、日本というよりはフランス的だ。(フランス行ったことないけど) マスターに案内されて、ライブが

          こんばんは、ダリさん