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詩|短篇小説

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ひさしぶりに詩を書きたくなりました。昔はよく詩で表現していたのに、しばらく散文ばかりで。これからはまた、自然にことばを紡いでいけたらと思います。散文詩的なごく短い読み切り小説も、… もっと読む
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2023年8月の記事一覧

夜の森

小さな森のほとりに住んでいる 夜、部屋の灯りを消して 窓から森をのぞくひとときが好きだ 青く黒く揺らめいている 夜の森を おそろしい? そう、私の中のおびえすらも ありのままに浮き上がらせる 夜の森の公平さ 鏡のような深さが好きだ 私をありのままに受けとめて 青く黒く揺らめかせ 命の波動の中で癒やしてくれる 見上げれば漆黒の木々の葉 その上には濃藍の空 銀色にきらめく星々 地上の闇の奥からは 無数の命がうごめく気配 眠ってなんかいない 虫も、けものも、他のものも 草や木は