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7番目のシャルル:第六章〈救国の少女〉編、本編スタート
カクヨムにて『7番目のシャルル、聖女と亡霊の声』を新規投稿しました。
第六章〈救国の少女〉編、本編スタート!
朝がた公開したものの、下記タイトルから少し変更しています。
新しく公開しました
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) May 14, 2024
第六章の本編を始めます!
✅6.1 ラ・ピュセル(1)
- 7番目のシャルル、聖女と亡霊の声 - カクヨム https://t.co/4CisASElKx
あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリから逃亡。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりのフランス王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。
*
noteでは紹介を兼ねて、今回の更新分から一部引用します。
1428年3月6日、例の少女がシノンに到着した。
「本当に来たのか」
知らせを聞いて少し驚いた。
フランス国内はどこも治安が良くないが、イングランドとブルゴーニュ公が統治する北部と私が統治する南部の境界は特にひどく、少女の一行はそこを通過しなければならなかった。
少女に関するさまざまな噂——、それを信じている一部の者は「神の加護を受けている証拠だ」と感激しているが、早まってはいけない。
キリスト教徒は、祝祭期間中の戦闘行為を控える。
今は四旬節だから比較的安全な時期だ。
だが、野生の獣や、自然がもたらす天候はやはり旅人を危険にさらす。
また、道中には、信仰や道徳を捨てた山賊のような輩もいるだろう。
護衛に守られているとはいえ、途中で怖気づいて引き返しても不思議ではない。噂の真偽はわからないが、少女が勇敢であることは確かだ。
私はひとまず、シノンの城下町で評判のいい宿を紹介して、旅の疲れを癒すようにすすめた。
少女との間を仲介する侍従はうやうやしく下がり、しばらくすると足早に戻ってきた。
「どうした、何か不都合でもあったか?」
「恐れながら申し上げます。例の少女が、陛下に至急伝えなければならないことがあるそうで、すぐにでもお目にかかりたいと……」
「まさか、待っているのか?」
「門前で、陛下がいらっしゃるここを見上げております」
「ここを……?」
ちなみに、今回のヘッダー画像はシノン城(跡地)からの眺望。
シノン城は17世紀にリシュリューが壊しちゃったから一部しか残ってませんが、
高台からの眺めは、当時からそれほど変わってないと思う。
華やかな王宮というより堅牢な要塞だったらしい。
*
続きはカクヨムにて。
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第六章〈救国の少女〉編
自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
web小説『7番目のシャルル』シリーズ
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