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三浦綾子さんの著書は、けっこうな冊数を読んでいる。なかでも、いちばん好きと言っていいのが、『一日の苦労は、その日だけで十分です』(小学館)だ。 今年は、三浦さんの没後20年にあたる年。それを前にして、昨年の春に刊行されたエッセイ集である。単行本未収録だったエッセイが多く収録されており、それらがどれも秀逸で、よくぞ出版してくださったと感動した。 三浦さんは私と同じプロテスタントのクリスチャンで、私と同じ北海道の出身である。旭川に住みながら、映画化もされた『氷点』をはじめ
きのうは夕方から取材で外出したので、夕食はかんたんな料理ですませました。塩鮭を焼き、ブロッコリーをゆで、冷蔵庫にあった野菜でサラダがわりのスープを。 刻んで入れたのは、セロリ、赤ピーマン、にんじん、玉ねぎ。写真では見えていませんが、赤と黄色のミニトマトも入っています。味付けは顆粒コンソメとゲランドの塩。 ふたり分で300㏄くらいの水で、刻んだ野菜を軽く煮て、コンソメと塩を加え、火を止める直前にミニトマトを入れてできあがり。仕上げに乾燥パセリをふりました。 温スー
子どものころ、毎晩こっそり自分の部屋の窓を開けて、夜風の匂いを感じていた。 古い一軒家の2階の部屋で、窓の前には痩せた蝦夷山桜が1本立っていた。その向こうには小さな街路灯があり、山桜の葉や枝を透かして見える光が美しかった。雨上がりには無数のしずくが輝き、きんと凍れた日には樹氷のようなものが煌めいて、ことに美しかった。 夜風の匂いは、季節によって異なっている。天気や、その日の人の営みによっても違う。注意深く感じていれば、それは夜ごと同じではなく、目には見えない空気も、
家の近くに森林公園があり、ときどき散歩に出かける。たいていは、夫と一緒に。 最近は、カメラを持って行くようになった。といっても、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)である。 フィルムの時代には、キャノンのF-1やEOS5を持って、山の中で、トライアルというモーターサイクルスポーツを撮っていた。オートバイ雑誌の仕事で、大会を取材していた。 仕事とはいえ、森の中で一日を過ごすのは好きだった。木漏れ日も、木々の間を抜ける風も、草や葉や土のにおいも大好きだった。 そうい
発売中のDr.クロワッサン『若返る 甘酒・麹の健康法』に、信田さよ子さんの著書『〈性〉なる家族』(春秋社)の書評を書かせていただきました。本名の後藤真子で執筆しています。 ご存知の方は多いと思いますが、信田さよ子さんは家族関係やアディクションの問題に詳しい臨床心理士であり、経験豊富なカウンセラーです。 信田さんは、私にとって恩人です。というのも、過去にさまざまな苦しい思いをしていた時、信田さんのいくつもの著書が、進むべき道を照らし出すともし火となってくれました。Dr
洗礼を受けてから、食事の前に祈るようになった。 クリスチャンが、みんなそうしているとはかぎらない。ふだんの生活で、いちいち食前には祈らないという人もいるだろうし、祈っているという人でも、祈り方はさまざまだと思う。 不思議なことに、クリスチャン同士で、「家では、ごはんの前に祈ってる?」というような会話をすることは少ないから、他の人がどうしているか、本当のところはわからない。洗礼を受けた直後の頃だったか、たまたまそういう話をする機会が何度かあって、「人によって、それぞれな