うどんを食べに、日本へ。

震えるほど、好きなことって、今の自分にあるのだろうか。

昨晩、いつもの居酒屋のカウンターで横にいた外国人のカップル。
彼らは、カルフォルニアから日本に、うどんを食べにきたらしい。
話を聞くに、カルフォルニアでは、冷凍の讃岐うどんが売られていて、
そのうどんを食べた男の子が、感銘を受けて、そればかり食べていると。
そうなったら、本場のうどんを食べに行くかと日本まで来たらしい。

僕が居酒屋についた頃には、このカップルたちは、注文を済ませて、
うどんを待っている状態だった。
ずいぶんと彼のほうが緊張しているみたいで、
彼女が背中を擦りながら、もうすぐだねというように声をかけている。
少しすると、注文していたカレーうどんとふつうのうどんが届いた。

人が食べている姿を、
こんなにまじまじと見つめるのはあまりないことだが、
溢れ出る期待とどんなリアクションをとるのかを見逃したくないと思った。

カレーうどんの汁をすくい、飲む。うなづく。
うどんをすする、天を仰ぐ。
彼と彼女が目を合わす。ほほえむ。
また、ゆっくりと味わうように食べる。
泣きそうなになりながら、一口ずつ食べるその姿に、大変感動した。
おいしい。おいしい。といいながら頬張る姿に、
自分の好きなことへの濁りを感じずにはいられなかった。

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