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田端信太郎著『これからの会社員の教科書』を読んで。良書だと感じましたが…。

田端信太郎著『これからの会社員の教科書』を読みました。文字通り,会社員の教科書としての役割を果たす書籍で,特に新入社員におすすめのものになります。会社員として働いている私にはわかり味が深く,はっきりと良書だと思いました。

しかし,これを読んだからこそ,「やっぱり会社員ツライな…」と感じました。もっと言うなら,「ビジネスツライな…」とまでも。

本書は,会社員・社会人としての基本的なプロフェッショナル精神にも触れています。わかりやすいところだと,以下のようなものです。

プロフェッショナルとしての仕事感覚
●勝負どころで休まない
●ここ一番では遅刻しない
●欠勤するなら,仕事の状況を報告する
●アウトプットに対して自分なりの美学を持つ

これらは非常に納得できるものです。当たり前といえば当たり前のものですが,それを明確に言葉として表現されることは案外なかったりします。暗黙の了解のように存在してはいても,表立って言葉にされることは少ないもののように思います。

さて,ただし,書籍も中頃まで読み進めてくると,私の大変苦手な分野の単語が並んできます。「根回し」や「社交スキル」です。頭では重要さを理解したつもりになっているものの,ほとんど実践できていない事柄です。本書に書かれている内容を,私なりにまとめてみます:

根回し
●「正しい意見」が通るとは限らない
●ロジックで勝てると思ってるやつは0点
●根回しは「順番」が命
●「おっさんのメンツ」を潰すな
●派閥争いの潮流を読め
社交スキル
●「一緒にご飯を食べる」儀式をナメるな
●たかが服装で損をするのはもったいない
●礼儀やマナーを重んじろ
 (お酌,上座下座,昭和のノリ)
●偉い人の懐にぱっと飛び込め
●「おもしろいやつ」と思われろ

あー無理なやつだと思いました。日頃,これらの重要性を認識する機会が多いからこそ余計に効きました。Amazonなどでは「時代錯誤」・「昭和的なオヤジの説教」のようなコメントも散見されますが,これが現実と思わされる部分は普段の会社員生活でも嫌というほど遭遇しています。これらがベンチャー企業や外資系企業など昭和的な空気のない会社では一切ないか?ということに関しては私はまったく知りませんが,ビジネス全般で重要視されているものもありそうで,避けられないものが多いのだろうなと感じました。

というわけで,「やっぱり会社員ツライな…」,「てかビジネスツライな…」と思いました。以上,『これからの会社員の教科書』の読書感想文でした。