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詩|短篇小説

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ひさしぶりに詩を書きたくなりました。昔はよく詩で表現していたのに、しばらく散文ばかりで。これからはまた、自然にことばを紡いでいけたらと思います。散文詩的なごく短い読み切り小説も、… もっと読む
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#愛

愛について

愛がほしい、と望むときは 愛するものを数えてみる 青い空を愛していないか 清らかな泉を愛していないか みずみずしい木々の緑を 花の香りを 小鳥たちの歌を愛していないか 星の光を 夜のしじまを 遠い昔に出逢ったあの人を 草や葉がかすかに触れ合う音を やわらかな猫の毛並みとぬくもりを わたしは愛する、愛している たくさんの愛しいものへ 愛はわたしの中からあふれてくる 愛がほしいなんて、思うことないんだ 愛はわたしの内にあるんだから こんなにもいきいきと だけどそれでも 愛がほ

平和を願う

平和の尊さを 思わされます 心から 平和を願います そのために わたしはいま 隣にいる人と 手をつなごう ほんの小さな ひとしずくも 集まればやがて 大きな流れに 平和を願い 善を行い 愛のしずくを 集めましょう 悪を避け、善を行い 平和を尋ね求め、追い求めよ。 (詩編34:15 聖書新共同訳) ◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから HanaKokoroさんの作品を使わせていただきました。 ありがとうございます。

雪のヒミツ

雪ってヒミツの匂いがするよね まっ白な目かくしで いろんなものをつつんでしまう きっと宝石みたいに きらきらしたヒミツを かくしているんだよ これまで生きづらいと 感じていた人たちが 生きやすくなる 時代がくるよ ときがきたら 雪は透明になって とっておきの ヒミツをときはなつの あなたに わたしに 泣いている人 くるしい人に やさしい愛がとどくんだ おひさまは笑い 風はうたう 光に心があたたまる そのときは必ずくるよ だから あきらめないで 息をしよう ◇◇◇

詩|ただひとつのもの

笑われてもいい さがし続けます 待ち続けます それが 私の求める 唯一つのものだから ずっと夢見てきたのだもの ずっと信じてきたのだもの こたえてくれたなら その人を 世界じゅうで一番 愛してしまうでしょう ◇35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。当時としては、いわゆる「運命の人」との出逢いを夢見て書いた内容ですが、クリスチャンになったいま読み返すと、イエスさまのことを言っているみたいだなあ、と感じます。神さまから与えられる愛はもちろん、イエス・キリストへ向けて自分

昔、死ぬのがとても怖かったころ

それは、いまでも怖いです でも、怖さの質が変わりました 子どものころ〝死〟がとても怖かった 〝私〟がいなくなるって、どういうこと? いまここにいて、世界を感じて ものを考えている私 それがなくなるって、どういうこと? 想像したら できなかった どうしても想像できなくて とても怖くなりました 私の気持ち 私の考え 私の存在 〝私〟は消えてなくなるの? 大人になり、いつか 私が死んだあとも世界は続くと理解した 理解だけはしたけれど、むしろ 消えてなくなってしまいたい、いっそ

愛ということば

気軽に使いたくない そのかわり 気軽に使ってほしくない ささやいた後 一瞬の後悔 熱く燃え上がる愛よりも 時間をかけてひとつずつ 積み上げてゆく愛がいい 時間に追われて 時間を追って 走る愛はきらいです ◇35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。ここで書いているのは恋愛の愛。でも、「恋」とは異なり「愛」のほうには、もっと大きな意味につながっていると思っていました。人間愛とか。私にとっては、何か尊くて特別なものだった気がします。クリスチャンになってからは、愛という言葉