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『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』

質の高い研究を行うためには,質の高い方法で調査しなければなりません。どれだけ研究のアイデアが良くても,質の低い方法で行われた研究の価値は低いとされています。

「質の高い方法」といっても,必ずしも高価な調査機器が必要なわけではありません。重要なのは標準化された方法で調査されたかどうかです。どれだけ精密に測定できる機械であっても,測定値が測定者の技量に左右されてしまうとかであれば,その機械が用いられる場面は限られています。いつも同じように調査でき,同じ対象からは同じ結果が得られる方法で調査すべきです。測定値が真実からいくらかズレていても,それは仕方ない。しかし,そのズレは測定の度に同じ程度ずれていなければいけません。もちろん,いつも精密に調査できるのがベストですが,そうでない場合は標準化できるレベルまで精密さを落とすことが重要です。

さて,『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』では,「自分好みの最高の1杯」を淹れる方法を紹介しています。本書によると,コーヒーの味わいに影響を与える要素には,主に6つがあるそうです。それぞれ,人に例えながら紹介しています:

1.生産国:骨格
2.品種:人種
3.生産処理:性別
4.焙煎:体型
5.粒度:化粧・髪型
6.抽出:アクセサリー

この6つの要素を微調整しながら,自分好みの味を追求していくのがコーヒーの楽しみ方の1つということになるでしょう。とはいえ6つも要素があるということは,その組み合わせもかなりの数にのぼります。それをすべて試すのは長過ぎる道のり。ある程度は的を絞っていかなくてはなりません。

基本的には自分の好みの後口に近づけていくように選ぶのが近道だそうです。たとえば,スッキリとした味わいが好みであれば,浅煎り~中煎りのエチオピア(ウォッシュド)やグアテマラ(ウォッシュド)などを選択するのがオススメだそう。焙煎に関してもよくわかりませんが,基本的には豆の種類に合わせた最適な方法があるそうな。それに任せておけばOKということになるでしょうか。

ただ問題は抽出。私のような未熟者が手で淹れる場合,淹れる度に味なんて変わってしまいそうです。なので,せっかくコーヒー豆を変えて味に変化があったとしても,その変化がコーヒー豆自体によるものなのか,私の抽出の技量によるものなのかわからなくなってしまいます。ただでさえ要素の多いコーヒーの味わいですので,混乱の元は潰しておきたいところ。

ということで,好みのコーヒーを選ぶためにも,抽出については機械に任せることで標準化しておきます(とりあえず)。そのほか,粒度とか水・豆の量についてもできる限り同じにします。

このお休み中,適当に選んだ豆で適当にコーヒー飲んでましたが,本書を読むことでコーヒーの味わい方もわかったような気がします。ということで,『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』,オススメです。