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100%の正解でなくても、オッケー!~挑む意志からすべてが始まる

「こんばんは、岡村隆史です」「こんばんは、矢部浩之です」

14日深夜の岡村隆史のANN(オールナイトニッポン)の冒頭は、これまでそれが当たり前だったかのように、2人の挨拶から始まった。矢部氏がナイナイANNから卒業から5年の歳月が流れていたが、何の違和感もないオープニングに察するものはあった。岡村さんは矢部氏がいるのには、お伝えすることがあるからと説明、その背景を話し始めた。

失言から翌週の謝罪と説教の放送、2週目は反省の放送だとしたら、今回の3週目は「再始動」の放送といったところだろうか。放送開始28分、「岡村隆史ANN」終了と「ナインティナイン」開始が発表された。これが2人の出した答え、ナイナイの覚悟だと受け止めた。女性蔑視と怒りを覚え、降板以外は許さないとする方々にとっては歓迎されない結論だろう。すべての人に歓迎されない、それも現実。ナインティナイン、100%の正解なんてないのだから。仮に答えじみたことがあるとするならば、それは2人から発せられた怒鳴りに集約されているのかもしれない。

「オッケー! ナインティナインのオールナイトニッポン」

第二次ナイナイANNの始動、ビタースウィート・サンバが流れた。その奥で、鼻をすする音が小さく響く。「目かいてはるんですか、それとも泣いてはるんですか~、後者ですね」と矢部氏にいじられる放送作家小西さん。岡村さんの失言に同席していた彼も責任を感じながら、さぞ心労を重ねていたことと察する。それぞれの思いが集約され、新たなステージに挑む長寿番組が、お笑いコンビが、どう生まれ変わるのか。辞める選択と始める選択を同時に選んだ。蓄積されたものをリセットして、新たに創り上げて、認めてもらえる番組を目指す気持ちは伝わった。いちリスナーとして静かに見守りたい。

一つの疫病は世界的な問題となっている。各国、各地、各人にそれぞれに守るべきもの、変えるべきものが浮き彫りになってきている。その一つひとつを考え直していく、いま節目の時期にきているのかもしれない。岡村さんの失言炎上問題から今回の再スタートに、ふとそんなことを思ったりもした。


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