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ビタミンDにみる健康影響のトレードオフ。過ぎたるは猶及ばざるが如しといえるかも

日本人の食事摂取基準では、ビタミンDの項目にて日光浴の必要性について言及しています。具体的に「可能な範囲内での適度な日光浴を心がける」と書かれています。

これは、ビタミンDが、紫外線によって皮膚で合成されるという、たいへん珍しいビタミンであることに関係しています。紫外線を浴びていれば、(理論的には)食事から摂取するビタミンDは少なくても必要量を満たせることを意味しています(ここまで単純ではないですが…)。

こういった性質を持つビタミンのために、上記のような表現がなされるわけですが、私のような者だと、紫外線は一般に健康に有害で、皮膚がん等の病気のリスクにも関係すると認識してしまっています。そういったことから考えると、日光浴なんてとんでもない!という風に考えてしまうのが、まぁ当然の帰結というものでしょう。

ただし、実際には紫外線を浴びないことによる弊害のビタミンD不足も、一般に問題となっているようです。子どものくる病や大人の骨軟化症なんかが有名です。となると、紫外線を遮断しすぎるのも健康に有害ということになりそうですね。

ここまでをまとめると、つまり、紫外線を浴びすぎても遮断しすぎてもだめということ。

このあたりは、トレードオフというと言い過ぎだと思いますが、その間のちょうどよい所を見極めていく必要はあるかと思います。紫外線を浴びすぎていると感じている人は対策が必要でしょうし、紫外線ガードばっちりという人は、手の甲だけ紫外線を浴びるとか、食事からのビタミンDの摂取を増やすなどの工夫が必要かもしれません。

ちなみに、ビタミンDを過剰に摂取しても、それはそれで問題です。いろいろと面倒なのですね…。

「具体的に何分日光浴すればよいの?」というクエスチョンに、今のところ明確な答えはありません。紫外線の強さは季節や時間帯、場所によっても異なるため、一概には言い切れないからです。ちょうど今日のような冬の曇の日。紫外線はほとんど感じられません。こんな日は、食事からのビタミンD摂取量を意識する必要がありそうですね(鮭たべないと!)。